文章:辻 雅之(All About「よくわかる政治」旧ガイド)
(記事掲載日/2007.11.15)
官と業界の癒着(ゆちゃく)として指摘されることが多い政府や地方公共団体の契約の問題。競争入札、指名競争入札、随意契約、談合など……政府などの「公的契約」についての基礎知識をお話ししていきます。
1ページ目 【一般競争入札と指名競争入札】
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【談合のしくみと起こる理由】3ページ目
【競争入札主義の例外、随意契約】日本の法律は競争入札主義
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| 政府などと契約を結ぶ権利を競争入札で決めることにより、税金がより有効に使われると考えられている。 |
日本では会計法という法律で、各省庁の契約は原則として「一般競争入札」を経て行わなければならないと規定されています。地方自治法でも、地方公共団体の契約についても一般競争入札を優先するよう規定しています。
もちろん契約には2種類あって、国や地方公共団体が発注し、民間業者がこれを請け負うものと、反対に国や地方公共団体が売りに出し、誰かがこれを買うものとがあるのですが、ここから先は前者の発注についてもっぱら説明していきます。
一般競争入札というのは、不特定多数の業者が参加する入札方式です。当然のように、最低金額を書いて入札した業者が、国または地方公共団体の発注を請け負う(「落札する」)ことができます。
国の場合、入札期日の前日から数えて最低10日前に官報や新聞紙、掲示といった方法により入札があることを知らせなければなりません。これを「公告」といいます。地方公共団体も、期日の規定はありませんが、やはり公告をすべきことが定められています。
もちろん全ての業者に参加資格があるわけではなく、契約能力がないとか、悪質な業者などには参加資格が与えられないことになっています。また、参加できるかどうかを示すため、官庁側はどのようなものを発注するのかをきちんと説明した文書を用意しなければなりません。
一般競争入札のメリット
この一般競争入札方式には、3つのメリットがあるとされています。
1つ目のメリットは、われわれが納めた税金をできるだけ節約して有効に使うことができるということです。競争によってちょっとでも使われる公金が減るわけですから、それだけ税金を有効利用することになります。
2つ目として公正の確保ということがあります。民間企業の間の契約においても公正さが求められるのはもちろんですが、国や地方公共団体が発注する契約であればそれはなおさらのことです。
競争入札では業者たちがまったく相談なく、競争しながら公の場所で金額を投票して決めるわけですから、この点で公正さが確保されます。
3つ目に、業者たちが均等に参加できるというメリットです。古い企業も新しい企業も、企業の規模にも関係なく、契約を実行できる力さえあれば参加できます。
実際には多い「指名競争入札」
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| 日本では競争入札に参加できる業者が限られる「指名競争入札」を行うことが多い。 |
もっとも、日本の入札競争では必ずしもこのような入札が行われているわけではありません。よく行われているのは、国や地方公共団体が、参加業者を指名し、その指名業者たちだけに入札を行わせているものです。
これを「指名競争入札」といいます。
会計法では契約の性質や目的などにより競争者が少数である場合、指名競争を行うことができるとされています。地方公共団体においては、地方自治施行令において同じような理由で指名競争が行えることになっています。
実際には一般競争入札よりも、この指名競争入札が多く行われています。よく不祥事を起こした業者を「指名停止」処分にした、というニュースがありますが、これはこの競争入札から一定期間外すことを意味しています。
問題は、どの業者を指名するかということについて、あまり明確なルールがないことです。これは担当官の「裁量」の幅が大きくするもので、公正さに問題が出てきてしまう制度であることは否定できません。
また入札に参加する業者が少数になるため、公共工事などだと、指名業者が顔なじみで親しくなってしまい、いつのまにか談合がおこわれていたりもする、そんなことも指摘されています。
そのよく出てくる「談合」という言葉ですが、これは何なのでしょうか。次ページで見ていきましょう。