5月株式市場の傾向とは
5月は3月決算企業の通期決算の発表が本格化する月です。決算の内容次第で株価が大きく変動する可能性が高いでしょう。重要なイベントが控えている5月。この5月相場はどのような傾向があるのでしょうか。今回は、過去の株価データから5月相場の傾向について統計的に検証してみました。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
検証対象:全銘柄
検証期間:1990年3月~2015年3月31日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件
・4月末の最終営業日の寄り付きで買い
売り条件
・25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
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4月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、5月は株価が上がりやすい月となります。反対に、損益がマイナスであるならば、5月は下がりやすい月といえるのではないでしょうか。
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
■株式市場の傾向(5月)の検証結果
勝率: 45.39 %
勝ち数: 32,446 回
負け数: 39,038 回
引き分け数: 1,807 回
平均損益(円): -82 円 平均損益(率): -0.04 %
平均利益(円): 18,972 円 平均利益(率): 9.49 %
平均損失(円): -15,922 円 平均損失(率): -7.96 %
合計損益(円): -5,992,133 円 合計損益(率): -2,997.79 %
合計利益(円): 615,552,218 円 合計利益(率): 307,783.70 %
合計損失(円): -621,544,351 円 合計損失(率): -310,781.49 %
プロフィットファクター(総利益÷総損失): 0.990
平均保持日数: 27.34 日
以上が、株式市場の傾向(5月)の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は45.39 %、1トレードあたりの平均損益は-0.04%となっています。勝率が5割を切り、平均損益もマイナスになっていることから、5月は下がりやすい月と判断できるでしょう。
5月が下がりやすい傾向の月である要因には、「企業の決算発表で出される通期業績予想が保守的」であることが挙げられます。4月末から5月にかけて、3月決算の企業による決算発表が本格化します。日本企業は通期業績予想を保守的に見積もる傾向がありますから、保守的な業績予想を受けて、失望売りや利益確定売りが出やすく売り優勢の展開になりやすいのでしょう。
今回の検証では、5月相場は下がりやすい傾向でした。では、下げやすい傾向がある中で、5月の株式市場で好調な銘柄にはどのような銘柄があるのかを確認してみましょう。
■5月好調ランキング
上記の表は先ほどの検証結果において、勝率の高い銘柄のランキングです。ランキング上位の銘柄から特徴的な銘柄を上げると、
<2655>マックスバリュ東北 [勝率85.71%]
<9959>アシードホールディングス[勝率83.33%]
<9046>神戸電鉄[勝率82.61%]
といった銘柄が挙げられます。これらは2月や3月に優待権利確定日がある銘柄です。優待が人気の銘柄は、権利確定日後に株価が下落する傾向があります。5月は、優待権利確定による売りが一巡し、再度優待権利獲得を目的とした買いが入りやすい月と言えるでしょう。5月の投資戦略を考慮する上で、上記3銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)