左利き用と右利き用、キッチンの違いは何?
右利き用キッチンの作業の流れ方。左から右へ移動していくと、右手を中心に作業しやすい。 |
通常キッチンで行われる作業の流れは、次のように行われます。
1・買い物をして勝手口から入り、冷蔵庫に食品をしまう。
2・冷蔵庫から食品を取りだし、準備台でビニルパックを取り外したり、袋からだす。
3・シンクで食材を洗う。
4・調理台で食材の下ごしらえをする。
5・コンロで加熱する。
6・配膳台で皿に盛りつける。
7・食卓にだす。
これを図で示すと、上のようになります(I型キッチンの例)。これは右利き用のキッチンプランで、作業の流れは左から右に進行します。例えば左手で冷蔵庫の扉を開け、右手で食材をとりだし、準備した食材を右手でシンクに運びます。
これが逆方向になってるのは左利き用のキッチンプランです。I型キッチンだけでなく、L字型やコ型のキッチンにもあてはまります。左利き用のキッチンを右利きの人が使うと、先の動作が逆になり、使いにくいキッチンになります。
左利き用キッチンは意外と多い
マンションや一戸建て住宅の中には、右利きの人が左利き用キッチンを使っている例が多くあります。古いマンションなどでは、キッチンの配置が隣の家と鏡のように反転している例が多いので、約半分は左利き用ということも珍しくありません。もちろん左利き用のキッチンでも、右利きの方が使いやすいように工夫したものもありますから、あくまで基本的な事としてお考えください。キッチンをプランする際の注意は?
左回りのキッチンは、右利きの人には使いにくいことがある |
例えば上の図のようなオープンキッチンの場合、レンジフードは向かって左側にくるのが一般的です(排気を外に出すため)。ダイニングと対面式のキッチンにしたいと考えると、左回転のキッチンになります。
右利きの方は左回転よりも右回転の方が使いやすくなります。そこで配置を変更して下の図のようにします。ダイニングとキッチンの仕切りには、ハッチ式の食器棚を作ります。
右回りのキッチンにすれば、右利きの人が使いやすくなる。 |
キッチンのプランニングで大切なのは、こうした条件をバランスよく判断し、どの条件を優先するかを決めていくことなのです。
シンクにコンロ……限られた面積を有効に使う工夫
どの部分を強化するかで、キッチンの性格が決まる |
基本的なプランは、冷蔵庫と準備台、シンク、調理台、コンロをほぼ均等に配置したものです。
例えば、普段はあまり調理をしない方の場合は、準備台や調理台を狭くして、冷蔵庫や食品庫の面積を増やした方が便利な場合もあります。
キッチンで何をしたいかが、プランの要になる。憧れだけでなく、現実的な希望が必要 |
大きな鍋釜を洗うことが多い場合は、シンクを大きくすると便利です。シンクに板をかぶせて調理台として使ったり、洗い物を隠すスペースにする事も出来ます。しかし必要以上に大きなシンクは、かえって使いにくいこともあります。食器洗い機を使う場合は、小さなシンクでも充分に機能します。
キッチンの使いやすさは個性できまる
このように使いやすいキッチンプランの条件はケースバイケースで、正解はありません。料理の頻度や、何を作るか、手持の食器はどれくらいあるか、来客は多いか少ないかなど条件は無数にあります。あまり悩みすぎても、かえっていいキッチンは出来ません。基本的な構成さえしっかり守れば、シンプルなほど使いやすいといえます。【関連記事】