中国保険市場で成長率トップの大手保険会社
急成長中の中国ですが保険市場もいよいよ先進国レベルにキャッチアップしていこうとしています
2011年、中国の保険料収入は前年同期比10.4%増の1.43兆元になりました。そのうち、生命保険は6.8%増の9699.8億元で、損害保険は18.5%増の4617.9億元です。次に大手上場保険会社の保険料収入とその伸び率を見てみましょう。
1位 中国人寿(02628) 3183億元 + 0.0%
2位 中国平安(02318) 2074億元 +30.5%
3位 中国財険(02328) 1733億元 +12.6%
4位 中国太保(02601) 1548億元 +11.1%
ここで注目したいのが高い成長率を誇る平安保険です。平安保険は大手保険会社の中では唯一の民営企業です。1988年3月に深セン平安保険の名前で設立された会社で、元々は損害保険を扱っていました。その後、1994年に生命保険の取り扱いを開始して、合資会社になり、平安保険と名前を変更。その後、中央政府の指示によって、生命保険会社と損害保険会社を分離しました。2004年6月、香港市場に上場したのですが、その主体である平安保険は持ち株会社であり、平安生命保険会社と平安損害保険会社の株式をそれぞれ99%ずつ保有しています。
ちなみに、平安保険はHSBCホールディングスが39.43%の株式を保有しており、筆頭株主となっています。
将来的には総合金融会社への飛躍を期待
平安保険は2011年の保険料ベースで中国第2位の生命保険会社であり、第2位の損害保険会社でもあります。前表1位の中国人寿は生命保険専業、3位の中国財産保険は損害保険専業で、それぞれの分野のトップ企業となっています。生命保険でも損害保険でも、各市場の業界トップからは差がありますが、保険市場全体に賭けたい、という場合は平安保険が有望な候補先となります。なぜなら人寿保険は生保のみ、人民財産保険は損保のみで片手落ちだからです。
しかも保険だけでなく、平安保険は平安銀行という銀行も持っており、さらに元々行っている証券、信託業務に加え、今後消費者金融にも進出していくことが期待され、単に保険業界2位銘柄としてではなく、総合金融会社として見て行けると思います。つまり総合的な金融会社として、業界2位ではあるものの幅広い強みがある会社です。
平安の長期的発展戦略は保険、銀行、投資・資産管理の3本柱を発展させることです。具体的には今後5年間で保険業務が成長ドライバーとなる一方、今後3~10年間に渡り銀行と証券、信託業務が業績のけん引役となることが目標です。さらに、今後5~15年間には消費者金融、企業年金、新型健康保険、信託管理などが業績ドライバーとなる見込みです。
また業界2位ではありますが、成長力でいうと生保、損保ともに業界トップを上回る成長を確保しています。総合的な強みと高い成長性が同社の魅力です。