まずはスニーカー代わりに使ってみて下さい!
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| 履き心地の柔らかさだけでなく、汎用性の高さもデザートブーツの特徴。カジュアルウェアにならほぼ何にでも合わせられますし、ジャケット&ネクタイ姿にだって違和感なく対応できます。 |
屈曲性には優れるけれど、コバの縁でアッパーを直接底付けするので清楚さにはやや欠けるステッチダウン製法。クッション性は抜群だけど、タイル張りやアスファルトの道とは相性が良いと言い切れないクレープソール(雨天には案外滑りやすく夏場には粘つきやすい)。柔らかいのは認めるけれど、お世辞にも最高級とは呼べない銀面無しスエード…… 正直申し上げて他の靴に比べると、全体のデザインも作りも決して凝っていない、素朴でやや洗練さに欠く印象を持つ靴です。でもこのデザートブーツは、「気楽に履く」ことが第一義の靴。だからこそこの「凝っていなさ」が、
自由な裁量を履き手の側に与えてくれているとも申せます。
要は革質がどうだとかフィット感がどうのこうのなど、些細なことにケチをつける靴ではなくって、もっと大らかにのんびり構えて履くのが相応しいのです。それに気付くと柔らか過ぎて一見頼りなげなデザートブーツが、いい加減なドレスシューズやスニーカーなどより
遥かに多目的に使える、逆に大いに頼もしい存在に思えてくるからあら不思議! デニム・チノーズ・ポロシャツ・ニットセーターと言ったカジュアルウェアは勿論のこと、ジャケット&トラウザーズの休日お出かけスタイルも難なくこなせます。アスファルトはともかく、クレープソールは土や砂の道とは相性が良いですし、ダークトーンであればスエードのアッパーは雨ジミも汚れも目立ち難いので、例えばこの記事の冒頭に書いたとおり、
「それほど過酷な自然環境にはない観光地に1・2泊小旅行して、その地の銘店で舌鼓」
なんて時は正に他に選択の余地無し、根強いファンが多いのも頷けます。
イタリアやフランスにはこれをダークスーツに合わせる兵もいるようですが、流石にこれは超・上級編かな? いや、いわゆる「クールビズ」的な装いの中であれば、一般の人でも取り入れることは比較的簡単かも? いずれにせよ、今までスニーカーで適当に済ませていた場面にデザートブーツを持って来るだけで、軽快な感覚を損なわず装いに落ち着きを加えることが可能なので、お洒落に頓着の無い男性の
カジュアルスタイルを改造する「はじめの一歩」としても最適なのです。履き方のコツが一旦掴めてしまうと、サンドベージュ・黒・こげ茶の起毛系永久定番の3色はもちろん、ネイビーやローデングリーンなど数年間隔でしか発売されない色も無性に欲しくなる、誠に罪作りなブーツですよ。
構造が簡単な靴のためか、21世紀に入るや否やこの靴は本家のクラークスのみならず、ほとんどのメーカーがベトナムなどの東南アジア生産に切り替えてしまった事を惜しむ往年のファンが多いのも事実で、その気持ち、すっごく解ります。でも革靴の中では価格が非常にこなれている部類ですし、原則気楽になりたい時に履く靴ですから、必要以上に原産地にこだわり過ぎてしまうのは、ちょっと野暮なのかも? とにかくまだお持ちでいらっしゃらない読者の方は、騙されたと思ってこげ茶スエード辺りを一足買ってみて下さい。数年後間違いなく、
「あれっ? こんなに高頻度に履いていたんだっけ?」
と驚くことになりますから!
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