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リチウムイオンの自動車用バッテリーが登場

自動車用のバッテリーといえば、鉛蓄電タイプが一般的ですが、なんとポルシェでは最新のスポーツモデルに携帯電話やパソコンでお馴染みのリチウムイオン・バッテリーを採用してきたのです。果たしてその狙いとは?

執筆者:宮島 小次郎

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速さを追求する本格スポーツモデルにオプションで設定

リチウムイオン・バッテリー
縦横のサイズを従来の鉛バッテリーと同じに設定したことで、互換性を持たせたポルシェのリチウムイオン・バッテリー。ただし、高さは約70mm低く、重さは10kg以上も軽い
これまで自動車用のバッテリーといえば、希硫酸をベースとした電解液に鉛の電極板を漬した鉛蓄電タイプのいわゆる鉛バッテリーが一般的でしたが、ポルシェでは来年から発売する3種類のスポーツモデルにリチウムイオン・バッテリーをオプションとして設定しました。

リチウムイオン・バッテリーといえば、身近なところでは携帯電話やデジカメなどに使われており、家電の分野ではすでにお馴染みです。自動車でも先日発表されたメルセデスベンツのハイブリッドカー、S400ハイブリッドで市販車として初めて実用化され、今後はトヨタのハイブリッドカーなどでも採用が予定されています(ただし、プリウスなどのハイブリッドの場合、補助バッテリーとして鉛バッテリーを搭載)。

ボクスタースパイダー
徹底して軽さを追求したボクスター・スパイダーのコンセプトに、この軽量バッテリーは最適な組み合わせだ
ところが、今回ポルシェがリチウムイオン・バッテリーを採用してきたのは、そうしたハイブリッドカーではなく、911 GT3/911 GT3RS/ボクスター・スパイダーというポルシェのラインナップの中でも極めて辛口なスポーツモデルです。ポルシェでは、これらのモデルで従来の鉛バッテリーの代わりに、リチウムイオン・バッテリーを搭載するというのです。

もともとリチウムイオン・バッテリーには、鉛バッテリーに比べてコンパクトなサイズでも、より大容量の電気を蓄えられる上に、バッテリー自体が軽量であるというメリットが挙げられます。ポルシェがリチウムイオン・バッテリーを採用したのも、まさにその軽量性が狙いです。それゆえ極限の速さを求めるスポーツモデルのみの設定となるわけです。

ポルシェのリチウムイオン・バッテリーは、縦横のサイズは従来の鉛バッテリーと同じサイズながら、高さは約70mm低く設計されています。これは従来のバッテリーとサイズ的な互換性を持たせることで、必要なときにはすぐに交換できるように考えられてのものでしょう。バッテリー自体の重量は、従来よりも10kg以上軽量な約6kgという軽さを実現しています。

バッテリー搭載位置
フロントトランクの高い位置に搭載されるバッテリーの軽量化は、運動性能の向上に効果的だ
911(基本コンポーネンツを共有するボクスターも)のバッテリーは、フロントトランクのバルクヘッド寄り、真横から見るとほぼフロントアクスルの真上に設置されているため、前後の重量配分を考えるとほぼ理想的な位置といえますが、重心よりも高い位置に設置されているため、この部分をなるべく軽くできれば、運動性能の面ではかなり有利になるはずです。

ただし、このリチウムイオン・バッテリーのオプション費用は、新車購入時の価格で1904ユーロ(邦貨換算約25万円)。すでに購入したクルマに後から装着する場合は、2499ユーロ(同約34万円)と非常に高価です。このコストの高さこそが、リチウムイオン・バッテリーの最大のウィークポイントとなっているのですが、実は軽さ以外にもそのメリットがあるのです。

次ページでは、リチウムイオン・バッテリーのさらなるメリットに迫ります

更新日:2009年11月25日

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