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伝説のケンメリTシャツ30年越しの完全復刻(2ページ目)

1970年代に32万枚の大ヒットとなったKen&MaryTシャツを、素材.縫製.プリントのディティールに至るまで完全復刻。オリジナル現物を公募することから始まったプロジェクト全工程を公式ブログで公開。販売開始

執筆者:久米 信行

ケンメリ現物を手に入れてさらに深まる謎

30年の歳月でサイズと色が変化
30年の歳月でサイズと色が変化
残念ながら、実際に未使用未洗濯のTシャツを持っている方は、数名しかいらっしゃいませんでした。

それでも、心あるファンがお貸しくださった何枚かのケンメリTシャツを目の前にして、感動しないわけにはいきません。なにしろ30年以上も大切に保管されてきたのです。何としても、この名作を復刻したいと思いました。

しかし商品を調べてみると、さらに大きな障害があることがわかりました。長い歳月を経てオリジナルの状態から変化してしまったようで、送られた現物ごとにバラつきが見られたのです。

・Tシャツが縮んでいて元のサイズがわからない
・Tシャツごとに微妙にサイズやカッティングが違う
・プリントの部分も縮んで変形している
・テーマカラーである濃紺も微妙に違っている
・当時使われていた綿糸が現在は生産されていない


こうした障害をひとつひとつクリアしていくことでしか復刻はかないません。そこで当時の事情とオリジナル品をよく知る父の記憶も生かしながら、生産を進めていきました。

こうした完全復刻プロジェクトの紆余曲折は、特設ブログで随時公開されていくことになりました。この14回にもわたる連載で復刻プロジェクトの歩みをご覧いただければ、30年前の名品を甦らせることが一筋縄ではいかなかったことがわかるでしょう。

オリジナルはあまりにタイトフィット

完全復刻の他に大きめ2サイズ
完全復刻の他に大きめ2サイズ
もう一つ、完全復刻が進むうちにわかった悩みがありました。

復刻したオリジナルのケンメリTシャツのシルエットが、あまりにスリムでタイトフィットだったのです。これでは、当時のケンメリやTシャツを愛するシニア層が着るには、少々厳しいかもしれません。せっかく復刻するのですから、一人でも多くの方に着ていただきたいのが心情です。しかし、完全復刻にこだわる以上、安易にサイズを変えるわけにもいきません。

そこで、今回は、完全復刻サイズをやや小さめのMサイズとして、その上にLサイズとLLサイズを作ることになりました。そして、衿ネームで差別化して、完全復刻サイズのみオリジナルのケンメリネームを奢り、LサイズとLLサイズは赤いNISSANネームを縫い付けることになったのです。

 >>>数々の難関を越えて完成したTシャツ
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