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誤解だらけ?産婦人科女医が考えるいいセックスとは

セックスについての悩みを抱えている女性は実際に多いもの。婦人科診療で多い質問は? 男性、女性にできることは? 産婦人科医であり、最近話題の本『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』の著者、宋美玄先生に直接お話を伺ってきました。

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宋undefined美玄先生

『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』著者。宋 美玄先生

最近発売された『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』という本。ちょっとドキッとするような刺激的なタイトルで、一見、男性向けの本なのかと思ってしまうようなエロチックな表紙ですが、内容は若い女性産婦人科医師によって書かれた、本当に基本的な、セックスについての基礎知識本です。

産婦人科医がセックスについて書くということは、セックスについて悩みを抱えている女性が多いということでしょうか? 今回は話題の本の著者、宋美玄先生に直接お話を伺ってきました。


全世代が持っているセックスに関する悩み

女性のセックスの悩みは、実は多い?

セックスについて悩んでいる女性は多いもの。聞きづらい悩みはどうすればいい?

——実際の診療の現場でも、セックスについての悩みを受けることはあるのですか?

産婦人科の診療をしていて、もともとは違う主訴でいらした患者さんが、恥ずかしそうに「実はこれも聞きたくて」とか「ついでなんですが」といって、セックスに関する悩みを切り出されることが多いんですよ。

他の症状があって病院に来る人の中にも、これだけひそかに悩みを抱えている人がいるならば、病院に来ないけれど不安を感じている方や、困っている人はもっと多いと思います。なにしろ当たり前ですけど、「病気になる人よりもセックスする人のほうが多い」ですから。

——確かに、そういう相談はしづらい雰囲気がありますよね。色々悩みを抱えていても、どこに相談していいのかわからないと思います。

私も女性器を扱うプロとして真摯に答えようと思うのですが、医学部でもセックスに関する系統だった講義があったわけではありません。周りの医師に聞いても、比較的自分の経験談で答えていることも多いようなんですよね。そこで、体験談ではないしっかりした知識でお答えしようと思って、日本性科学学会に入会したところ、皆さんに知って欲しい基礎的な知識がたくさんあることに気づいた、それが今回の本を書くきっかけにもなりました。

——セックスに関する相談は、やはり若い方が多いのでしょうか?

確かに直接相談されるのは若い人の方が多いです。でも、本を出してみたら女性は30代~40代以降、男性は中高年の方からの反響が非常に多い。これにはびっくりしました。若い人だけでなく、全ての世代に共通する悩みなのかもしれませんね。


実際に相談が多いセックスに関するお悩み

——具体的には、どんな悩みを受けることが多いのでしょうか?

病院にかかるきっかけとして一番多いのは、「性交時痛」ですね。(※性交時痛=性交時に痛みを感じるもので、婦人科系の疾患が潜んでいることもあります。)

話のついで(笑)で聞かれるのは「オーガズムに達しない」とか「クリトリスへの愛撫では感じるけれど、膣では感じない」という悩み。それ以外ですと、例えばパートナーに「外陰部の形がおかしい」とか「不感症じゃないの?」と言われたとか。やはりパートナーに言われて気にしている、という場合が多いようです。

学校で知識として教えられるわけではないし、女性の場合、他人と比較する機会もあまりないので、逆に「変だ」と言われると不安になってしまうようですね。逆に、もっと良いセックスをしようとパートナーに働きかけても「自分は良く知っているし、良いセックスができているから大丈夫」なんて言われてしまう、そんな「できたつもり」の男性をどうすればよいか、なんていう悩みもあるようです。


女性にとって良いセックスとは

よく「セックスをすると女性ホルモンが出てキレイになる」なんていうお話がありますが、どちらかというと都市伝説に近いと思います。実はオーガズムというのは学習、つまり学べるものなので、「感じるけれどオーガズムに達しない」という人よりも、普段からオーガズムを感じている人のほうが感じやすい、結果的にセックスが楽しくなる、といった効果はあると思います。

また、あまりにセックスと健康を結びつけるのは考え物です。セックスのためのセックスになってしまっては意味がないですから。女性にとってセックスとは相手との関係性の確認という精神的な意味合いが強い。これは男性には考えづらいかもしれませんが、女性がどんなセックスで満足するか、と聞いたときに「気持ちよさ」よりも「優しさ」と答える人が多いことからもわかります。

まず、セックスに限らず、女性には自分の身体についてもうちょっと良く知って頂きたいと思います。例えば「外陰部に何かありますよ」といっても、外陰部を見たことがない女性が多い。まず自分の目でみて、自分の正常を知っておく、ということは大人の女性として必要なのではないか、と思うことが多々あります。

一方、オーガズムがある女性のほうがセックスに対する満足度が高いというのも事実なので、相乗効果で愛情の再確認をしてさらに深める、それが「女性にとって良いセックス」なのではないかと考えています。

また、男性に対しては、「あまり目新しいことを求めすぎないで」と思いますね。意外と女性にとって良いセックスとは「地味なことを淡々とやる」作業だったりしますから(笑)。 次回は生殖を扱う産婦人科医として、女性に「コレだけは知って欲しい妊娠出産の11か条」についてお届けします。

参考著書:
女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』 宋 美玄 (著)

更新日:2010年11月21日

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