ガーデニング・園芸/植物の種類と育て方

夏の扇、アンスリウムを楽しむ

まるで造り花のような、独特の姿が特徴的なアンスリウム。今回は、夏のイメージが強い、アンスリウムの育て方について解説します!

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

扇? しっぽ? フォルムが楽しいアンスリウム

アンスリウム

アンスリウム

パッと見た瞬間、「あれ、本物?」とつい触ってみたくなってしまう花がアンスリウム。造花だとガッカリ、本物だと何だか嬉しくなってしまいますが、アンスリウムの魅力は、なんといってもその独特のフォルムでしょう。

花のように見える部分は実は「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる葉が変形したもので、アンスリウムの本当の花は中心部の肉穂花序(にくすいかじょ)です。

アンスリウムの属名「Anthurium」は、ギリシア語で「花の」という意味の「anthos」と、「尾」の意味の「oura」からといわれています。なるほど、確かに肉穂花序は「尾のような花」ですよね。

でも尾のような花よりは光沢のあるハート型の仏炎苞を観賞するアンスリウム、和名のオオベニウチワの方がなんとなくしっくりくるような気がしますがいかがでしょう。

《 アンスリウム 》

学 名 :Anthurium andreanum
別 名 :オオベニウチワ
原産地 :コロンビア、エクアドル
科 名 :サトイモ科
属 名 :アンスリウム属
性 状 :常緑多年草
開花期 :5月~10月
花言葉 :情熱、飾らない美しさ、印象深い

 

アンスリウム
仏炎苞がピンク色のアンスリウム

アンスリウムの種類

アンスリウムというと仏炎苞を観賞するものが一般的ですが、アンスリウム属の仲間は600種ほどあるといわれ、その中には葉や実、草姿などを観賞するタイプのものもあります。

仏炎苞を楽しむタイプの主な種としては……

・Anthurium andreanum(アンドレアヌム、和名オオベニウチワ)
切り花などで良く見かけるのはこの種で、仏炎苞・葉ともエナメル質の光沢があります。また仏炎苞の色も朱色の他に、白、ピンクなどいろいろあります。

・Anthurium scherzerianum(シェルツェリアヌム、和名・ベニウチワ)
仏炎苞に光沢がなく、肉穂花序がねじれるのが特徴です。仏炎苞は朱色の他に、白、ピンクなどの園芸品種があります。

アンスリウム
葉を楽しむタイプのアンスリウム
葉を楽しむタイプの主な種としては……

・Anthurium crystallinum(クリスタリヌム、和名・シロシマウチワ)
ビロード状の暗緑色の葉に、銀白色の葉脈が白く浮き出てるのが特徴です。

・Anthurium magnificum(マグニフィクム、和名・ビロードウチワ)
クリスタリヌムと似ていますが、分類上区別されています。

・Anthurium polyschistum(ポリスキスツム、和名・モミジバウチワ)
モミジのように、掌状に裂けた葉の形状が特徴です。

……などが挙げられます。

この他、完熟するとブドウの房のようになる肉穂花序を観賞する、Anthurium scandens(スカンデンス、和名・ノボリウチワ)といったものもあります。いずれも管理の仕方は「Anthurium andreanum」に準じますので、次ページでそのポイントをみていきましょう。

次ページでは、アンスリウムの育て方についてお話します
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