11月株式市場の傾向
11月は10月に続き3月決算企業の中間決算が本格化する月ですが、日本企業は決算内容を保守的に見積もることが多く、決算発表後は決算内容に対しての失望売りが出やすい傾向があります。そのため11月相場は軟調に動きやすいと言われています。今回は、11月相場にどのような業種が下がりやすいのかについて、過去の株価データから統計的に検証してみました。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
検証対象:日経平均採用銘柄(225銘柄)
検証期間:1990/03/01~2015/9/30
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件
・10月末の最終営業日の寄り付きで買い
売り条件
・25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
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10月末に、ある業種の銘柄を全て購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%未満で、損益がマイナスならば、11月は株価が下がりやすい月となります。
以上のルールで、過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
11月相場で低調な業種ランキング、ワースト3
■1位:水産業(2銘柄)勝率: 32.50 %
勝ち数: 13 回
負け数: 27 回
引き分け数: 0 回
平均損益(円): -6,033 円 平均損益(率): -3.02 %
平均利益(円): 12,870 円 平均利益(率): 6.44 %
平均損失(円): -15,134 円 平均損失(率): -7.57 %
合計損益(円): -241,319 円 合計損益(率): -120.66 %
合計利益(円): 167,312 円 合計利益(率): 83.66 %
合計損失(円): -408,631 円 合計損失(率): -204.32 %
プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 0.409
平均保持日数: 27.40 日
■2位:建設業(8銘柄)
勝率: 33.33 %
勝ち数: 61 回
負け数: 122 回
引き分け数: 4 回
平均損益(円): -7,632 円 平均損益(率): -3.82 %
平均利益(円): 12,781 円 平均利益(率): 6.39 %
平均損失(円): -18,088 円 平均損失(率): -9.04 %
合計損益(円): -1,427,139 円 合計損益(率): -713.58 %
合計利益(円): 779,642 円 合計利益(率): 389.84 %
合計損失(円): -2,206,781 円 合計損失(率): -1,103.42 %
プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 0.353
平均保持日数: 27.44 日
■3位:鉱業(1銘柄)
勝率: 33.33 %
勝ち数: 3 回
負け数: 6 回
引き分け数: 0 回
平均損益(円): -4,023 円 平均損益(率): -2.01 %
平均利益(円): 10,576 円 平均利益(率): 5.29 %
平均損失(円): -11,323 円 平均損失(率): -5.66 %
合計損益(円): -36,208 円 合計損益(率): -18.10 %
合計利益(円): 31,728 円 合計利益(率): 15.86 %
合計損失(円): -67,936 円 合計損失(率): -33.97 %
プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 0.467
平均保持日数: 27.44 日
以上が、11月相場で最も低調だった3業種の検証結果です。検証結果を見てみると、どれも勝率が50%を切っており、1トレードあたりの平均損益はマイナスになっています。従ってこの3業種は11月に下がりやすい傾向があると判断できるでしょう。
今回の検証でご紹介した3つの業種は、11月相場に下がりやすい傾向にありました。では、これらの業種の中でも下落傾向が強かったのは、どの銘柄でしょうか? 最後に、11月相場で下落傾向の強かった3業種の中でも、特に低調だった銘柄をご紹介します。
11月低成績ランキング
上記の表は先ほどの検証結果において、特に勝率の低い銘柄のランキングです。「積水ハウス<1928>」「日揮<1963>」「日本水産<1332>」などが、11月相場では要注意といえるでしょう。11月相場は買いを控える投資家が多いため、株価は軟調に推移する傾向があると言えます。ご紹介した3つの業種の銘柄を買うときは、こうした傾向を踏まえておくとよいでしょう。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)