笑えるコメントで、アナタも人気批評家になれる
イェルプで人気あるんだぜ!とアピールする店も |
こんなコメントを目にしたら、そのチョコレートを食べてみたくなるものだろう。アメリカで爆発的人気を博しているレストランレビューサイト「Yelp(イェルプ)」には、こうした面白おかしい表現のオンパレード。実はこのサイト、そんじょそこらのグルメサイトとは違う。月に1,500万もの人がサイトを訪れ、総レビュー数4万件という巨大サイトなのだ。
ユーザー登録さえすれば、誰もがお店の感想を書くことができるシステムに他社との差異はない。しかし、このYelpがユニークなのは、他のユーザーのレビューを「Cool!(やるね!)」「Funny!(面白い!)」など、賞賛する機能があること。顔写真と本名を公開しているため、全体的にフレンドリーなオーラに包まれている(アマゾンのブックレビューは炎上してしまうこともしばしばで、ネガティブコメントが目立つ)。さらに、毎回面白いレビューを書けば、ファンまでついてしまうのである。
誰でもが批評家になれるという手軽さと、ファンに向けたある種の使命感から、ハマってしまう人が続出なのだという。サイト内に1,000人近くの友達をもち、200人ものファンがいるという“エリート会員”も多く存在する。エリートにはレストランでの特別ミーティングやテイスティングに参加できる特権があり、いわゆるオフ会も頻繁。
レストラン側もその影響力に注目
しかし、イェルプの人気は、決してYelper(イェルパー)と呼ばれる会員の間だけではない。閲覧者にとっては、一般人の意見というものがレストラン選びにおいて非常に信頼できるからだ。アメリカの権威あるメディアでもレストランレビューの欄はあるが、その批評家にも偏った好みが見て取れるうえ、読者の彼らに対する好き・嫌いはかなりハッキリしている。その点、このイェルプでは普通の人が訪れた感想を述べているので、自分たち読者にとってより身近な意見なのである。「この店って手探り状態に暗いから、ついついデートもムフフなムードになっちゃうハズ」なんて非常に使える(?)情報も満載なので、デートに指定した店について予習するのにもぴったりだ。「あるピザ屋について『ピザも美味しいけど、何より店員のルックスがデリシャス!』って書いたら、数日後にその店員から『アンタ、イェルプに俺のコト書いただろ?』ってばれてしまったの」と会員のミーガンさんが語るように、レストラン側もこの影響力抜群のイェルプをマメにチェックしている。レストランにとって怖いのは、今や大御所フードジャーナリストよりも、ギャグを交えてバッサリ斬るイェルパーたちなのかもしれない。
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