デフレの弊害
途中でも少し触れましたが、エアコンの取り付けにまつわる問題はエアパージの問題だけではありません。
エアコンは、家電の中でも取り付けの複雑さでは間違いなくトップクラス、どちらかというと「設備」というのが正しい製品です。
このため、一口に取り付けといっても、レベルはピンからキリまで。
手間隙がかかる作業ですから、悪く言えば、手抜きをすればするほど儲かる作業なのです。
まして、量販店は、大量に販売した分の工事をどんどんと短い期間でこなしていかなくてはなりません...。
このため、かなり悪質な業者が横行しており、プロが見れば目を覆いたくなるような設置がなされている家庭も多くあるといいます。
(電気店には「1軒あたりOOOO円で請け負わないか?」という勧誘がきたりするとのこと...)
エアコンを何度修理しても1~3年おきに頻繁に故障する、などというケースは、エアコンそのものよりも、このような設置のトラブルに起因しているものが多いそうです。
通常、丁寧に取り付ければエアコンの取り付けには2~3時間かかるのがあたりまえ、とのこと。
これが、量販店系などの工事の場合1時間弱で終わってしまうといいます。
真空引きなどは論外で、パイプはただかくんと曲げただけ(これも故障などの原因...)、見た目は丸出し、節々の加工もいい加減...、といった具合。
廃棄する古いエアコンのフロンの回収義務なども、きちんと行われているのか不安です。
そりゃー、付けてもらう側としては速いほうが、なんだかうれしいわけですが、あまりに速く工事が終わった場合にはちょっと疑ってかかってみる必要があるかも知れません。
配管や設置の見た目が悪いのも、きちんとお金をかけて、やる人がやれば綺麗にできるのです。
なかにはマンションの施工業者などで、一軒当たり1時間で終わらせる達人的なプロもいるそうですが、それは腕と条件がそろった特殊な場合とのこと。
世の中、不況でデフレ、荒んできているのは他人事ではすみません。
面倒で出費も増えてしまうかもしれませんが、自分で守れるものはきちんと守っていきたいものです。
調査に手をつけるのが遅くなってしまったため、エアコン商戦本番開始にはちょっと間に合わなかったのが心苦しい限りですが、これからエアコンの購入を検討される方の参考になれば幸いです。
<関連サイト>
東芝
エアコンQ&A
財団法人
省エネルギーセンター 省エネ性能カタログ
グリーン購入ネットワーク
「エアコン」購入ガイドライン