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Kinectが売れるために必要な3つのこと

コントローラーを使わず、身振り手振りや、声による命令だけでXbox 360を操作できるようになる新デバイス、Kinect。果たして日本では普及するのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

Xbox 360からコントローラーが無くなる日

カメラやセンサーがついたKinectをテレビの前などに設置して使います。カメラがついていますから、写真などをゲームに取り込んで利用することも可能です。Xbox 360の新デバイス、Kinect。コントローラーを一切使わず、搭載されたカメラやモーションセンサーでプレイヤーの動きを感知し、手足や体の動きだけでゲームを遊ぶことができるようになるシステムが、ゲーム業界にやってこようとしています。SFか何か遥か未来の道具といった感じのお話ですが、北米では2010年11月4日の発売が決まっています。おそらくは日本でも、そこからそう遠くない時期に手に取れる日がくるでしょう。

さて、このKinect、とてもすごいものであることは間違いないんですが、果たして日本で売れるのかというのが今回のお題目です。先に結論を言ってしまうと、日本で売るには相当ハードルが高いと思われます。Kinectが日本で売れるためにはどうしてもクリアしなければならない、いくつかの問題点があるからです。Kinectのご紹介をしつつ、特に重要な3つの問題について、お話していきたいと思います。


Kinectで、とんで、はねて、ダンスして

専用タイトルの1つ、Kinect Adventures。急流下りでは2人で息をあわせてジャンプしたり、しゃがんだりしながら障害物を越えていきます。まず最初に、Kinectという新しいデバイスがどんなものなのか、簡単にご説明しておきたいと思います。KinectはXbox 360の前に立つプレイヤーを自動で認識し、その48の関節を感知して動きをゲームに反映することができます。また、音声の認識も可能で、例えば「Xbox、プレイ」と言うだけでビデオを再生する、なんてことができるようになります。

ガイドはロサンゼルスで2010年6月15日から3日間に渡って開催された世界最大のゲームイベント、エレクトロニック エンターテイメント エキスポ 2010(以下E3)で実際にKinectを体験してきました。正直なところ、繊細な操作と機敏な反応という点で言えば、コントローラーのように操作できるとは言い難いものがあります。しかし一方で、ジャンプしたり、左右に動いたり、床に寝転んだり、手足を大きく動かして遊ぶゲームは、今までのコンシューマーゲームに、Wiiでも実現してはいなかった身体性と躍動感を与えてくれます。

そういった特性を反映してか、現在Kinectで発表されているタイトルには、ダンスや、フィットネス、あるいはスポーツや、急流下りをモデルにしたゲームなんていうのもあり、体を大きく動かすものが目立ちます。家族や友達と一緒に遊べば間違いなく盛り上がるというものがたくさん用意されていて、マイクロソフト(以下MS)がファミリー層を狙っているというこはすぐに分かります。

ゲームに新しい世界を見せてくれるKinectですが、日本で普及させるにはいくつかの問題点があります。次は、それを1つずつお話していきたいと思います。
Xキネクトの図
Kinect Adventuresの図
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