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更新日:2003年05月18日

『汽車旅』に欠かせなかった車両とその歴史をたどる 思い出の食堂車

かつては特急列車だったら必ず連結されていたのが食堂車。今はごく僅かな列車でしか見かけなくなりました。今回は食堂車の歴史と私の食堂車に関する思い出をつづります。

鉄道の延伸とともに、長距離列車が走るようになったわけですが、それにより長い時間乗車せざるを得ない乗客からいろいろな要望が出てきました。まずはトイレが車両に設置され(最初は車両にトイレが無かったのです)、そして睡眠と食事のため、寝台車と食堂車が作られたわけです。そこで今回は、食堂車について調べてみました。

日本においては、1899年(明治32)に当時の山陽鉄道(現在の山陽本線)を走った急行列車に連結されたのが始まりと言われています。しかし当時、食堂車が使えるのは1等・2等車の乗客だけで、3等車の乗客は駅弁を食べるか、持参の弁当を食べるしか車内で食事をとる方法がありませんでした。その後、第一次世界大戦後には3等車の乗客も食堂車を利用できるようになりました。

その後、第二次世界大戦の激化により、1944年(昭和19)に食堂車の営業が全廃され、終戦を迎えました。終戦後は連合軍輸送司令部からの食堂車接収命令により、ただちに日本人が食堂車を利用できる状態にはなりませんでした。日本人向け食堂車の営業再開は1949年(昭和24)からです。

1950年(昭和25)になると、戦後初めて食堂車が新造されました。それがマシ35型です。戦後できた特別2等車といっしょに特急列車に組み込まれ運用されました。


マシ35型(関水金属)
特急『つばめ』『はと』等で使用された食堂車。

1952年(昭和27)の特急『つばめ』『はと』食堂車メニュー(抜粋)
料理価格
プルニエお定食(鮮魚貝お料理野菜添え、コーヒー・パン・バター付)300円
スペシアルシチウお定食(スペシアルシチウ野菜添え、コーヒー・パン・バター付)300円
ビーフステーキお定食(ビーフステーキ野菜添え、コーヒー・パン・バター付)350円
グリルチキンお定食(グリルチキン野菜添え、コーヒー・パン・バター付)350円
スープ80円
鮮魚フライ80円
鮮魚焙焼80円
ハムエッグス100円
オムレツ100円
ハムサラダ100円
ポークカツレツ100円
ビーフカツレツ100円
チキンカツレツ150円
ビーフシチュー150円
ビーフステーキ150円
コールビーフ150円
コールチキン150円
サーロインステーキ240円
ポークチャップ240円
御飯(米飯規格量)12円
ハムライス(米飯規格量)70円
チキンライス(米飯規格量)80円
パン(バター付)25円
チーズ60円
サンドウィッチ100円
清酒(特級酒1合)160円
ビール(淡色・大壜)190円
ビール(黒・小壜)110円
ウイスキー(1級品・1杯30cc)85円
オレンジヂュース(バヤリース)55円
清涼飲料 (全糖品、三ツ矢・リボン)45円
レモネード(ウイルキンソン)35円
ジンジャエール(ウイルキンソン)35円
タンサン水(ウイルキンソン)30円
カルピス30円
コーヒー50円
紅茶30円
菓子時価
果物時価
電気車研究会刊『鉄道ピクトリアル』1989年5月号食堂車特集グラビア『往年の食堂車メニューを楽しむ』のメニュー写真より書写。価格は遊興飲食税を含む。


1956年(昭和31)になると、当時進められていた軽量客車製造の一環として、オシ17型食堂車が製造されました。内外装とも欧州風の近代的なデザインになりましたが、技術的な問題から冷蔵庫は氷冷蔵庫、レンジは石炭レンジを採用せざるを得ませんでした。これが後日、客車食堂車廃止の悲劇を生むことになります。
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久須美 雅士

約16,000本のジュース缶を所蔵する清涼飲料史研究家。メディアでも活動中。

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