子供の英語教育/子供のための英語

小学校英語必修化とは?(2ページ目)

2011年春、小学校で英語教育が始まります! 高学年児童を対象に年間35時間。いよいよ「英語が使える日本人」計画がスタート。将来が楽しみですね。

清水 万里子

執筆者:清水 万里子

子供英語ガイド

英語活動を教える先生は基本的に担任

文部科学省によると、「担任の先生が主導する」ことを基本にしています。しかし、英語指導に不慣れな小学校教師が多いため、強力な助っ人として、ALT(外国語指導助手)という外国人が授業に参加することがあります。アメリカ、オーストラリア、カナダなどの英語圏の国々以外からも来日しています。ノンネイティブの先生たちと私も一緒に働いたことがありますが、フィリピン、エジプト、シンガポール、中国、韓国などの国々からの人々もいます。

また、この他に日本人英語講師が関わっていることもあります。地域に住む英語堪能な人材、PTA等から英語のボランティア講師、プロの児童英語講師など小学校の英語教育に貢献したいという人々が関わることも多くなっています。
 

英語の言語そのものの評価はしない

小学校の外国語活動においては、いわゆる英語のテストがありませんから、評価をすることは義務ではありません。しかしながら、成果を測るために学習態度、積極的な姿勢、リスニング能力、コミュニケーション能力など何かしら評価らしきデータも測定されております。小学校の外国語活動の基本的な目的は「コミュニケーション能力の育成」になっていますので、4技能の英語力だけを評価することはありません。実際、英語能力そのものの評価は難しいでしょう。児童英検や英検などの外部テストを利用して能力を測ることも可能ですが、PISAの統一テストのように、世界基準の英語力として客観的に比較できるとは考えられません。
 

必修化による社会的な影響

「小学校で英語?」と不思議がられていた時代はとうの昔に過ぎ去り、2010年の今では「小学校の英語」は注目を浴びているトピックの一つです。

1997年頃から小学校で英語が始まるらしいという噂が流れはじめました。分かりやすく説明すると、これは、1994年に初めて公立小学校で英語教育をする研究校ができ、その研究の成果を見たところ「意外に良さそうじゃないか」という声が発生しはじめたからです。それから今日に至るまで試行錯誤されてきましたが、ついに来年、2011年度から必修化することが決まりました。

これに伴い、民間の英語教室などの英会話業界が賑わってきました。2000年頃から幼児の英会話スクールがどんどん増えてきました。さらに研究校の周辺の英語教室に通う子どもも増えました。大手メディアでは、その理由として親の小学校英語教育に対する不安感を挙げていましたが、子ども自身が英語で活動する楽しみのほうが大きかったようです。最近では存在が当然のようになりましたが、英語で教育するインターナショナルスクール、インターナショナルプリスクールもたくさんありますね。今後もどんどん新しいスクールが出てくると思います。不況の影響で、NOVA破たん、ジオス破たんなど英会話市場にはあまり嬉しくないニュースがありますが、子どもの英語教育に関しては市場も頑張ってもらいたいところです。


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