メンタルヘルス/自傷行為・自殺願望

死にたい気持ちから身を守るために

死にたい気持ちと心の病気は深く関連しています。自殺が起きた時点では、大部分の方が心の病気、特に、うつ病であると考えられています。心の病気対策がそのまま自殺対策につながる事について詳しく述べます。

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自殺と心の病気は深く関連しています。自殺が起きた時点では、大部分の方が心の病気、特に、うつ病であると考えられます
年間自殺者数が3万人を超え続けている今、自殺は大きな社会問題です。最近の硫化水素ガスによる自殺のニュースなどを通じても、自殺問題が深刻化していることを多くの人が感じ、自殺を防ぐことの重要性を認識されていると思います。

自殺を防ぎ、減らすためには、そもそも自殺にいたるまでの問題について考えることが大切です。早くに止められるのに見過ごされやすい事として、自殺は心の病気、特にうつ病と密接に関係していることの認識不足があるのではないでしょうか?

今回は自殺を防止するための大切な基礎知識である、自殺と心の病気の関連性について述べたいと思います。


自殺に至る背景は多様…
心の危機的状態には正しい治療が必要です

人はどんな時に死にたい気持ちになるのでしょう? 生きる事は動物としての本能ですが、本能に逆らうような気持ちを起こしてしまうのは、心が危機的状態になっているからです。

その原因は家庭、仕事、家計、健康など多様でしょうが、問題が解決不能に思え、未来に希望が見出せない状況になると、絶望感が強まり、生きる事自体を苦行のように感じてしまうことがあります。耐え難い苦痛を終わらせる解決策として、自殺という選択肢を考えてしまうのです。

しかし、心が危機的状況のときに、落ち着いて判断できるかは疑問です。実は、自殺をしてしまった大部分の方々は心の病気、特にうつ病によって、心が病的状態になっていたと考えられています。

うつ病になると心が健康な状態に比べて、思考や判断が知らないうちにスローになってしまうことがあります。自分が抱えている問題に何らかの解決策があったとしても、思考が偏ったり、狭くなってしまっていれば、解決策を見つける事は大変困難になります。また、困難な状況に直面した時、不安を除き、気分を良くするための飲酒によって、アルコール依存が生じる事も少なくありません。アルコールは基本的に脳の働きをスローダウンさせる薬物なので、元からある気分の落ち込みをさらに悪化させてしまう大きな問題があります。

重要なのは、うつ病で見られる気分の落ち込みは、日常生活で誰にでも現われる「冴えない気分」とは異なるということです。脳内で神経伝達物質が適切に機能しなくなってしまうために、気分のみならず、思考、認知、免疫系など様々な異常が生じます。死にたい気持ちが生じやすい事もうつ病の特徴の一つです。もしも、真剣に自殺について考慮するようになると、いつ、どのような手段を取るか考えているうちに、例えば、硫化水素の使用が大きな問題となっている事を知って、具体的な自殺のイメージができてしまう事も考えられます。

ここで、重要な点は、自殺は決して他人毎ではない事です。うつ病は誰でもなる可能性があり、うつ病の1割前後の方は自殺で亡くなられています。自殺問題は私達すべてが関わるべき問題だと思います。

>> 次ページでは、自殺対策の基本となる事柄について述べたいと思います。 >>

更新日:2013年08月14日

(公開日:2008年05月14日)

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