進む世界の「ドル離れ」
一般的な要因の他にも、世界の国々が「アメリカドル離れ」に走り、アメリカドルの価値自体が落ちているという事情もあります。
この状況は2001年に正式スタートした
ユーロの好調によるためです。これまでは世界の貿易取引における主要な決済通貨は米ドルだけでした。ところが、ユーロがスタートして通貨としての安定性が認められると、だんだんとユーロで決済する取引が増えていきました。また各国の外貨保有も、米ドルが中心だったものがだんだんとユーロに移ってきています。
中東諸国のドルペッグ制離れ
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| 中東諸国にはドルペッグ制を採っている国が多い |
そして多くの国が通貨安定のために行っていた
ドルペッグ制という、自国の通貨を米ドルに連動させる制度が、かなり不安定になってきています。ドルペッグ制とは、ある国の通貨と米ドルの交換比率を常に一定に保つ通貨制度であり、アジア諸国や中東諸国など、世界各国が実行してきました。
ところが今回のドル安で、中東諸国はドルペッグ制を維持するのが難しい状況に追い込まれています。ドルペッグ制を維持するためには、アメリカが利下げをしたら、自国も一緒に利下げをするのが原則になるからです。
しかし中東諸国はインフレ率が高いので、インフレ抑制のために利下げが難しい状況にあります。そのため、クウェートなどは昨年5月にドルペッグ制を止めました。またアメリカの大手投資銀行のメリルリンチは、UAE(アラブ首長国連邦)やカタールも、近いうちにドルペッグ制を止めるか、あるいは通貨切り上げをすると予想しています。
米ドルは
基軸通貨と呼ばれ、世界の通貨の中心になる存在でした。今ではその地位が弱まっており、今のドル安はその表れでもあります。
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