老後に必要になる主なリフォーム工事とは?
高齢者向けのリフォームは、暮らしの安全性や快適さを向上させることを目的としています。特に、高齢になると体力や運動能力が衰えるため、転倒や事故の予防対策を講じることは大切です。以下に、よく行われるリフォーム工事を挙げます。●段差の解消や床材を滑りにくいものに変更
段差をなくす、滑りにくい床材に変更するなどのバリアフリー化は、高齢者の住まいに欠かせないリフォームです。廊下や部屋の間にある段差を取り除き、床材を滑りにくいものに変更することで、転倒によるケガが回避できます。費用は工事の規模によりますが、数十万円~100万円程度が目安です。
●手すりの設置
階段や浴室、玄関やトイレに手すりを設置することで、転倒のリスクを軽減します。特に浴室やトイレは滑ったり転んだりと危険が多い場所です。手すりの設置は比較的簡単な工事で、1本当たり数千円から数万円が一般的な費用です。
●浴室リフォーム
浴室は、滑りやすく事故が起こりやすい場所です。高齢者向けに、浴槽を低い場所に設置して入りやすくしたり、シャワーのみで使える設計に変更したりします。費用は浴室全体の改装であれば50万~150万円と高額です。しかし、部分的な修繕であれば数万円から行うことができます。
●トイレのリフォーム
高齢になると、膝に痛みが生じて和式トイレはとても不便です。トイレを洋式に変更したり、温水洗浄便座を取り付けたりするととても快適になります。費用は、10万~50万円程度と幅があります。
●耐震性の強化も忘れず
自宅の築年数によっては、現在の耐震基準を満たしていないものもあります。特に1981(昭和56)年5月以前に着工した戸建て木造(2階建て以下)の住宅は、旧基準に基づいているため、十分な耐震性がない可能性が高いです。地震が発生で、家が倒壊しないよう耐震補強を行うようにしましょう。自治体では、耐震診断や耐震改修の支援を行っている場合があります。安心して暮らすためにも、検討しましょう。
築年数別・床面積、建物の構造も絡むので、一概にいくらと言い切れません。かかる費用の目安としては、50~200万円ほど。日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が行ったアンケートによれば、耐震補強工事を行った人の割合が一番高いのは「100~150万円未満」となっています。
リフォーム計画を立てる手順
リフォームは計画的に行うことが大切です。以下の手順を参考に、無理のないリフォーム計画を立てましょう。●まずは問題点の洗い出し
最初に、自宅のどこが不便か、どこが危険かを洗い出すことが大切です。高齢者が実際に生活している場面を想定し、転倒のリスクがある場所や、動作しづらい場所をチェックしましょう。
●予算の確認
リフォームにかけられる予算を確認します。リフォームは必要な工事をすべて行うと費用が高額になることがあります。優先順位の高いものから予算を組みましょう。
●業者に相談する
リフォームの専門業者に相談し、見積もりを出してもらいましょう。1社だけではなく、複数の業者に見積もりを依頼すれば、費用の比較ができ、より納得のいくリフォームができるでしょう。また、高齢者向けのリフォームに詳しい業者に依頼することもポイントです。
●補助金の活用
リフォームには、国や自治体から補助金が出る場合があります。バリアフリー工事や介護リフォーム、耐震化などは補助金が充実していることが多いです。注意点は、設計・工事着工前(契約前)に申し込みが必要だったり、年度内に工事を完成させることが要件だったりします。補助金等を活用するときは、役所など担当窓口で事前に確認しましょう。