癌(がん)/主治医との関係づくり・セカンドオピニオン

病院の紹介状のしくみ…内容・メリット・費用・活用法

癌(がん)に限らず、様々な検査を受けるときに医師が渡す紹介状。私たち医師はたくさんの紹介状をやりとりしますが、患者さんからは少しわかりにくい面も多いようです。病院の紹介状のしくみ、費用について解説します。

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病院の紹介状に書かれていること

日常診療の中で、医師はたくさんの紹介状をやりとりします。紹介状は正式には「診療情報提供書」と呼ばれ、医師が患者さんを文字通り紹介するときに作成するものです。

診療情報提供書には、以下のような項目が含まれています。

  1. 患者さんの基本情報:氏名、生年月日、性別、住所など
  2. 紹介の目的:詳しい検査や入院、手術、退院後の経過観察など
  3. 現在の主症状や病名:腹痛や急性虫垂炎など
  4. 患者さんの病状や治療経過:症状の発生や検査・治療の経過など
  5. 現在の投薬内容:どのようなお薬を処方しているかなど
  6. その他、備考:アレルギー歴や患者さんの背景など

また、必要に応じて、患者さんのレントゲン写真や血液検査など、各種検査のデータなどの資料を添付することがあります。

病院の紹介状の費用・メリット

紹介状のメリット

紹介状には、今まで行った検査の結果等も記載されます。正確に情報を共有できるメリットがあります。

紹介状の作成については、診療報酬の中で費用が定められています。患者さんがお持ちの健康保険の自己負担比率や、添付する検査データの有無によってばらつきはありますが、紹介状の作成そのものには概ね数百円~千数百円が自己負担の費用として必要です。

ただ、診療所やクリニックから比較的大きな病院へ紹介する場合、「診療情報提供書」を持って行くと、ない場合に比べて安くなることが多いです(病院によって違いはあります)。このあたりの費用は、すべて健康保険制度の中で定められていますので、わかりづらい場合や不安が有るときには受け付けや病院の医事課などで聞いてみられると良いでしょう。

このように費用はかかるのですが、患者さんにとっては、
  • 医師間できちんと情報が共有される
  • 重複して検査を受けなくても良い
といったメリットがあります。

病院の紹介状の渡し方・マナー・リクエストの可否

紹介状

紹介状は患者さんの病状や経過をよく把握した上で、最適な医療機関に紹介するために作成するものです

紹介状は、通常、医師が患者さんを文字通り紹介するときに作成します。多くは患者さんに手渡しをして、次にかかる医療機関に持参するようお願いしますが、郵送で直接お送りする場合もあります。これは患者さんの状態や診療の段取りの仕方にもよります。

通常は封筒に入れ、封をしてお渡しすることが多いです。これを開封したからといって何か不具合があるわけではありませんが、いわば医師から医師にあてた手紙なので、中身が患者さんご自身に関することとはいえ、やはり一般の社会通念上、宛先以外の方が開封することは好ましくないように思います。

また、紹介状の宛先ですが、基本的には医師が決めます。具体的に先方の医師名がわかっているときにはその先生を指定しますし、「○○病院外科ご担当医殿」と病院名と診療科のみを記載することもあります。

さらに、患者さんが引っ越しされる場合などには、医療機関名も指定せずに「ご担当医殿」「主治医殿」といった紹介状を作成することもあります。

昨今では、マスメディアで医師や医療機関が紹介されることもしばしばありますが、患者さんからの「○○病院の△△先生に紹介して欲しい」というご要望に応じて、医師が直接その先生に面識がなくても紹介状を作成することがあります。

紹介状を活用するススメ

日本の医療制度は「フリーアクセス」といって、紹介状がなくても、患者さんはどの医療機関にも自由にかかることができます。

しかし、紹介状の正式名称が「診療情報提供書」であることからわかるように、単なる紹介ではなく、今まで医師がどのようなことを考え、どのように治療を行ってきたかがコンパクトにまとめられているのが紹介状です。

多少の費用と、時間がかかりますが、患者さん自身がより良い医療を受けられるためにも、是非とも一人でドクターショッピングを繰り返すことがないよう、紹介状を活用されることをお勧めします。

更新日:2010年11月30日

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