文章:辻 雅之(All About「よくわかる政治」旧ガイド)
(記事掲載日/2008.01.31)
2008年の通常国会が始まっています。法案はどうやってできるのか、委員会での審議はどのような経過をたどるのか、本会議での採決のあとの手続きは……法律ができるまでの流れを追ってみました。
1ページ目 【法案が作成されるまで】
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【委員会での法案審議の流れ】3ページ目
【本会議審議とその後の手続き】内閣提出法案が閣議で決定されるまで
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| 内閣提出法案提案までの流れ。 |
国会に法案を提出できるのは国会議員と内閣です。内閣提出法案は、正確に言うと内閣総理大臣が内閣を代表して提出することになっています。
しかし実質的には、内閣提出法案は官僚たちによってつくられているといっていいでしょう。法律の不備などについて、「立法」したはずの国会ではなく、所管の各省庁が釈明やおわびなどをすることに、それは如実に現れていますね。
こうして官僚たちが作った法案は、まず省の幹部(事務次官・局長など)の会議である省議によって決定され、各省庁の事務次官等会議を経て、閣議にかけられ、法案として提出するかどうかが決定されます。
しかし、実際には省議の前に内閣法制局による法案審査が行われています。内閣法制局は内閣の補佐機関であって、法律としてしっかりした文章になっているか、厳密にチェックされます。
もう1つの事前審査「与党審査」
また、閣議で決定されるまでに、行われるのが「与党審査」です。
つまり、与党である自民党が法案をチェックし、場合によっては修正させられます。どこがそれを行うかというと、自民党の政務調査会にある政策ごとに分かれている「部会」あるいは「調査会」です。
部会や調査会で了承された法案は、政務調査会から総務会へとまわされ、ここで最終的な了承が内閣に与えられます。と同時に、いわゆる「党議拘束」がかけられ、この法案に反対することが許されなくなります。
ただ、与党審査はあくまで慣例です。小泉政権はこのプロセスを場合によっては無視しても法案を提出する構えを見せて改革を進めていったところがあり、そのため郵政民営化法案では多くの造反議員を出したとも言えます。
議員提出法案への高いハードル
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| 議員提出法案に必要な条件。 |
議員は、一人だけで法案を提出することができません。国会法では、衆議院の場合は賛成者20人以上、参議院においては10人以上の賛成者が必要と規定されています。
さらに予算をともなう法案提出には、衆議院では50人以上、参議院では20人以上の賛成が必要となっています。
結局たとえば衆議院で20議席ない小政党はまったく法案提出ができないわけです。結局、内閣提出法案になんでも反対する万年野党になるか、与党と連立するして政策協議をするなどしか、活動範囲はないわけです。
ただ、このところにきて多少議院提出法案は増えています。特に昨年は、憲法改正のための国民投票法や教育基本法の改正など、内閣が提出すると「カド」がたつ法案が多く、それを与党が議員提出法案の形で代わって行ったこと、野党である民主党の提出法案が増えたことなどがあります。
衆参両院に法制局が置かれ、議員の法案制作活動をサポートしています。国会の法制局は、文章を主に審査する内閣法制局とは異なり、構想の段階から参加し、実情調査などにもあたります。
法制局の局長は衆参各議院の議長が議院全体の承認を得て任命します。このもとに、局長を補佐する法制次長、参事がおかれ、さらにおおむね常任理事会の所管事項にあわせる形で部や課が置かれています。
それでは次のページでは
法案の提出から委員会審議までの流れをみていくことにします。