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消費税10%への増税前に「定期券」は、買い換えるとオトク?

2019年10月1日には消費税は10%となります。増税後はバスや鉄道など多くの交通機関の運賃が値上げされます。定期券も値上げされますが、10月まで残りの期間がある場合、買い換えたほうがトクなのでしょうか? 電車とバスの定期券についてチェックしてみましょう。

山口 京子

執筆者:山口 京子

家計簿・家計管理ガイド

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2019年10月1日以降に定期券の期限がくる人は、増税前に買い換えたほうがオトクなの?

2019年10月1日には、10%に上がる消費税。交通機関の運賃も、8%から10%に値上げします。

定期券も値上げになります。今から2019年10月1日の増税前に定期券の有効期限がくる人は、増税前8%の消費税で6カ月定期を買ってしまうのが間違いなくオトクです! ところが悩むのは、2019年10月以降に定期券の期限がくるケース。このまま継続して、10%に増税された後に、継続の定期券を買ったほうがいいのでしょうか?
 
定期券の買い替え、増税前にしたほうがいい?

定期券の買い換え、増税前にしたほうがいい?



3つのステップで考えます。
1. 今の定期券を期限まで使って消費税10%になった後に新しい定期券を買うケース
2. 今の定期券を払い戻し、消費税8%の料金で6
カ月定期を買うケース
3. 1と2を比べて、1
カ月​​​​​​​間のコストが安いほうがオトク!

ポイントは増税前に6カ月分の定期を買うことです。できるだけ安い運賃で前払いするというイメージです。

そこで必要になるのが、1の増税後の定期代と、2の払い戻しの計算式です。払い戻しの計算式や手数料については、それぞれ交通機関のホームページに書かれていますのでチェックしてみましょう。
 

バスは定期券を払い戻すと損になってしまう

定期券を払い戻す場合は、残りの期間を単純に割ってお金が戻るのではなく、手数料とペナルティがあります。ペナルティとは、定期券の金額ではなく、普通運賃でそれまでに使った期間を計算されてしまうことです。

バス会社各社の、払い戻し計算方法は
定期券代-(往復料金×経過日数)-手数料=払戻し額


この式で出てきます。手数料は、京王バス520円、東急バス510円のように各社違います。そもそも、バスの定期券は鉄道に比べ割引率が低く、6カ月定期でひと月20日以上乗らないと元が取れません。それを往復の経過日数(定期券購入日から払い戻す日まで)で計算し、さらに手数料がかかるので、とても不利なのです。

まだ認可申請中で、料金が決定していませんが、片道220円のバス料金の場合、今の料金が6カ月定期で5万1950円、新料金が仮に5万2911円 だとすると。その差は、961円です。手数料を払うとすでにこの時点で400円程度しか変わりません。さらに経過日数を普通の往復運賃で計算するので……。

たとえば、東急バスで約3カ月後の90日経過後に払い戻しを受けるとすると

5万1950円-(往復440円×90日)-手数料510円=1万1840円…払い戻しされる金額

まだ半分残っているのに、手元に戻るのは4分の1以下になってしまいます。

バスの定期券は、増税だからといって払い戻さないようにしましょう。1カ月20日もバスに往復で乗らない人は、定期券ではなく1カ月で1000円使うと100円分のポイントが貯まる「バス利用特典サービス」を使ったほうがうんとオトクです。東急バスの説明が親切でわかりやすいです。他のバス会社も同じサービスがあります。この機会に見直してみましょう。

●東急バスのバス利用特典サービス
 

鉄道の払い戻しで損をしないポイントはここ!

鉄道各社も、払い戻しのペナルティがあります。JRの場合手数料は220円。バスに比べると半額以下ですが、もう1つの経過期間の計算方法に注意しなくてはいけません。

鉄道は、経過期間を月数で計算します。例えば1カ月と数日使った場合は、2カ月と計算されてしまうのです。たとえ、1日過ぎただけでも1カ月と計算されるので、損です。

例)8月1日から1月30日まで有効の6カ月定期券を9月3日に払い戻す場合

払戻額=6カ月定期運賃-(1カ月定期運賃×2)-手数料220円

9月はたった3日しか使っていないのに、1カ月分と計算されてしまいます。

鉄道の定期券は、きっちり2カ月、3カ月と使いきって払い戻すとムダがありません。今回の増税ではどのケースがオトクなのでしょう?
 

どれくらいオトク?

東京―新橋の定期券の場合
現行  1カ月3880円 3カ月1万1060円 6カ月1万8620円
増税後 1カ月3950円 3カ月1万1270円 6カ月1万8980円

■3カ月定期の場合
例)ちょうど2カ月残っているケース。

買い換えずに、増税後も3カ月定期を買うと6カ月間の定期代は?
1万1060円+1万1270円=2万2330円
1カ月のコストは
2万2330円÷6=3721円

では、1カ月経過後、きっちり2カ月残ったところで払い戻す計算をしましょう。1カ月の定期券代は3880円なので、
1万1060円-3880円-220円=6960円
と、なります。この6960円は残り2カ月分だと考えると、
1万1060円-6960円=4100円が経過した1カ月分のコストです。

さあ、次に増税前の料金で6カ月の定期を買うと、経過した1カ月+6カ月=7カ月間の定期代は?

4100円+1万8620=2万2720円
1カ月分のコストは?
2万2720円÷7=3245円

つまり、3カ月毎に買い換えていた人がいいタイミングで6カ月買えば1カ月に476円、半年で2856円オトクということになります。

もし、手持ちのお金がなくて6カ月分は買わないで、3カ月定期に買い直すと……
4100円+1万1060円(3カ月定期代)=1万5160円←これは4カ月分
1万5160円÷4=3790円
残念ながら、買い換えた方が割高になってしまいました。

例)3カ月定期をそのまま使い、増税後に6カ月定期を買うケース
1万1060円+1万8980円=3万40円←9カ月分
3万40円÷9=3337円
3カ月定期を使っている間に、残り2カ月あれば6カ月定期に買い換えたほうが若干おトクです。

■6カ月定期を買った場合
例)6カ月定期を買った人が、買い換えず増税後に6カ月定期を買った場合。
1万8620円+1万8980円=3万7600円←12カ月分
1カ月のコストは
3万7600円÷12=3133円

もともと、6カ月定期は割引率が高いので、払い戻しをすると経過分を割引率の低い3カ月定期や1カ月定期の料金で計算されるため損になります。そのまま使って増税後も、6カ月定期を買うといいでしょう。
 

「増税前に定期券を買い換えるとオトクかどうか」のまとめ

・バスは買い換えない。そもそも、定期がトクか考えよう!
・鉄道の定期は、3カ月​​​​​​​定期を買っている人は、増税前に残り期間をきっちり2
カ月残して、6カ月定期に買い換えるとオトク!

駅の窓口は混みあいますので試算や相談などは、窓口のすいている時間にするか、お客様センターなどに電話してみましょう。いずれもできるだけ早めに確認するのがいいですね!


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