収納実践編

本の収納にリスクあり!?

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本好きなのに、自分が持っている本の数を把握している人は少ないもの。まして重さまでは...。本が収まらない、捨てられないからといって、安易に本棚を買い足していくのは考えもの。今回は、蔵書数と重量に着目した収納をご紹介します。


単行本千冊の本棚

書庫を計画する際には、本の総量を把握して構造計画をしてもらいましょう。○トンという単位になることもあります。

書庫を計画する際には、本の総量を把握して構造計画をしてもらいましょう。○トンという単位になることもあります。

本を読む、書くことを職業としている人であれば、蔵書数はゆうに千冊を越えることと思います。数千冊ともなれば、間に合わせな方法では収まらないので書棚や書庫を計画的につくらなければなりません。

ここでは仮に、本を好きな人が単行本を千冊所有していたら、本棚はどのくらい必要とするのか?そこから話を始めていきます。ではさっそく、単行本千冊が必要とする棚の長さを計算しましょう。

単行本1冊の厚さを2センチと仮定すると、

1,000冊×2cm=2,000cm

棚の総延長は20mを必要とします。本棚を床から天井まで設けて、8段の棚板に収めることにすると本棚の幅がでます。

2,000cm ÷ 8=250cm

幅2.5m × 高さ2.4mの本棚があれば単行本千冊が収まることになります。
仮に6畳間であれば、短辺の壁一面を本で埋め尽くせば収まるという計算です。ところが、ここでゆゆしい問題が起こります。その問題というのは、さらに計算を進めることによって判明します。


本棚の荷重を計算する

木造の2階、3階で本を収納する場合は、このくらい余裕をもって。

木造の2階、3階で本を収納する場合は、このくらい余裕をもって。

単行本を千冊収めるには、幅2.5m×高さ2.4mの本棚を作ればいいということは分かりましたが、もうひとつ考えておかなければならないことがあります。それは、床が耐えられる重さについてです。

一般的な住まいの床が支えることのできる重さ、つまり積載荷重というのは180kg/平米。
たとえばアップライトピアノは250kgほどありますが、このピアノの4本の脚にそれぞれ62.5kgの荷重がかかり、床の4点に集中してそこだけに負荷がかかってしまいます。そこで100×200cmの板の上にピアノを置くことにすれば、250kg÷2平米=125kg/平米となりますので荷重をクリアします。

さて、本棚の荷重はどうなのでしょうか?単行本の重さを、250g/冊と仮定して計算してみましょう。

250g × 1,000冊=250,000g

千冊の重量は250kgになります。次は本棚の奥行きを30cmとして平米当たりに換算すると、

奥行き0.3m × 幅2.5m=0.75平米
250kg ÷ 0.75平米=約333.3kg/平米 > 180kg/平米

大幅に荷重オーバーということになります。それでは、積載荷重180kgに見合った本の冊数を逆算してみましょう。

180kg × 0.75平米=135kg
135,000g ÷ 250g=540冊
540冊 ÷ 125冊/段=4.32段

床の荷重を考えた本棚は、幅が250cm 奥行き30cm 段数が5段で高さ150cmで、最上段は飾り棚程度のものということになります。では次に、よくある背の高い本棚は大丈夫なの?という不安にお応えしましょう。


よくある本棚の荷重はOK?

よく見かける背の高い本棚ですが、そのサイズを幅90cm×高さ180cm×奥行き30cmとして、それを部屋に置いたら荷重はどうなのか検証してみましょう。

45冊/段 × 6段=270冊
270冊 × 250g/冊=67,500g
67.5kg ÷ 0.27平米=250kg/平米 > 180kg/平米

残念ながら荷重オーバー。家庭では普通にこういった本棚を使っていますが、そこに本を詰め込むと床には相当な負荷がかかることになります。これまであまり気にしていなかったと思いますが、本はことのほか重いものなのです。

本を所有するというのは、住まい本体にとってリスキーなことだとお分かり頂けたでしょうか?

ここまでの計算は、本棚を置いた直下の床だけにかかる荷重をみてきましたので、荷重オーバーという結果になっていました。実際の生活においては、本棚で床を埋め尽くすわけではありません。本をとるために人が立ったり通ったりするスペースが必要ですから、本棚とその前にはスペースに余裕があるものです。
そこで次に、もう少し現実に近い結果をご紹介します。


ここに注意すれば大丈夫

1平米の床には本と本棚と人ひとりが定員です。

1平米の床には本と本棚と人ひとりが定員です。

本棚を置いた床だけにかかる荷重を計算すると荷重オーバーになりがちですが、1平米の床には何冊くらいの本を置けるのかを算定してみることにしましょう。

今度は、人の体重と本棚の重さも考慮します。仮に体重70kg、本棚が30kgとすると、180kgから差し引きした残り80kg分が本の重さです。

80,000g ÷ 250g =320冊

幅100cmの本棚には1列50冊が並び、棚板は6段で180cmの高さになります。そして本棚の手前70cmの範囲には、家具などを置かない空きスペースとすればいいのです。

でも実際のところ本棚の傍には机、椅子、ベッド、ソファなどの家具を置きたくなるもの。そうなると、部屋全体で床の積載荷重を考える必要がでてきます。
その際の計算式は以下のとおりです。

(部屋にある家具・荷物の総重量+人の体重×人数)kg ÷ 部屋の面積 平米 =○○kg/平米 < 180kg/平米

であれば、計算上は大丈夫ということになります。では最後に、部屋に本棚を置く際のポイントをご紹介します。


部屋全体にバランスよく配置

寝室など眠る場所の傍に背の高い本棚を置かないというのは、既にご存じの通り地震を考えてのことです。さらに、床の仕上げがカーペットの部屋にある本棚は、時間の経過と共にカーペットが沈んでいきます。天井との間に転倒防止のパーツをつけている場合は、できた隙間をなくすよう調整し直しましょう。

さらに本棚の棚板にも本の重さがかかります。もし棚板がたわんでいるようなら本を載せすぎです。棚板の強度にもよりますが、棚板の幅が60センチ程度の本棚を選ぶようにすることをオススメします。幅が広い方がいっぱい収まるから、という理由だけで選ばないようにしましょう。

最終更新者:すはら ひろこ (更新日:2009年07月14日)

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