がんが転移するのは、なぜ?
がんの転移は、手品の様に、ぱっと起こるわけではありません。そこには、必ず物理的な繋がりがあります。 |
がん細胞は、分をわきまえない細胞というお話しをしました。がん細胞が、増殖していくときには、周囲にある血管やリンパ管の壁も食い破っていきます。
血管の中には血液が、リンパ管の中にはリンパ液が流れていますが、がん細胞が血管やリンパ管を食い破ると、血液やリンパ液の流れにそって、細胞がころころと流れていってしまいます。
この流れていった細胞が、肝臓や脳の血管を食い破り、そこで再び増殖してしまいます。これががんの転移の基本的な考え方です。
本当の初期には発見不可能? 転移が見つかる大きさ
がんが検査で見つかるためには、ある程度の大きさが必要です |
最初は1個の転移した細胞が増殖し、直径1センチ、重さ1g、細胞の数にして約10億個になると、CTやレントゲン、超音波検査などで、「転移巣」として発見されるようになります。
逆に言うと、どんなに大きながん転移であっても、最初は、たった一つのがん細胞が、血中やリンパ液中を流れてきて、血管壁にくっつき、そこを食い破って顔を出すということから始まります。
次のページでは、がんのメカニズムから見た3大療法のポイントについてご説明します。