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2023年1月から2024年5月まで実施されていた、政府による「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は、長期化している円安による物価の高騰等もあり、2024年8月から2024年10月までに再開されています。今年の夏は例年よりも気温が高くなるという予想もあり、名称は「酷暑乗り切り緊急支援」に変更されています。異常な暑さに、エアコンの使用頻度が増している中、ほっとしたという方も多いのではないでしょうか。
しかし、暑さが過ぎれば、寒さが。一般的に冬の方が夏よりも光熱費は高くなります。現時点では、「酷暑乗り切り緊急支援」に続く具体的な政策については、明らかにされていません。どうなるにせよ、電気代の節約を心がける必要があるでしょう。
今回は、年金で生活する方が、効率的に光熱費を節約する方法を紹介します。
高齢、無職世帯の光熱費の平均は?
総務省「家計調査報告2023年」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の、1カ月分の電気やガス代などを含めた光熱・水道代は平均2万2422円。年間にすると26万9064円です。しかし、今後は、値上げなどにより、電気代は増えることが予想されます。いまのうちから節約して、光熱費高騰に備えましょう。光熱費を安くする方法1:世帯人数に合った契約アンペア数になっているか
電気代は、基本料金と電力量料金、再エネ賦課金で構成されていますが、このうち、契約アンペア数(契約容量)で決まる基本料金を見直すと、電気代が節約できる場合があります。アンペア数は、同時に使用できる電気の量を表しており、単身世帯なら20~30A、2人世帯なら30~40Aが適しています。電気料金の請求書を確認して、契約アンペアが世帯人数と合っているか確認しましょう。
光熱費を安くする方法2:消費電力の多いエアコンの使い方
消費電力の多い家電の代表は、エアコン・冷蔵庫です。エアコンは、「弱モード」よりも「自動モード」に設定しましょう。自動モードは、設定された温度になれば、その後はあまり電力を使わず運転するため、電気代を節約できます。また、温度の上げ下げにかかる電力よりも、風量にかかる電力の方が少なく済むため、部屋が暑いまたは寒いと感じたらエアコンの「風量」で調節しましょう。
また、エアコンの省エネ機能は年々優れたものに進化しています。購入から10年以上経っているのであれば、買い替えることで節約になります。スペックを比較し、検討してみてください。
光熱費を安くする方法3:消費電力の多い冷蔵庫の使い方
冷蔵庫の庫内の設定が「強」になっているのであれば、「中」や「弱」にしましょう。夏場は、食品の傷みを気にして、「強」に設定している方がいるかもしれませんが、これからは、だんだん寒くなります。控えめに設定して、節電しましょう。エアコン同様に、冷蔵庫も13~15年使用しているのであれば、古いものを我慢して使うよりも、省エネ性能の高い新しいものに買い替えた方が効果的です。
光熱費を安くする方法4:図書館や公共施設に出かける
年金世代は、家の中でゆっくり過ごすのもよいですが、在宅時間が長ければ、エアコンや電気ポット、照明、テレビなど、点けっぱなしとなりがちです。光熱費節約のために、近所を散策したり、図書館で本を読んだり、無料で利用できる公共施設を利用してみましょう。外出の際は、保温ポットにお茶やコーヒーを入れて持っていけば、外で長い時間過ごすのも苦ではなくなります。
政府からの「酷暑乗り切り緊急支援」に続く具体的な政策の案内を期待しつつ、上記4つの方法を参考に、光熱費の節約を心がけましょう。