卵巣のう腫・卵巣腫瘍・卵巣がん

更新日:2002年05月13日

卵巣腫瘍ってどんなもの?

先週、宇多田ヒカルさんが卵巣腫瘍というニュースが飛び込んできました。実は卵巣腫瘍は女性なら誰でも可能性のある病気。というわけで今回は卵巣腫瘍についてクローズアップ!

・卵巣のう腫の症状は?

症状が表れるのは、のう腫がこぶし程に大きくなってからです。のう腫が周囲の膀胱や尿管を圧迫すれば頻尿を起こしたりしますし、また、腸が圧迫されれば便秘が起こります。月経時以外の腰痛、腹痛も起こることもあります。おなかがなんとなく膨らむ、不正出血がある、水っぽいおりものがある、という症状がでるひともいるようです。
また、あるていど以上の大きさになる前でも、のう腫が見つかったヒトに「そういえば、こんなことがあった」ということがないかどうか聞いてみると、ひとによっては、月経や排卵のときに「おなかがちくちくする」「腰痛がある」という症状がある場合もあるようです。
茎捻転といって、のう腫の根元がねじれた場合は緊急事態です。かなりの激痛があり、吐き気、出血を伴い、感染を伴えば発熱します。場合によってはショックで意識不明になってしまうこともあります。しかも、放置しておくと卵巣に血が行かなくなり、腐ってしまうので、すぐに緊急手術になってしまうのです(!)。茎捻転は一応どのサイズののう腫でも起こりますが、やはり、ある程度以上の大きさ(5~7cm以上)になると起こりやすくなります

・卵巣のう腫の診断は?

繰り返すようですが、かなり大きくならないと、あんまり症状がないので、妊娠検査や、ガン検診で偶然発見されることが多いのです。

卵巣のう腫かどうかを調べるには、一般的には

内診、触診、エコーなどで卵巣腫瘍の大きさ、性状をみる
          ↓
腫瘍が良性か悪性かをみる(血液検査、場合によってはCT、MRIなど)


という流れになるようです。

どっちにしても初期段階での自覚症状が少ないので、早く見つけるには定期検診が一番。卵巣のう腫は10代でも多くあるようですし、しかも悪性のこともありますので、日本でも海外のように、「生理のある年齢になったら定期検診」という習慣が早く根付くといいですね。

・卵巣のう腫の治療は?
 
のう腫が小さいうち経過観察が一般的。そして、増大傾向のあるものについては、手術摘出が基本となるよう。大きいものであれば、茎捻転の可能性を考慮してすぐに手術となることが多いみたいですね。
手術には、開腹手術腹腔鏡による手術とがあります。
また、手術法には主に3つあって、病巣だけを摘出する「のう腫核出術」、病巣のある卵巣を摘出する「卵巣摘出術」、卵管と卵巣をまとめて摘出する「附属器摘出術」です。その時々の状況によって術式は選ばれます。

ちなみに卵巣は2つあるので、1個摘出しても、残った卵巣が正常に働けば問題はありません。(ただし、若いうちに卵巣を片方なくすと閉経が早まることはあります。)

・参考ですが・・・・

卵巣のう腫と言われた場合にお医者さんに尋ねておくべきことは?
腫瘍の大きさと位置、手術の必要性、手術した場合には腫瘍以外にどれくらい卵巣を取るのか、またその場合は将来の妊娠にどの程度影響するのか・・・・などですね。また、もし手術を受けたら、 摘出した腫瘍の名前、腫瘍の再発の可能性などをきいておくといいでしょう。

というわけで、今回は良性の卵巣腫瘍、とくに卵巣のう腫についてクローズアップしてみました。次回はチョコレートのう腫について特集してみたいと思います。

・でも、実際がんになった人に対して、お医者さんはどんなことを考えているのでしょうか?それを解説したガイドの新刊『生命の羅針盤 -医師である娘が末期がんの父を看取るとき』はこちら。
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この記事の担当ガイド

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山田 恵子

医師。東京大学医学部卒業。ハーバード大学研究所客員研究員等を経て、現在、東京大学医学部医療情報経済学…

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