鉄道/特急

小田急電鉄・特急ロマンスカーVSEの魅力

高層ビルの林立する新宿を出発して、自然があふれるリゾート地、箱根へ向かう約85分の旅。このONからOFFへの移動を、まるで自宅でくつろぐように快適に過ごせる列車、小田急ロマンスカーVSEの魅力に迫ります。

執筆者:高橋 良算


小田急ロマンスカーVSE
新宿駅で出発を待つVSE
3月19日、新宿と箱根を結ぶ小田急電鉄の特急ロマンスカーに、9年ぶりの新型車両がデビューしました。その名も「ROMANCECAR VSE」50000形。前作のEXE(30000形)には採用されなかった、小田急ロマンスカーの真骨頂とも言える「展望席」が復活を遂げるなど、都心から箱根への旅を、さらに楽しくしてくれる列車として、早くも人気を博しています。

子ども達の目はキラキラと輝き、大人も久しぶりに心が浮き立つ、そんな新型ロマンスカーVSEを、早速体験してきました。

単なる車両ではない、居住空間としてのデザイン

VSEとは「Vault Super Express」の略で、「Vault=ドーム型の天井、天空、空間」という意味。

一歩車内に入ると、今までのロマンスカーとは一線を画する、明るく、かつ落ち着いた空間が目に飛び込んできます。それはまるで、おしゃれで洗練されたカフェ、最新の映画館、デザイナーズホテルのロビー・・・そんなものまで連想してしまう、「上質で洗練された大人の空間」なのです。


VSEのロゴマーク
VSE車体側面のロゴ
それもそのはず、今回このVSEのデザインを手がけたのは、関西国際空港の設計・施行をはじめ、世界で活躍されている建築家の岡部憲明氏。鉄道車両のデザインに建築家というと、ちょっと不思議な気もしますが、そもそもこのVSEの開発コンセプトは「リビングのような快適な移動空間」でした。

鉄道車両を単なる移動の手段にするのではなく、移動そのものを楽しむ空間とすること。その居住性に対する徹底的なこだわりが、岡部氏のデザインとなって結実したのです。

そう、これはまさに鉄道旅行の原点ですね。VSEでの旅は、鉄道旅行の真の楽しみが味わえる、都心から最も近い旅だと言えるかもしれません。何より、運賃に特急料金をプラスするだけで、誰でもこの快適空間を味わうことができる、というのも魅力です。

小田急ロマンスカーの変遷

1957(昭和32)年 SE(=Super Express)3000形
1963(昭和38)年 NSE(=New Super Express)3100形
1980(昭和55)年 LSE(=Luxury Super Express)7000形
1987(昭和62)年 HiSE(=HiSE(High-decker / High-grade / High-level Super Express)10000形
1991(平成 3)年 RSE(=Resort Super Express)20000形
1996(平成 8)年 EXE(=Excellent Express)30000形
2005(平成17)年 VSE(=Vault Super Express)50000形


→ はやる気持ちを抑えつつ、VSEの車内へと入ってみましょう!
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