子供の行事・お祝い/七五三

母から子に伝えたい、日本の伝統「室礼」で祝う七五三

室礼とは、季節や人生の節目に、感謝や祈りの気持ちをこめて室内を飾ること。七五三当日にお祝いするのはもちろん、七五三の前から部屋を飾ることで、お祝いの気持ちをよりしっかりと伝えてみませんか?

高橋 真生

執筆者:高橋 真生

子育て・教育ガイド

七五三上級編! お祝いの気持ちをこめて家を飾る

柿の写真

行事や季節に合わせた飾りつけは、暮らしのちょっとしたスパイスにもなります!

小さいお子さんのいるお宅では、誕生日や、お正月・雛祭りなどの五節供、ハロウィン・クリスマスなどの西洋由来のイベントについては、飾り付けをしたり部屋を整えたりするのが当たり前のようになってきていますね。

それでは、七五三はいかがでしょうか。人生の節目ではありますが、写真撮影やお食事会などに気をとられて、なかなか部屋にまで手が回らないという方が多いようです。

けれど、それではもったいない! 日本には、季節や人生の節目に、感謝や祈りの気持ちをこめて室内を飾る「室礼(しつらい)」という文化があります。七五三のお参りに行く前から部屋を飾ることで、お子さんへお祝いの気持ちをより強く伝えることができます。また、七五三の年齢のお子さんがいなくても、成長を祝う気持ちや、自分の成長を願ってくれた両親への感謝の気持ちをこめて、11月に七五三の室礼をしてみてはいかがでしょうか。

「七五三」の意味、再確認!

七五三写真

七五三は、お宮詣りと同じように、氏神様に子どの成長を感謝し、家族皆で健やかな成長を祝うものなのです

明治時代に七五三として定着した行事ですが、それ以前は、3歳・5歳・7歳と、子どもの成長の節目にあたって個々に行われていました。

3歳(男女、時代や地方によっては女子のみ)は「髪置(かみおき)」といって、それまで剃っていた髪を伸ばし始めるお祝いの儀式です。5歳男子は「袴着(はかまぎ)」といって、生まれて初めて袴をつけるという儀式で、男の仲間入りを果たします。七歳女子は「帯解(おびとき)」といって、子どもの帯をやめ初めて本式の帯を締める儀式です。

乳幼児が亡くなることの多かった昔は7歳までの子どもは神の子とされ、7歳になって初めて社会の一員として認められたといいます。ちなみに、7歳といえば小学校入学。ドイツ発祥のシュタイナー教育学でも、7歳までは子どもは母親の胎内にいるような感覚で生きていると考えられています。七五三の7歳は女の子のお祝いですが、7歳というのはいずれにしても大きな節目なのですね。

玄関でも棚でも! 小さなスペースで心をこめた室礼を

室礼(女の子)写真

髪飾りと千歳飴で華やかに

七五三の室礼で多く用いられるものには、以下のようなものがあります。これまで見てきた通り、元々は着物にまつわる儀式だったことから、衣服に関係する物を飾ることが多いようです。
  • 身に着けるもの(髪飾り・箱せこ・帯など、七五三で着用したもの)
  • 千歳飴(長寿)
  • 柿(「かき」が「嘉来」で、喜び来る)
  • 扇(末広がり)
  • コキア写真

    ホウキグサはコキアのこと。秋が見頃です

  • ほうき・ホウキグサ(災難を掃き捨て、得をかき寄せる)
  • 鶴亀(長寿)
  • 桐の実・神楽鈴・鈴(厄除け、神様をお呼びする)
  • ひょうたん(6つのひょうたんで、無病息災)

 
鶴亀の置き物やひょうたんは手に入りにくいかもしれませんが、折り紙で作ったり、鶴亀やひょうたんの絵が描かれた食器や箸置きを使ったりすることなら気軽にできますよね。また、自分の子どもの頃の食器やおもちゃなどをしつらえるのもよいものです。

室礼(男の子)写真

こんもりと盛った柿に、小さなおもちゃと扇子を添えた室礼なら、毎年気軽にできそうですね

飾るときに気をつけたいポイントは、2点。まず、神様にお供えをするものは奉書紙(白い紙)を敷くこと。お正月の鏡餅やお月見のお団子を、白い紙の上に置くのと同じことです。また、板と板が重なるのは禁じられているので、間に打ち敷き(布)を敷きましょう。木製の家具の上に板皿などでしつらえる場合も、板が重なると考えられるので、家具の上に布を敷くのをお忘れなく。

また、地方によっては、くくり猿のお人形を下げたり、すくすく育つとされる麻の模様を刺繍した布を飾ったりと様々な風習がありますので、室礼に限らず七五三全体についても身近な人に聞いてみるのが1番です。

室礼は形でなく心が大切。感謝の気持ちを表す行事の飾りつけ、日本の行事だからと堅苦しく考えずに、好きなものを取り合わせ、まずは楽しくしつらえてみましょう!

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