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マンションのアクセス方式による違い
マンションのアクセス方式とは、メインエントランスを入ってから自宅の玄関までたどり着くまでの「マンション内におけるルート」のことです。マンションはそのアクセス方式によっても住み心地や防犯性などに違いがあります。現在日本で見られるマンションをアクセス別に分類すると「外廊下型(片廊下型)」「階段室型」「中廊下型」「コア型」「ツインコルドール型」「ボイド型」などに分類されます(【図1】)。マンションではほとんどが「外廊下型(片廊下型)」もしくは「階段室型」となっており、一部の高層・超高層マンションで「中廊下型」「ツインコリドール型」「コア型」「ボイド型」が採用されています。
マンションに最も多い外廊下型・片廊下型
マンションで最も多く見られるのが「外廊下型」(片廊下型)のアクセス形式です。低・中層から高層マンション、小規模から大規模マンションまで、階層、規模を問わず広い範囲でこの形式が採用されています。住戸が横にずらっと並び、バルコニー側と反対側(主に北側)に共用の廊下がついています。共用階段も共用廊下も手すりはあるものの、そこから上は壁がなく、外気に開放されており、このような共用廊下を「外廊下」と呼びます。玄関を開けたらそこは「外」なので、風の強い日、雨の日などは共用廊下に雨風が吹き込むこともあるでしょう。
ただ、上階の同部分が屋根がわりになるため、一般階では直接雨は降りこんでこないでしょう。そのため雨が降っていてもエントランスホールまでは傘はささずに済みますが、中には最上階などで上部に屋根がなく、自宅玄関を出たらすぐ傘が必要となるマンションもあります。
低・中層マンションに多いアクセス方式が階段室型
3~5階建ての低・中層マンションで見かけるのが「階段室型」です。新しいマンションで比較的ゆとりのある造られ方をした物件や、築年数の古い旧公団による共同住宅でも、エレベーターはないものの、多くでこの階段室型が採用されています。不特定多数の人が通る共用廊下がなく、基本的に隣り合う2戸の住宅で一つの階段、エレベーターを共有します。従って使用する住戸が限られ、プライバシー性や防犯性も高くなります。南北にバルコニーを設けることができるので、風通りがよい間取りができます。
高層・超高層マンションに多い
中廊下型・ツインコリドール型・コア型・ボイド型
11階建て以上の高層・超高層マンションで規模が大きいものになると、「中廊下型」「コア型」「ツインコリドール型」「ボイド型」が見られます。比較的築年数の浅い物件が中心です。中廊下型、コア型、ボイド型は共用廊下・共用階段が屋内に設けられますが、このような屋内の共用廊下のことを「中廊下」と呼びます。
風雨の影響を受けず防犯性に優れる「中廊下」
中廊下は不審者が入り込みにくく、外廊下型のマンションに比べ防犯性に優れます。共用廊下が屋内のためこちら側から採光・通風が取れず、居室はバルコニー側に集約されます。従って共用廊下に面して開口部は玄関ドアだけとなり、戸締りもラクです。メインエントランスから自宅玄関まで風雨の影響を受けずアプローチできる「中廊下」は、高級仕様のマンションでは一般的となっています。廊下側からの採光を確保したツインコリドール型、ボイド型
ツインコリドール型は2棟のマンションを渡り廊下でつないだ形になります。ボイド型はコア型よりさらに大規模なマンションで採用され、中央に大きな吹き抜けがあり、共用廊下側からの採光も確保できます。マンションのアクセス方式、コミュニケーションがとりやすいのは?
視点を変えて住民同士のコミュニケーションが比較的取りやすいのはどのアクセス方式かというと、「階段室型」のマンションのようです。共用階段を使用する人が限られ、お互いの顔を覚えやすいからでしょう。防犯性が高いと言われるのもそんな理由から来ています。今後、マンションを選ぶ際の「間取りの基本」としてこれらのアクセス方式別の間取り事例や特長を詳しく見ていく予定です。
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