外猫時代のチロちゃん |
チロちゃんを我が家の家族に、と決めて捕獲した後、動物病院でウイルス検査などと共に不妊手術をお願いしました。手術のために麻酔をかけてお腹の毛を剃ると、微かに手術の後が…。チロちゃんは不妊手術済だったのです。
後になって、チロちゃんの欠けた片耳は人工的に切り取られた=不妊手術が済んでいる目印だと知りました。チロちゃんの切り取られていた耳が不妊手術済の目印だと最初にわかっていれば、麻酔をかけたりお腹の毛を剃ったりしなかったのに。。。当時の自分の認知不足を悔やみました。
また、つい最近飼い主のいない猫たちの不妊・去勢手術や保護活動を行っている友人が捕獲した猫さん。お腹を開けられてから、手術済だったことがわかりました。手術済だという目印がついていたら、この子はこんな目に遭わなかったのになぁ。。。猫さん、ごめんなさい。です。
飼い主のいない猫の不妊・去勢手術を行った印には、様々な方法がありますが、まだ一般の方にはそれほど知られていないようです。
T.R.N.運動をご存じですか?
「のらねこ学入門」の「T.N.R. 運動とは?」でわかりやすく説明されていますが、
T:トラップ(捕獲器で捕獲して)
N:不妊手術(ニューターにして)
R:リリース(元の場所に戻す)
という運動です。
そして、飼い主のいない猫たちがこれ以上増えないために不妊手術を行い地域猫としてその代限りの猫生を見守っていこう、と活動されている多くの団体や個人の方々は、リリースする前に不妊手術をしたという目印を付けるよう推奨されています。
不妊手術の目印
目印には、耳ピアス、耳カット(先端を平らに切り取る・V字カットなど)、入れ墨、糸を結ぶ、首輪、など色々あります。
件の2回開腹されてしまった猫さんを保護した友人の団体は、今までは術済みの目印としてピアスを付けてリリースしていましたが、最近はピアス+V字カットを施すようになりました。
耳の先端のカットは、まったく猫のことがわからない(興味がない)人にはアピール度が低く、ピアスであれば「あの猫は、不妊手術をしてありますから」と説明したときにわかりやすい、という利点があるので耳ピアス方式を取っているそうです。
もし、ピアスが取れてしまっても、耳カットしてあれば再度捕獲されても(わかる人にはわかるので)開腹されなくても済みます。
耳Vカットされている猫さんは、はっちゃんでも有名ですね。
耳カットはEar Tippingと呼ばれ欧米では一直線にカットする方法が普及、シンガポールの飼い主がいない猫たちの多くにも施されているそうです。
女の子は左耳を、男の子は右耳をカットすることで、遠目でも性別がわかるようになっています。
例えどんな理由であろうと、形が整っている身体の一部を切り取ることに心を痛める方もいるでしょう。また、猫が痛みを感じるのではないか?と危惧される方も。
しかし、「地域猫」という考え方で、その猫の一代限りの猫生を見守る、人と猫が共存できる環境のために、飼い主のいない猫の産児制限は必要だとガイドは考えます。
そして、産児制限を行った猫には、誰もが一目でわかるような共通の目印を必ず付ける。その目印がある猫は、その地域で見守っている人がいるのだと、猫に興味のない人にも理解していただけるように…。
不妊・去勢手術済の猫をリリースする際には、必ず目印を付けください。
不妊・去勢済みの目印(一部紹介) |
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耳カット (横一文字) |
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耳カット(V字) 左耳(メス) |
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耳カット(V字) 右耳(オス) |
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耳ピアス | |
耳ピアス | |
リリース前 耳ピアス |
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■参考リンク
『ウィキペディア(Wikipedia)』地域猫
耳ピアス
NPO法人 動物たちを守る会 ケムビル「地域猫普及活動」
★手術後の目印ピアスに関して★
ミャーコと地域猫218
地域ねこの目印/みみピアス
シンガポール猫2(イヤーチッピング)
はっちゃん
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