地域によって違う桜餅、関東と関西では別の和菓子
桜の季節を迎えると、食べたくなるのが桜餅。桜餅とひとことでいっても、関東風と関西風があるので人によってイメージする桜餅が違います。また、餅を包んだ葉っぱをどうするかという点も意見が分かれるところ。そこで、日本の春の名物・桜餅事情をさぐってみましょう。<目次>
関東風桜餅の長命寺 vs 関西風桜餅の道明寺
桜餅は大きく分けて2種類あります。あなたの中の桜餅はどちらでしょう?関東風の和菓子は長命寺(ちょうめいじ)
関東の桜餅は長命寺小麦粉などの生地を焼いた皮で餡を巻いた、クレープ状のお餅です。享保2年(1717年)、隅田川沿い長命寺の門番・山本新六が、桜の落葉掃除に悩まされて考案し売り出されたことから、「長命寺」または「長命寺餅」と呼ばれています。関東ではこちらが主流。
関西風の和菓子は道明寺(どうみょうじ)
関西の桜餅は道明寺道明寺粉(もち米を蒸して乾燥させ粗挽きしたもの。大阪の道明寺で作られたため道明寺粉という)で皮を作り餡を包んだ、まんじゅう状のお餅です。道明寺粉のつぶつぶした食感が特徴で、「道明寺」または「道明寺餅」と呼ばれています。関西ではこちらが主流。
いずれもその地方では単に「桜餅」と呼ばれていますが、双方を区別するときには「長命寺」「道明寺」と呼ぶことが多いです。出身地によって馴染んだ桜餅が違うので、互いの存在を知ったときには驚きますよね。最近は流通の発達で双方の垣根が低くなったため、味の好みで選ぶ場合も多くなりましたが、あなたはどちらをチョイスしますか?
桜餅を包んでいる「桜の葉の塩漬け」について
「長命寺」「道明寺」どちらにも共通するのが桜の葉の塩漬けで包んでいることです。やわらかくて毛が少ない大島桜が主に使われており、約9割が伊豆地方で生産されています。毎年収穫した葉を半年ほど塩漬けにしますが、塩漬けにすることでクマリン(※クマリンには肝毒性があるので多量に食べる場合はご注意ください)という芳香成分がうまれ、独特の風味を醸し出すのです。桜餅を包むことで桜の香りや塩気がついておいしくなるわけですが、葉の大きさに関西と関東の好みの違いがあり、関西では小さめのもの、関東では大きめのものが好まれているとか。
桜餅の葉を食べる vs 食べない
桜餅の葉をそのまま食べるか、食べる際に取り除くかは意見が分かれるところでしょう。食べる派・食べない派からみれば、お互いの行動が不思議に思えてきますが、果たしてみなさんどうなのでしょう?当サイト「あなたの1票」(※現在は実施していません)で調査してみたところ、約8割が道明寺を好み、葉を食べる人も全体の約8割という結果になりました。
【桜餅】あなたが好きなのは、関東風・長命寺or関西風・道明寺? 桜餅の葉は食べる?
- 好きなのは、クレープ状の長命寺:葉も食べる………11%
- 好きなのは、クレープ状の長命寺:葉は食べない……9%
- 好きなのは、まんじゅう型の道明寺:葉も食べる……68%
- 好きなのは、まんじゅう型の道明寺:葉は食べない…13%
桜餅の「長命寺」と「道明寺」の和菓子についてよくある質問
Q. 道明寺と桜餅の違い
A. 桜餅には関東風と関西風の和菓子があり、関東風の桜餅を「長命寺」、関西風の桜餅を「道明寺」と言います。お店によっては、関東風の長命寺を「桜餅」、関西風を「道明寺」と呼んでいることもあります。
Q. 道明寺の和菓子の葉っぱは食べられる?
A. 道明寺、長命寺どちらにも桜の葉の塩漬けが巻いてあります。いずれも食べることができます。葉によっては筋が硬いものがあるので、その場合は葉を外したほうがおいしく食べられるでしょう。
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