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ベジタリアン食を科学する?『4ミタリアン』の勧め?

スティーブ・ジョブス氏が実践していた事のあると伝えられているベジタリアン食。菜食主義という誤訳のために誤解が多い食です。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

ベジタリアンのルーツと誤訳

英国ベジタリアン協会の設立は19世紀の中頃、日本にペリーが来航する数年前です。米国のシリアル会社、ケロッグの設立は20世紀になってすぐです。日本は日露戦争に参戦していた頃です。日露戦争の頃はビタミンの欠乏症については解明されていません。

英国、米国が欧米のベジタリアン、ベジタリアニズムの二大潮流です。20世紀に入り栄養学、食物連鎖、環境問題、世界規模な飢餓問題までが守備範囲です。インド哲学系のベジタリアンとは一線を画しています。日本発祥のマクロバイオティックは食文化より哲学の側面が強い運動です。ベジタリアンの訳語の菜食主義は誤訳です。ベジタリアンは精進実践者。健康元気生活主義者ではないかと。

ちなみにガイドは家庭の医学の立ち位置で、必須アミノ酸、ミネラル、ビタミンに関しての生化学的立場からベジタリアンについて述べるだけです。社会科学的な話は含まない事を最初に予告しておきます。なおガイドは牛肉はあまり食べませんがニクタリアン(肉足りアン)です。念のため。


非赤肉食主義

赤肉はNG,大豆蛋白質はOK

赤肉はNG,大豆蛋白質はOK

何でも細かく分類したがるのが理系。一度決めた分類を変更したがるのも理系。ベジタリアンにも細かい分類があります。日本で役立つ分類とも思えません。以下の流れの中で記載します。

非ベジタリアンとベジタリアンの食材の差は赤肉(Red meat)にあります。日本の食文化の中では肉を食べてこなかったので日本食は広義のベジタリアン食です。赤肉は生の状態で赤く見える肉です。赤肉はシャブシャブで悪代官(灰汁代官)が大活躍する肉です。牛肉、豚肉、羊肉が主な赤肉です。ちなみに鮪は生化学的には赤肉です。鶏肉は非赤肉です。

赤肉は体に悪い

生活習慣と病気の関係について調査、研究では、その生活習慣がない対照が必要です。二つの集団には統計学的に差がない事が重要です。究極は、一万組の一卵性双子を分けた場合です。

赤肉の摂取に関しては、非赤肉摂取生活者を対照として、生活習慣病(メタボを含みます)、各種ガンについて外国の報告が多数あります。結論は、赤肉は生活習慣病、各種ガンの危険因子となります。ガンに関しては危険因子としての順位は、喫煙より下位です。

危険因子としての順位が低いので当然、寄与率も高くありません。調査期間の関係で総死亡までは解析は困難です。摂取を控えるべきという結論にはなっていません。

今風ベジタリアンは4ミタリアン(味足りアンかつ3足りアン)

味覚のミは旨味のミ、主な成分はグルタミン酸、イノシン酸です。グルタミン酸は植物由来、イノシン酸は動物由来です。

ミタリアンのミは必須脂肪酸は医原病以外、不足しないので、アミノ酸のミ、ミネラルのミ、ビタミンのミです。五番目のミ、fifth elementは栄養素ではありませんがファイトケミカル(植物由来化学物質)を中心とした抗酸化物です。

美味しくて、かつ栄養を考えるのが今風のベジタリアンですね。赤肉抜きで考えてみましょう。

アミノ足りアンへの道

SF映画の『バーバレラ』では青いアミノ酸液を飲む場面があります。アミノ足りアンは、どうせニクタリアン(肉足りアン)でしょと言われそうですが、非赤肉は必須アミノ酸の組成がヒトと異なるので別のアンが必要です。

ラクトベジタリアンは乳製品は制限しません。オボベジタリアンは卵は制限しません。両方とも必須アミノ酸は不足しません。ラクト・オボベジタリアン(楽と覚えるベジタリアン?)は乳製品と卵は制限しないベジタリアンです。

肉類、魚介類、乳製品と卵を取らない食事では、アミノ酸補完計画(人類補完計画じゃなくて)が必要です。トウモロコシ(必須アミノ酸のトリプトファンが足りない)以外の五穀を組み合わせればよいので難しくはありません。イネ科と豆類を組み合わせれば必須アミノ酸は問題ありません。五穀でなく、イネ科でもない蕎麦は、ほとんど補完がいらない必須アミノ酸を含有しています。年越しそばは、正しい選択ですね。スティーブ・ジョブス氏は蕎麦好きだっとも伝えられています。

ミネラル足りアン

結論からいうと、ラクト(乳製品)が無いと楽じゃありません。でも日本には強い味方がいます。製造過程でミネラルを使う食品です。ずばり豆腐です。ただし保存期間は長い充填豆腐(絹ごし)はミネラルの使用量が少ないので木綿ごし豆腐を強く勧めます。イネ科の五穀と合わせればアミノ足りアンかつミネラル足りアン(特にカルシウム)となります。

ビタミン足りアン。おむすびには海苔で。

食物の制限が一番きつく、動物由来の食品を一切取らないベジタリアンがビーガン(厳格な菜食主義者)です。サプリメントを取らないビーガンは嘘つき村の住人とされていました。金属を含む親水性ビタミンが一つあります。この金属は植物中にはありません。金属はコバルト、ビタミンはビタミンB12です。ビタミンB12は葉酸と同時に使います。葉酸は植物が含むビタミンです。

日本食文化の素晴らしい点は非動物性の食品からビタミンB12を摂取できる食品がある点です。浅草海苔はビタミンB12を含んでいます。葉酸も同時に摂取できます。ただし摂取量が数グラムなので充分な量のビタミンB12は取れません。

ココスでラクト・オボベジタリアン

ほぼ、ラクト・オボベジタリアン食

ほぼ、ラクト・オボベジタリアン食

ニクタリアン(肉足りアン)のガイドがココスでラクト・オボベジタリアン食をiPhoneで撮影しました。飲み物にホットミルクで、ほぼラクト・オボベジタリアン食です。ほぼの部分は味噌汁のイノシン酸は鰹節由来の可能性が高いからです。海苔は卵があるので、葉酸とミネラル源と考えて下さい。



ベジタリアンはベジタブルを食べない?

お気づきと思いますが今風ベジタリアンはベジタブルを必要としません。果物を食べればビタミンCと葉酸を摂取できるので野菜抜きでも栄養素は足りるのです。旨味成分のグルタミン酸は野菜由来です。野菜抜きは旨味も追求する今風ベジタリアンにはあるまじき食生活です。鍋料理の野菜は加熱するのでビタミンCは壊れてしまいますが、グルタミン酸が旨味を増すのです。

今風ベジタリアンと伝統的な保存食

常温保存の食品は防腐剤を使ったもの、脱酸素剤、減酸素(真空パック)を使ったものがあります。伝統的な保存食は、高濃度塩分(塩漬け)、高濃度糖(ジャム)、酢漬け(ピクルス)などがあります。伝統的保存食の技法には、燻蒸(燻製)、乾燥(乾物)があります。

日本の乾物の中で注目すべきは海藻です。栄養素はさておき、野菜からの旨味、グルタミン酸を含むからです。

麩は小麦由来の蛋白質(グルテン)が成分です。製法からは乾物とは異なりますが、高野豆腐はアミノ酸、カルシウムを摂取できる食品です。湯葉も大豆蛋白から作る食品です。麩、高野豆腐、湯葉は、精進料理に用いる食材です。精進料理は優れたベジタリアン食です。

赤肉が悪い理由

脂質、特にコレステロールに注目すると部位にもよりますが、赤肉と鶏肉は大差ありません。赤肉が赤い理由は、酸素を運ぶヘモグロビンに似たミオグロビンを含むからです。鮪の赤さもミオグロビンです。ミオグロビンは酸化作用を持つ分子です。酸化すると発癌性を持つ分子にミオグロビンが作用すると、発癌物質が産生される事が、in vitro(試験管内)で確認されています。
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