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扶養を外れて働くと専業主婦の2倍貯められる!?

コラム「共働きは食費が多いってホント?」では、妻の働き方別に食費や生活費の平均額を紹介しましたが、どれくらい貯めているかも気になるところです。今回は、家計収支や貯蓄率について見てみましょう。

平野 直子

執筆者:平野 直子

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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夫の収入が一番高いのは専業主婦!

税金や社会保険料、2人分合計すると結構いくよね。

税金や社会保険料、2人分合計すると結構いくよね。

コラム「共働きは食費が多いってホント?」と同様、総務省の家計調査から、妻の働き方別に世帯収入や可処分所得、支出と平均貯蓄率をまとめてみると、以下の表のようになりました。まず世帯主の1月あたりの収入を見ると、もっとも多いのが「夫のみ有業(妻が専業主婦)の世帯」で、約45万円、次いで「妻の勤め先収入が8万円未満」が約44万円となっています。一方、「妻の勤め先収入が8万円以上」の世帯では約43万円、「妻が勤労者以外(自営業等)」の世帯では約41万円となっていました。

総務省「家計調査」をもとにガイド平野が表作成(クリックすると拡大表示します。)

総務省「家計調査」をもとにガイド平野が表作成(クリックすると拡大表示します。)


世帯人員は、いずれも約3.5人なので、夫婦と子ども1~2人といった家族構成でしょうか。ガイド平野はなんとなく、「世帯主の収入が最も高い世帯は、夫の平均年齢も高め」かな? とイメージしていたのですが、夫の平均年齢と収入とは関連性が少なそうです。専業主婦世帯は、夫の平均年齢が約46歳と他の世帯よりも若いのに、収入は最も多い、という結果でした。最近、学生や20~30代の若い女性の間で、専業主婦を希望する人が増えていると聞きますが、「専業主婦になれるほど収入が高い男性」というのは、こうした数字のイメージがあるのかもしれません。

扶養を外れて働くと手取りは少ないの?

働けるなら定年までこの仕事続けたいな。

働けるなら定年までこの仕事続けたいな。

「夫の収入だけでは家計が厳しいので、妻も働いている」「夫の収入とは関係なく、自分の意思で働いている」など、共働きをする理由はさまざまです。共働きをすれば、当然世帯収入は増えますが、その一方で、「夫の扶養控除の範囲を超えて働くと社会保険料なども差し引かれてしまうから、もったいない気がする」と、自分の働き方を制限してしまう妻も多くいます。

妻の働き方別に直接税(所得税・住民税など)と社会保険料(年金保険料、健康保険料など)の合計を比べてみると、

「妻の勤め先収入が8万円以上」:126,560円
「妻の勤め先収入が8万円未満」: 90,140円
「妻が勤労者以外(自営業等)」 : 87,422円
「夫のみ有業(妻が専業主婦)」 : 91,881円

と、妻が夫の扶養外で働くと、扶養に入っている世帯よりも、約3万5千円多いことが分かります。(「妻の勤め先収入が8万円以上」世帯の妻の収入は、平均約22万円なので、ここでは「夫の扶養外で働く」と解釈しています。)1月で3万5千円は、確かに大きいですよね。けれども、可処分所得(手取り)は約57万円あり、他の世帯よりも10万円以上多いことが分かります。世帯主(夫)の収入が最も高い専業主婦世帯は、扶養控除などで税金や社会保険料が低めな割に、可処分所得(手取り)が最も少ないということが分かりました。

>>平均貯蓄率、扶養を外れて働く共働き夫婦は、専業主婦世帯の約2倍!

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