女性の転職/女性の再就職・職場復帰

「死ぬ時は、前のめりで」 石黒不二代さん(2ページ目)

2008年のウーマン・オブ・ザ・イヤー リーダー部門で1位に輝いたネットイヤーグループCEOの石黒不二代さん。お子さんを連れて、スタンフォード大学にMBA留学、その後起業という華麗なるキャリアの持ち主です。

執筆者:川崎 あゆみ

自分が、生まれてきた意味
役割を考えてみる

ガイド:石黒さんが、仕事をする上で、大事になさっていることは何ですか?

「生きている意味」「与えられている役割は何?」。このことは、あまり人に話したことはないんだけどとおっしゃりながら、お話しくださいました。
石黒さん:私、「生きてる意味って何だろう」って、時々考えるんです。その答えはまだ見つかってはいないのですが、生まれてきたからには、何かしら意味があるものだろうと。自分に与えられた役割はこういうことだろうというのがあるのですが、それが私のモチベーションになっています。いい加減なことをしていては、いけないんだと思いますね。

失敗は、学習すること
恐れないでトライする

ガイド:迷惑をかけてはいけないからと、失敗を恐れる人もいます。でも、リスクを取らないといけないときもありますよね。

失敗を恐れてしまう人へ。「好きなことや得意なことを仕事にすれば、自信を持って仕事ができますから、失敗する確率も低くなると思います」。
石黒さん:シリコンバレーは、失敗をすることがいいことだっていうカルチャーがあるんです。失敗イコール学習ですから。失敗しないと学べないこともたくさんありますからね。

アメリカでは、ベンチャービジネスを起業するときに、ベンチャーキャピタル(ベンチャービジネスが発行する株式への投資などによって資金を提供する企業または機関)が投資をしてくれます。シリコンバレーでは、1回会社経営を失敗した人が、2回目の起業にチャレンジするのは全く普通のことなんですが、一度失敗した起業家が次にチャレンジするときに、投資をしてくれるのは、失敗した最初の会社に投資してくれたベンチャーキャピタルなんです。

それは彼らが、失敗は学習だととらえているからに他ならないんですね。その人たちの失敗の仕方を見てて、この人は次に失敗しないと考えるんです。でも、まだ1度も失敗をしていない新しい人は、失敗するかもしれないですけど、基本的には、2回目は同じ失敗しない。つまり、リスクが減るということなんです。合理的ですよね。

多くの場合は、失敗しても大したことないですよ。もちろん、大迷惑な失敗もありますけどね。企業が大きくなればなるほど、責任は大きくなるので、それこそがリスクだと思うんですけど、本当に会社が小さい頃、失敗したとしても、自分のお金がなくなるぐらい。ベンチャーキャピタルから入れてもらったお金っていうのは、機関決定して入れてるわけですから、彼らにも責任はあるわけですし。

失敗を積み重ねた結果、大きくなって、お客さんも従業員も増えて、パートナーもいるという事業を失敗すると、これは本当にリスキーな立場です。その時になって間違えないためにも、それなりの失敗を積み重ねておいた方がいいんじゃないですか。失敗することを恐れないことです。


シリコンバレーなんて私には想像上の世界でしかありませんが、非常に興味深いお話です。次に年齢を重ねることについて、うかがっています。
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