ドイツのクリスマスマーケットの定番グリューワイン(ホットワイン)
グリューワインはドイツのクリスマス市に欠かせないもの。カップはデポジット制だけど記念に持ち帰ってもOK
ドイツの冬のお楽しみといえば、日本人観光客にも大人気のクリスマスマーケット(クリスマス市 Weihnachtsmarkt)。そしてクリスマスマーケットの主役といえば、グリューワイン(Glühwein ※ドイツ語の発音はグリューヴァインに近い)です。
グリューワインとはワインにシナモンやクローブなどのスパイス、果物を加えて温めたホットワインのこと。ドイツ人にとって「クリスマスマーケットに行く=グリューワインを飲みに行く」というくらいみんなが楽しみにしている飲み物で、夜や週末ともなるとグリューワイン屋台のまわりは飲みながらおしゃべりを楽しむ人たちでいっぱいになります。 寒さの厳しいドイツでクリスマスマーケット散策をするときには、体の芯からぽかぽか温めてくれるグリューワインは欠かせません。カップはデポジット制なので返却するとお金が戻ってきますが、そのままお持ち帰りも可能なのでお土産にしてもOK。町名や年号が入っていたり形も様々なデザインがあるのでコレクションしている人もいます。自宅でグリューワインを飲む時にもこのカップがあればさらに盛り上がりそうですね。
おいしいグリューワインを味わうために、おすすめのお土産やレシピなど様々な情報をお届けします。
グリューワインの種類
グリューワインは赤ワインを使うことがほとんどですが、たまに白のグリューワインが飲める屋台もあり、白の方がすっきりしていて好きという人もたくさんいます。最近はりんごやさくらんぼ、ブルーベリーにざくろなど様々なフルーツのグリューワインも増えてきました。また、卵のリキュールで作るアイヤープンシュもクリスマス市では定番。お酒が飲めない人や子ども用にノンアルコールのパンチも用意されています。逆にもっと強いお酒が欲しい人はラムやアマレットなどを追加で加えることもできます。ファイヤーツァンゲンボウレ(Feuerzangenbowle)はラム酒に浸した角砂糖に火をつけてグリューワインに加えた飲み物。燃え上がる炎に気分も盛り上がります。
おいしいグリューワインのみつけ方
ドイツのクリスマスマーケットにはたくさんのグリューワイン屋台があります。お店によって味が微妙に違うのでいろいろと飲み比べてお気に入りの一杯を探すのも楽しいものですが、なかには市販品を温めただけのものも。そこで今回は美味しいグリューワインをみつけるコツを伝授しましょう。キーワードは「Winzer ヴィンツァー」。ヴィンツァーとはドイツ語でワイン醸造所、ワイナリーの意味。つまりWinzerと書かれている屋台はワイナリー直営だったり手作りのグリューワインを販売しているということ。なかには普通のグリューワインとヴィンツァーグリューワインの2種類を出している屋台もあってお値段にも少し差がありますが、ヴィンツァーグリューワインの方が断然おすすめ。クリスマスマーケットに行ったら、ぜひこのWinzerの文字を探してみてくださいね。
お土産にもおすすめ! スーパーで買えるおすすめグリューワイン
スーパーで買えるグリューワインは温めるだけでお手軽。ノンアルコールタイプやビオもあり
市販品はお鍋に入れて温めるだけなので自宅でも手軽にグリューワインを楽しむことができます。だけど飛行機の持ち込み制限を考えると日本へは何本も持って帰れないのが難点。 そこでおすすめなのが、グリューワイン用のスパイス(シナモン、クローブ、オレンジの皮など)が入ったティーバッグ。ワインと一緒に温めるだけであっというまに本格的なグリューワインができるという優れものです。また、冬限定でグリューワイン風味のお茶のティーバッグも登場。小さくて軽く、安い(約1ユーロ~)のでばらまき用のお土産にもおすすめです。スーパーのお茶コーナーやクリスマス特設コーナーで探してみてくださいね。
グリューワインやワイン用スパイスはアドヴェント(クリスマス前の4週間)の時期に出回りますが、お店によっては10月くらいから置いてあることもあります。
じつはグリューワインはおうちでも簡単に作ることができるんですよ。続いて、簡単レシピをご紹介します。
簡単で本格派! グリューワインのレシピ
意外に簡単に作れるグリューワイン。クリスマスのお菓子と一緒にドイツ風アドヴェント・パーティーを開きましょう!
グリューワインのお供にシュトレンやクリスマスクッキー、バウムクーヘンなどドイツのクリスマス菓子を用意して、ドイツ式アドヴェントのお茶会を開いてみるのも楽しいですよ。
赤のグリューワインのレシピ
■材料(ワイン1本分)- 赤ワイン 1本……酸味の少ないものがおすすめ。安いテーブルワインで十分です
- オレンジ 1個……できればビオ(オーガニック)のものを皮ごと使用
- りんご 1個……オレンジと同じくできればビオのもの
- シナモンスティック 1本
- クローブ(丁子) 5粒
- 砂糖(またははちみつ) 大さじ3杯~……ワインの酸味によるので味見をしながら調節。はちみつを加えるとぐっとコクが出ます
- ほかにカルダモン、ジンジャー、バニラ、レモンなどお好みでどうぞ
- オレンジとりんごはできればビオのものを皮ごと使うのがおすすめ。手に入らなければ皮を剥いてから、オレンジは輪切り、りんごはいちょう切りにしておく。
- ワインと砂糖(はちみつ)を鍋に入れ、弱火で人肌程度になるまで温める。沸騰するとアルコール分が飛んでしまうので注意。
- お茶パックに入れたシナモンスティックとクローブを鍋に入れる。
- オレンジとりんごを鍋に入れて弱火でさらに温めてできあがり!
白のグリューワインのレシピ
■材料(ワイン1本分)- 白ワイン 1本……酸味の少ないものがおすすめ。安いテーブルワインで十分です
- オレンジ 1個……できればビオ(オーガニック)のものを皮ごと使用
- レモン 1個……オレンジと同じくできればビオのものを皮ごと使用
- シナモンスティック 1本
- クローブ(丁子) 5粒
- 砂糖(またははちみつ) 大さじ3杯~……ワインの酸味によるので味見をしながら調節。はちみつを加えるとぐっとコクが出ます
赤のグリューワインのレシピのりんごをレモンの輪切りに変えるだけで、あとは同じ。
白ワインには柑橘系フルーツが良く合います。なかでもガイドのおすすめは柚子。日本にいる人はぜひ生の柚子を加えてお試しください。ドイツではアジアショップで手に入る柚子ジャムを入れてもおいしいです。しょうがを加えると喉もすっきり、風邪予防や冷え性対策にも効きそうですね。
このレシピでは水は加えていませんが、濃すぎると感じたら水やジュースで薄めてもいいですし、お酒好きな人はラム酒を加えても。好きなスパイスやフルーツを加えてアレンジを楽しんでくださいね。また、アルコールが苦手な人やお子様にはワインの代わりにぶどうジュースやりんごジュースを使ったパンチをどうぞ。
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