Q. 毎月分配型投資信託より、分配金のない商品を買った方がいいですか?
「定期的に分配金を受け取れるとあって、毎月分配型投資信託を購入しています。しかし、元本取り崩しのリスクや手数料負担などを考えると、毎月分配型以外(無分配型)の金融商品を選んだ方が良いのでしょうか?」(かこかこさん/65歳/女性)60代で投資するなら「毎月分配型」か「無分配型」、どっちがいい?
A. 「どんな商品にも良し悪しはあるので、自分の考え方に合うものを選ぶのがよいと思います」(深野さん)
毎月分配型投資信託は、毎月分配金を受け取ることで、定期的な収入を得ることができます。受け取った分配金を定年後の生活費の足しにしたり、旅行、趣味などの資金源として活用したりできるのは魅力的です。一方、運用成績が悪いときでも分配金を支払うために、元本を取り崩す場合があります。それによって、資産が減少するリスクも否めません。また、毎月分配型投資信託の中には、どのような利益を源泉として分配金が支払われているのかが複雑だったり、基準価額(時価)に応じて分配金が変動するものもあります。購入する際は、ご自身で目論見書を確認したり、販売担当者から説明を聞いたりして、理解できる範囲の商品を選ぶようにしてください。
こういった毎月分配型投資信託の良し悪しを留意する必要はあるでしょう。もし、ご相談者が自分で金融資産を取り崩せるなら、わざわざ毎月分配型を選ぶ必要はなく、自分で取り崩しをすればよいと思います。
しかし、自分で金融資産を取り崩すことに抵抗がある場合は、毎月分配型のような形で取り崩していく商品を選ぶのも一策です。どちらが自分に合っているかを考えて、選択するのがよいのではないでしょか。
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教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など