タイル状建材エコカラット、壁のリフォームで室内が快適に
部屋の中で壁の面積が占める割合は大きなもの。例えば6畳の部屋の床面積は約10平方メートルですが、壁面積は約25平方メートルにもなります。これだけの大きな面積ですから、壁に貼る材料で室内の環境は大きく左右されます。そこで注目したいのが、健康建材と呼ばれる壁材です。健康建材とは、湿気や臭いを防いだり、有害物質を吸着する機能を持ち、室内環境を快適に整えてくれるもの。漆喰などの自然素材や、無垢の木、そしてタイル状に成型されたエコカラットなどがあります。
タイル状健康建材エコカラットは、デザインが豊富。部分貼りでも効果があり、インテリア性もぐんとアップ。写真はエコカラット+ファブリックの組み合わせ(LIXIL)
エコカラットは多孔質セラミックスと呼ばれる、細かい穴を持った原料をタイル状に焼いた壁材で、電気やガスなどのエネルギーを使わず自然の力で湿気や臭いを防ぎ、部屋を快適に整えてくれます。もちろん壁紙にはない立体感や素材感も魅力のひとつ。壁リフォームの工夫で、部屋はもっとステキに快適になります。
エコカラットの機能は、調湿・脱臭・有害物質の低減
タイル状建材、エコカラットには、調湿・脱臭・有害物質の吸着の3つの機能があります。壁に貼ることで、室内の余分な湿気を吸収し、サラサラと気持ちのいい部屋にします。また気になるトイレ臭、生ごみ臭、たばこ臭、ペット臭を防いでくれる効果があるので、家の中がいつも気持ちのいい空気に。ホルムアルデヒドなど有害物質の低減効果もあるので、最近では高齢者施設や保育園などでも使われています。
- 調湿:部屋の湿度が高くなると湿気を吸い、湿度が低くなると湿気を吐き出す。
- 脱臭:臭いの元を吸着、ペット、生ゴミ、トイレ、たばこの臭いを軽減する。
- 有害物質の吸着:ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着して低減する。
リフォームは簡単!エコカラットは壁紙の上から貼ってOK
コンセントまわりをキレイにおさめる部材もそろっている。壁紙の上から張れるのでDIYリフォームも可能(LIXIL)
もちろんDIYでのリフォームも可能。ただし壁紙の種類や壁面の凸凹の程度によっては、下地調整が必要になりますので、壁の傷みが激しい場合は、内装業者に依頼しましょう。
エコカラットを壁に貼る面積は、床面積の1/4が目安
トイレにエコカラットを貼る面積の目安は1平方メートル以上(LIXIL)
またエコカラットは、通常のタイルと違って浴室のように常時水掛かりのする部位や、キッチンのコンロ回りには使用できませんので注意しましょう。
では次に、どんな部屋に使えばいいのか?部屋別エコカラットの上手な使い方、イメージチェンジのコツをご紹介します。
乾燥からノドや肌を守りカビを防ぐ、寝室にこそ使いたい
〈部屋別エコカラットの使い方-1〉
寝室は人生の1/3を過ごす部屋です。質の高い睡眠をとるためにも、壁リフォームの工夫で快適な空気環境を作りましょう。エコカラットは調湿効果がありますので、冬は乾燥からノドや肌を守り、梅雨の時期はカビや結露を抑えてくれます。また気になる寝室の臭いを軽減する効果もあります。エコカラットをアクセントウォールのように張った寝室。眠っている間の空気環境を整え、気になる臭いも軽減してくれる(エコカラット/LIXIL)
北側の子供部屋で使うと、大きな効果が実感できる
〈部屋別エコカラットの使い方-2〉
エコカラットの使用事例で注目されているのが、高齢者施設や保育園です。湿度の調整でカビを防ぎ、有害物質を低減してくれるので、健康的な環境を作る効果が期待できます。そこでおすすめなのが子供部屋に使うこと。特に湿気やカビに悩まされやすい、北側の部屋に使うことで、より効果が実感できます。タイル状なので丈夫なのも嬉しいところです。ガラスモザイクを組み合わせたかわいいデザイン。子供部屋に使うことで健康的な環境に(LIXIL)
玄関は家の顔、臭いの無いキレイな空気でお客様を迎えたい
〈部屋別エコカラットの使い方-3〉
玄関は家の顔。しかし靴の湿気やムレた臭いが気になります。そこで壁紙の上から、エコカラットを部分貼りするリフォームをすれば、タイルならではの高級感でデザインのアクセントになるのはもちろん、臭いを防いでくれるので、安心してお客様をお迎えすることができます。玄関にエコカラットを貼っておくと、安心してお客様をお迎えできるように(LIXIL)
和室の土壁の雰囲気によく似合う、和モダンなイメージにも
〈部屋別エコカラットの使い方-4〉
エコカラットはレンガ調、石壁調、滑らかな素材感を持っているモノなどデザインが豊富です。土壁をイメージした質感のタイプを選べば、和モダンなアクセントに。もちろん和室内のカビ防止の効果も期待できます。市松のパターンが和モダンな印象に。カビを防ぐ効果も期待できる(LIXIL)
ペットがいる家にも、エコカラットの新製品は掃除しやすさが向上
パステルカラーなどバリエーションが豊かに。ペットのいる家にもおすすめ(LIXIL)
メンテナンスに関しては、エコカラットは表面に小さな穴が無数に空いているので、ざらざらして掃除がしにくい部分もありました。そこで登場したのが表面がつるっとした、エコカラットプラスという新製品です。こちらは水拭きができてお手入れがラクなタイプです。貼る場所に合わせて選びましょう。
いかがでしたか?壁リフォーム際の工夫で、室内環境を快適にすることもできます。特に注意したいのが、湿気による家のカビです。北向きの部屋では、知らない間に繁殖しているケースもあります。下記に、住まいのカビの例と対策をご紹介しています。あわせてご覧下さい。
壁リフォームの工夫で、我が家はもっとステキに快適になります。他にも壁紙の上から塗れる塗料や、簡単に貼れる大理石などがあります。事例やリフォームの方法は、下記で詳しくご紹介していますので、ご覧になってみて下さい。
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