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ゲームと現実の区別がつかない人達

ゲームを遊びすぎると、ゲームと現実の区別がつかなくなって危険だ、なんて言われることがあります。本当にゲームと現実を交錯するというのは、どういう状況なのでしょうか。ちょっと考えてみたいと思います。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

ラブプラスとゲームと現実

ラブプラスは、勉強や部活やバイトなど、高校生活の中で彼女と楽しくおつきあいする恋愛シュミレーションです。あまりゲームをやりすぎると、現実との区別がつかなくなって危険だ、そんな風に言われることがあります。ですが、本当に現実と区別がつかなくなっているのか、どういう状態を指して現実との区別がついていないと言うのか、明確に示されていることは少ないように思います。

今回は、そこのところをちょっと整理してみようと思います。科学的な証拠を挙げて検証しよう、というのではありません。ごく普通に、当たり前の感覚で、現実と区別がついているのか、ついていないのか、考えてみようというのです。

とても分かりやすい題材として、ラブプラスというシリーズタイトルを例に挙げたいと思います。ラブプラスシリーズは、コナミデジタルエンタテインメントからニンテンドーDS(以下DS用)に発売された恋愛シミュレーションです。登場する3人の女の子の中から1人を自分の彼女にして、一緒に通学したり、デートにいったり、メールでやり取りしたりなど、恋愛気分が楽しめるゲームになっています。

DSの内蔵時計と連動して、例えばデートの約束をしたら、その時間に実際にDSを起動してデートをしたり、朝、起きた時や、夜寝る前に女の子とメールの交換をしたりと、まるで本当に恋愛をしているかのように、生活のリズムの中にゲームが入ってくるのが特徴的です。タッチペンでのキスなんていうのも話題になりました。2010年6月24日に最新作のラブプラス+も発売され、初週約10万本を販売しました。

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ラブプラスが彼女を怒らせる構造(AllAboutゲーム業界ニュース)

いかにも、現実とゲームの区別がつかなくなりそうなニオイがしますよね? それでは、整理して考えてみましょう。

ゲームの彼女と旅行に行く人達

彼女とお泊り旅行というのは、ラブプラス+からの目玉となる新要素。ゲーム中のイベントはリアルタイムに反映されるので、ゲームで約束した日に、自分も熱海に行く、なんて遊び方ができるわけです。今、熱海では、大変面白いキャンペーンが行われています。その名も、熱海ラブプラス現象キャンペーン。ちなみに、ラブプラス現象と書いてラブプラスまつりと読みます。最新作のラブプラス+では、ゲームの中で彼女と熱海旅行に行けることが目玉の1つになっていまして、このキャンペーンでは、ゲームの中だけではなく、実際にDSを持って旅行に行ってもらおうと、熱海市と協力したイベントが行われています。

熱海ではゲームにも登場する実在の観光スポットを回るスタンプラリーなどが用意されているのですが、参加資格はラブプラス+ カノジョ同伴の方ということで、現地でゲームの彼女を見せることが条件になっています。さらに、やはりゲーム中に登場し、熱海に実在するホテル大野屋では、ラブプラス+持参のユーザーに、1室1名で止まっても、布団を2名分、つまり彼女の分を用意してくれるなんていう、驚きのサービスまで登場しました。

ゲームの中の彼女と旅行にでかけ、1人で泊まるのに2組の布団を用意してもらって宿泊するなんて、まさしく現実とゲームが混同されているかのように言われそうな事例ですね。次は、これを楽しむ人達がゲームの世界と現実の世界を混同しているのか、というお話をしてみたいと思います。
ラブプラスの図
ラブプラス+の図
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