糖尿病の経口薬・インスリン

更新日:2009年11月17日

糖尿病の新薬登場か!? 「GLP-1」「DPP-4」

正しくは「GLP-1受容体作動薬(ジーエルピー・ワンじゅようたいさどうやく)」「DPP-4阻害薬(デーピーピー・フォーそがいやく)」と言います。名前も作用機序も違いますが、同じ目的を持った全く新しい2型糖尿病の薬です。

糖尿病新薬の働き

「GLP-1」「DPP-4」という新薬が近いうちに発売されるようです。正しくは「GLP-1受容体作動薬(ジーエルピー・ワンじゅようたいさどうやく)」「DPP-4阻害薬(デーピーピー・フォーそがいやく)」。名前も作用機序も違いますが、同じ目的を持った全く新しい2型糖尿病の薬です。

GLP-1もDPP-4も私たちの体の中にもともとある物質です。GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は腸から分泌されるホルモンで、膵島のベータ細胞からのインスリン分泌を強める働きがあります。一方、DPP-4はこのGLP-1を分解する酵素です。
ですから、分解されにくい構造のGLP-1を外部から注射したり、からだが分泌しているGLP-1を分解する酵素DPP-4の働きを阻害すればインスリン分泌が強まって血糖コントロールが容易になりますね。この2つの薬はその目的に合ったものです。

ブドウ糖は口から飲んだ方がインスリンが出る

血糖、すなわち血液中のブドウ糖の量が増えると、膵島からインスリンが分泌されます。それでは同量のブドウ糖を静脈注射した場合と、口から飲んだ場合を比べてみましょう。インスリンがより多く分泌されるのはどっちでしょうか?

大方の予想と違って、実は経口摂取の方がインスリンが多く出るのです。これは食物をモニターしている腸の細胞が、ブドウ糖を感知すると大量のブドウ糖が小腸に入ってくるのに備えて、GIPとかGLP-1というホルモンを分泌して早めにインスリン分泌を強めるからです。

膵臓の話でも触れましたが、インスリンを分泌する膵島は全部集めてもわずか1~2gという極微量しかありません。そこでからだは大量の食物摂取に備えていろいろなセンサーで早期アラームシステムを用意しているのです。

GLP-1作動薬はこの毒トカゲから発見されました。

GLP-1作動薬はこの毒トカゲから発見されました。

人間のGLP-1を注射しても、DPP-4によってすぐに分解されてしまうので効果が続きません。
アメリカでは2005年4月に薬として認可されたGLP-1作動薬はアリゾナの砂漠にいる毒トカゲのだ液から発見されたという面白いエピソードがあります。以前私が書いた記事もありますので、ぜひご一読を。

GLP-1は今のところ朝晩2回打ちの注射薬ですが、週一回の注射で済む薬が開発中です。
DPP-4は錠剤です。

GLP-1は2型糖尿病の薬で、経口薬だけでは十分に血糖コントロールが出来ない人が対象になると思います。インスリン分泌を強めるだけでなく、インスリンを分泌する膵島のベータ細胞を増やす効果も期待できますし、血糖値が下がった状態では働きませんから低血糖を起こすこともありません。

胃腸内の食物の移動をゆっくりとさせる作用もあるので空腹になりにくく、減量効果もあります。ただし、長い年月の使用ではGLP-1受容体作動薬もDPP-4阻害薬も膵炎や膵臓ガンの可能性が取りざたされるようになりました。アメリカ人のように内緒でこれらをヤセ薬として使ってはいけませんね。

□ 関連サイト
だれが毒トカゲ(Gila monster)の口の中に手を突っ込んだか?
新糖尿病薬「バイエッタ」物語(Byetta, exenatide)

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この記事の担当ガイド

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河合 勝幸

38歳で2型糖尿病と診断され、糖尿病歴30年以上。セルフコントロールを徹底し、無事に乗り切っておりま…

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