テクノポップ/フューチャーポップ

Perfumeのテクノ革命(3ページ目)

「お前、しつこい!」と言われそうですが、Perfumeシリーズ第4弾です。今回は、Perfumeの変遷を考察するというのがテーマです。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

近未来テクノアイドル~発展期(2005年~2006年)


エレクトロ・ワールド
コンピューターシティ
リニアモーターガール


メジャー移籍(徳間ジャパン)も果たし、攻めの姿勢が感じられるPerfumeです。通称、近未来テクノ三部作と呼ばれる『リニアモーターガール』(2005年)、『コンピューターシティ』(2006年) 、『エレクトロ・ワールド』(2006年)の3枚のシングルです。この近未来コンセプトは、capsuleでは『S.F. sound furniture (2004年)、『NEXUS-2060』(2005年)あたりで顕著です。少し薄れつつありますが、『L.D.K. Lounge Designers Killer』(2005年)にもその傾向は見られます。つまり、capsuleと少し遅れる感じで、Perfumeへ近未来が導入されているんですね。

木の子が作詞を手がけたのは、『コンピューターシティ』のカップリング「Perfume」(Perfumeのテーマソングですね)までですが、この近未来のコンセプトがどのように始まったかは、ぜひご本人に聞いてみたいところです。Perfumeには、「スーパージェットシューズ」(Peachyのカヴァー)、「イミテーションワールド」「カウンターアトラクション」というライヴだけで披露した未CD化の曲がありますが、とてもシュールな歌詞の「カウンターアトラクション」も木の子による作詞である事を付け加えておきましょう。

この3部作はPVも含めて、圧倒的な統一の美学があります。楽曲、振り付け、ファッション、PVのCG全てに対する執拗なこだわりで、3部作は一つの近未来物語として成り立つのです。

Perfumeは、アイドルとしては珍しくテクノポップというジャンル用語を自分たちの音楽性を表すために使ってきました。この3部作は、コンセプト的にも近未来=テクノポップとしての集大成と言えましょう。実際、彼女たちの発言からすると、メジャーデビューまでテクノポップをやっていることが、メンバーたちのコンプレックスになっていたようです。テクノポップとは、YMO世代の用語ですから、ティーンエイジャーの彼女たちにとっては、私たちはYMOの孫娘ですと言っているようなもんですからね。まぁ、だからと言って、フューチャーポップとかネオ渋谷系とか名乗っても違和感いっぱいですけどね。
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