まずは自分の理想の生き方を考える
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| 最も効用の高い対象を選ぶことが大切 |
株がいいとか、不動産がいいとかではなく、自分の価値観、自分のライフスタイル、そして経済情勢に照らし、今はいったい何に資産を分配するのが賢いのか、を考えてみてください。
今の資産の形態よりも、もっと価値を生む形態、もっと満足度の高い形態とは何か。これは人によって異なります。
現金よりも、株のほうがほり大きな価値を生み出してくれると考える人は、株にシフトさせます。株よりも不動産のほうが安定して富を生み出してくれると考える人は、株を売ってその資金を不動産にシフトさせるでしょう。
しかし、起業を目指している人であれば、リスク資産に振り向けるのではなく、銀行に預けたままにしておくでしょう。
老後は海外でロングステイを楽しみたいという人は、その国の債券や定期預金に、夫婦で旅行三昧の生活をしたいという人は、旅行積立(これ利回が結構高いのです!)に資金を回すでしょう。
あと、自分の性格を知ることも重要です。神経質なのか、おおらかなのか、悲観的なのか、楽観的なのか、スリルを好むのか、安定を望むのか。それによって、ビジネススタイルや投資対象が異なるからです。
「ただ儲けたい」ではなく、自分のお金の効用を最も高く享受できるのはどの方法なのか。それは時代や環境、自分の生活設計と密接にからんできますから、まずはやはり、自分がどういう生き方をしたいかが出発点になります。
経済・金融サイクルに合わせ、資産分配を変える
そのうえで、次に余裕資金をどう動かすか、を考えます。
景気は良くなったり悪くなったり、金利が上がったり下がったり、インフレになったりデフレになったり、経済環境は様々に変化します。
ですから、最も効果の高い方法は、ひとつの対象でじっと運用するのではなく、その時代環境ごとに見直し、「お金をどういう資産の状態にしておくのが、もっとも効率的か」を考えることです。
たとえばこれから環境ブームが来ると考える人は、環境関連銘柄に資産を移動させるでしょう。急成長が見込める国があれば、建設や資材関連銘柄に移動させるでしょう。不動産が上がると思えば不動産に、資源が高騰すると思えばコモディティに移動させます。まだデフレが続くと思う人は現金のままにしておくでしょう。
ヘッジファンドの資金が大移動するのは、そうやって、今世界のどこでどのセクターに資金を移動させることが最も効率的なのか、を調べているからです。
私たちが情報収集に費やせる時間はヘッジファンドほど多くありませんが、つねにそういう意識を持っておくと、カラーバス効果によって、生活の中で情報が自然に集まるようになります。
利回りそのものを比較しても意味がない
利回りは投資判断の重要な指標ですが、利回りのみで判断してはいけません。投資詐欺に遭うのも、利回りの高さだけしか見ていないからです。
たとえば不動産投資の利回りは、都心部では6%前後、首都圏で8~10%、郊外では10~15%、古い物件だと20%超というところです。
しかし、都心から離れるほど、一般的には空室リスクが高くなりますし、古くなれば修繕費がかさみます。そういうリスクがあるからこそ、高い利回りで売り出されているのです。都心で利回り10%以上あれば、多くの人が飛びつきますが、地方で利回り6%では、誰も買いません。
つまり、「郊外はリスクが高いから、その分、利回りは10%以上ないと、買っていられない」という意味です。
新興国の国債の利回りが7%~10%と高いのは、リスクがあるから利回りを高くしないと、誰も買ってくれないからです。
大手不動産会社がスポンサーとなっているJ-REITは利回りが低いですが、新興不動産会社がスポンサーのJ-REITの利回りが高いのも、リスクを反映しているわけです。
つまり、利回りが高いということは、リスクが高いということと同義です。ですから、利回りが高いほうが良いという人は、高いリスクもセットで受け入れる覚悟が必要なのです。
もうひとつ、利回りは、銀行などによって保証されていない限りは、現時点のスナップショットに過ぎません。ほとんどの金融商品は、時間の経過や環境変化によって利回りも変動します。
株なら減配や無配になるかもしれない。FXなら金利引下げでスワップポイントが経るかもしれない。不動産なら空室が発生するかもしれない。
ですから、目先の利回りに飛びつくのではなく、「その利回りが、いったい何年維持できそうなのか、その根拠は何か」を考えてみることが大切です。