マンションの間取り

更新日:2011年11月28日

マンションの間取り研究(15)バルコニーの種類

面積がコンパクトになりがちなマンションにおいて、バルコニーの使い勝手にくふうを凝らし、生活空間として取り込もうとする動きが増えています。今回はバルコニーの種類及びどのような使い方があるのか見てみましょう。

ルーフバルコニーとバルコニーの違い

ルーフバルコニーとはその名の通り、下階住戸の屋根を利用した、面積の広いバルコニーのことをいいます。ルーフバルコニーの上に屋根はありません。建物が「セットバック」した部分を利用してバルコニーを設けています。


 

周辺地域に配慮して設けられたセットバック

建物のセットバックはなぜ生じるのか、その理由のまず一つ目として、周辺地域への配慮があります。マンションのような大規模の建物は、それが建つことによって周辺地域に大きな影響を与えます。従って、日当たりや通風に配慮し、住みやすい環境を周辺地域が維持できるように、様々な高さ制限を受けています。

斜線制限によってセットバックした部分に設けられたルーフバルコニーの例。

斜線制限によってセットバックした部分に設けられたルーフバルコニーの例。


例えば、前面道路斜線、隣地斜線、北側斜線、高度地区による斜線制限、絶対高さ制限、日影斜線など。人が住むことを前提としている住居専用地域ほど厳しく、そうではない商業・工業地域ほど緩くなっています。

 

下階にはない!? ルーフバルコニー

斜線制限を受けているマンションでは斜線制限ラインをかわすような形で、上階に行くに従って段々と建物を後退させています。従って、このタイプのマンションでは下層部にはルーフバルコニーがなく、上階にいくとルーフバルコニーが出現する形となります。

斜面地マンションのセットバック

もうひとつ、斜面地に建てられたマンションに設けられるルーフバルコニーがあります。斜面地(=山の傾斜)に従って、階ごとに段々とセットバックしながら建てられます。従って、このタイプのマンションでは下階からどの住戸も同じようなルーフバルコニーを設けていることが多いようです。
 

 

魅力的なルーフバルコニー付住戸

ルーフバルコニーは面積が広く、屋根がなく、設けられた方位が北でなければ日当たりも期待できて、専用使用できる魅力的なスペースです。プランターを用いた簡易なガーデニングや、ウッドデッキを敷いてイスやテーブルを置くことももちろん可能です。思い描いたようなガーデニングスペースをつくる楽しみがあります。
 

ルーフバルコニーでガーデニングを楽しむ。床にはウッドデッキを敷いてプランターで植物を育てている。

ルーフバルコニーでガーデニングを楽しむ。床にはウッドデッキを敷いてプランターで植物を育てている。

 斜面地マンション以外では、ルーフバルコニーは一般的に住棟の端に位置する住戸につけられることが多く、そのような住戸は人気が高く、売り手側も住戸面積を他より広く設定するなど付加価値をつけ、やや高めの値段設定で売り出すことが多いようです。


 

気軽にガーデニングを楽しみたいシニアにも人気

ガーデニングをしたいけど戸建て住宅では負担が多い、というリタイア後の世代にもルーフバルコニー付住戸は人気があります。ガーデニングを希望する場合は前述したSK(流し)がついていることは必須条件ですので確認するようにしてください。

次のページでバルコニーを使用する時の注意点を挙げます。

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井上 恵子

マンション設計に携わった経験を数多く持つ一級建築士が、住まいの性能を解説。

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