鼻が折れる? 鼻骨骨折とは
鼻は顔の真ん中に位置し、顔面の形態として重要な部分です。鼻の土台として鼻骨と鼻の軟骨があります。鼻骨と軟骨が鼻の形態を作っています。
鼻骨骨折の分類
- 新鮮骨折…受傷後1ヶ月以内の骨折
- 陳旧性骨折…受傷後1ヶ月を過ぎた骨折
新鮮骨折であれば、通常鼻骨徒手整復が可能です。外来で局所麻酔で治療が可能は場合がほとんどです。
陳旧性骨折となると、骨折が癒合するので骨切りが必要となり、入院と全身麻酔が必要となります。
鼻骨骨折が多い年齢・性差
運動、事故などに伴い発生する骨折ですので、あらゆる年齢層に発生します。一般の人にも発生しますし、ラグビー、バスケットボール、野球、格闘技などのスポーツ選手などでもみられます。男性に多い骨折ですが、女性にも発生します。鼻骨骨折の症状・画像
骨折部位の周辺の腫脹、疼痛、皮下出血などが発生します。通常は鼻出血、いわゆる鼻血が出ます。鼻粘膜が腫脹し、鼻閉を合併します。顔面の変形として「斜鼻」という、鼻の左右どちらかへの偏位が起きることもあります。
鼻が左右のどちらかに偏位すると斜鼻という変形が生じます。
鼻が低くなると、「鞍鼻」という顔面の変形が生じます。
鼻が低くなると鞍鼻という変形が生じます。
鼻骨骨折の検査・診断法
■単純X線単純X線写真は放射線被爆量も少なく、費用もわずか。その場で撮影も終了し当日説明を受けられるので、必ず施行します。
鼻骨単純X線側面像。骨折が診断できます。
■CT
単純X線で診断がつかない場合でもCTであれば診断可能です。
顔面単純CT画像。骨折の診断が正確に可能です。
■3DCT
CT検査後にデータをコンピューターで計算することで3次元の画像を表示することが可能です。2次元の画像よりわかりやすいのが特徴です。
3DCT画像。
鼻骨骨折の治療法・手術方法
顔面の変形がない場合、特別な治療は必要ありません。変形がある場合治療が必要となります。鼻骨骨折の治療として徒手整復術、観血的整復術の2つの治療法があります。■徒手治療
通常は局所麻酔下に、鼻骨整復鉗子(金属製の専用の道具)を鼻腔に差し込み変形を治療します。
鼻骨整復鉗子で骨折の変形を治療します。
固定の金属を留置すると顔面に傷が残ります。顔面に傷を残さないためには、金属を留置しないで、外固定(鼻骨用スプリント)と内固定(ガーゼ)を行います。
外固定でプラスチック製の板を鼻の上に使用します。
さらに内固定として細いガーゼを鼻腔に留置します。
■観血的整復術
受傷1ヶ月を過ぎると徒手整復が困難な場合が多いので、観血的な手術が必要となります。癒合した鼻骨を骨切りします。外固定と内固定は徒手整復と同じです。全身麻酔が必要なため、入院での手術となります。