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大いなる物体、ランディ・ジョンソン引退。

ランディ・ジョンソンが1月5日(日本時間6日)、電話会議を通じて引退を表明した。メディア嫌いということもあり、なんとも近寄りがたかったが、残した功績は多大だった―。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

「ビッグユニット」ランディ・ジョンソン、46歳にして引退

ランディジョンソン
引退を表明したランディ・ジョンソン。一時代を築いた偉大なるメジャーリーガー人生だった
「長い野球人生を過ごせた。今が辞め時。わたしの決断に揺るぎはない。自分はまだ投げられると信じている。闘争心だってある。先発投手として起用するチームもあるだろう。しかし自分が自分の体に求めるものはとても高い。(晩年は故障に苦しみ)シーズンが終わってほっとした。自分と家族のためにも健康でいたいと思った」
 
野球選手なら誰でも、こんなかっこいい言葉で現役に別れを告げたいと思っているだろう。実行したのは、メジャーを代表する左腕投手、ランディ・ジョンソン(46)。1月5日(日本時間6日)に電話会議を通じて引退を表明した。6日(同7日)に野球殿堂入り選手の発表があるため、「同じ日にしたくない」と気を遣い、1日前に、しかも電話での会見となった。

名門・南カリフォルニア大からエクスポズに入団。マリナーズ、アストロズ、ダイヤモンドバックス、ヤンキース、ダイヤモンドバックス、ジャイアンツと渡り歩いた22シーズンで、通算303勝166敗、防御率3.29をマークした。通算4875奪三振はノーラン・ライアンの5714個に次ぎ歴代2位。2001年にはダイヤモンドバックスで世界一に輝き、ワールドシリーズMVPを受賞。サイ・ヤング賞を5度獲得し、ノーヒット・ノーランを2度、2004年には大リーグ最年長となる40歳8カ月で完全試合を達成している。

「ビッグユニット」(大いなる物体)。初めて会った時にはその大きさに圧倒された。かのジャイアント馬場と同じ2メートル8センチの身長。痩せてはいるが体重は102キロ。私はジョンソンがヤンキース時代の2005年、2006年に主に取材したが、その大きさもさることながら、メディア嫌いということもあり、近寄りがたかった。

近寄りがたかった理由は、まだあった。ゲームモードに入った時には、何人たれとも近づけないほどの集中力を発揮する。これは早くから取り入れていたメンタル・トレーニングのなせる技だったが、非常に「プロ」を感じさせたムードでもあった。
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