革靴の靴紐の通し方……見た目の表情や履き心地が変わる!
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この靴はドレスシューズでは最も一般的な「パラレル」という通し方をしています。が、靴紐の結びはこれだけではありません。 |
今回は、その靴紐の「通し方」について、ちょっと追求してみたいと思います。これにより変化するのは、単に見栄えだけではありません。既にスポーツシューズの世界では常識となっていますが、これ次第で足へのフィット感も大分変わりますので、上手に活用されてみてください。
今回はドレスシューズにおける基本的な通し方を4つご紹介いたしますが、できるだけ簡潔に記したいため、予め表記を以下のように統一いたしますので、何卒ご理解いただければと思います。
A・B・C・D・E:
今回は鳩目の横列が5穴の靴をサンプルとしましたので、一番つま先寄りの鳩目を「A」、それ以降甲を上って行くにしたがい「B」「C」「D」とし、一番足首寄りの鳩目を「E」と記します。
内・外:
内踝側の鳩目を「内」、外踝側の鳩目を「外」と記します。
下通し・上通し:
鳩目の上部から下部に向かって紐を通すことを「下通し」、逆に鳩目の下部から上部に向かって紐を通すことを「上通し」と記します。
具体的には「B外」から「B内」に下通しなどと表現します。
靴紐の通し方1:基本の「パラレル」
まず最初に、ドレスシューズでは最も基本的な紐の通し方である「パラレル」を見てゆきましょう。鳩目の横列の間を、靴紐が千鳥状に平行に行き交うので、この名が付きました。1:まず靴紐の一方の端を「A内」に下通しし、それを「B外」に上通しします。鳩目の横列が5列や3列などの奇数になる靴の場合、この段階で靴紐の両端の長さを揃えておくと、内踝側・外踝側に最終的に出てくる靴紐の長さが揃えやすくなります。
![パラレル1](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031229/p1.jpg)
パラレル1
![パラレル2](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031229/p2.jpg)
パラレル2
![パラレル3](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031230/p3.jpg)
パラレル3
![パラレル4](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031231/p4.jpg)
パラレル4
![パラレル5](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031232/p5.jpg)
パラレル5
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「パラレル」はどのようなスタイルにも無難にまとまる通し方です。 |
靴紐の通し方2:洗練された印象の「シングル」
次に、最も洗練されていると言われている紐の通し方、「シングル」を見てゆきましょう。鳩目の横列の間を靴紐が見た目に平行に行き交うのは「パラレル」と同じですが…… 違いは以下でご確認あれ!1:まず靴紐の一方の端を「A内」に下通しし、それをいきなり「E外」に上通しします。
![シングル1](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031233/s1.jpg)
シングル1
![シングル2](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031233/s2.jpg)
シングル2
![シングル3](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031234/s3.jpg)
シングル3
![シングル4](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031235/s4.jpg)
シングル4
![シングル5](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031235/s5.jpg)
シングル5
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「シングル」は見た目が良いので、内羽根式のキャップトウのようなフォーマル度の高い靴に向いた通し方です。 |
靴紐の通し方3:緩みにくい「オーヴァーラップ」
次にご紹介するのは、「オーヴァーラップ」という紐の通し方です。つま先から見て、靴紐がV字状に並ぶのが特徴です。一番足首寄りの鳩目以外は「下通し」ばかり、すなわち上から下に靴紐がかぶさるので「オーヴァー」なわけです。1:まず靴紐の一方の端を「A内」に下通しし、もう一方の端を「A外」に下通しします。
![オーヴァーラップ1](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031239/o1.jpg)
オーヴァーラップ1
![オーヴァーラップ2](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031239/o2.jpg)
オーヴァーラップ2
![オーヴァーラップ3](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031240/o3.jpg)
オーヴァーラップ3
![オーヴァーラップ4](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031240/o4.jpg)
オーヴァーラップ4
![オーヴァーラップ5](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031241/o5.jpg)
オーヴァーラップ5
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「オーヴァーラップ」はその長所から、ドレスシューズ以上にスポーツシューズで皆さんお馴染みの通し方でしょう。 |
靴紐の通し方4:フィット感最重視「アンダーラップ」
最後にご紹介するのは、「アンダーラップ」という紐の通し方です。つま先から見て、靴紐がΛ字状に並ぶのが特徴です。原則全ての鳩目で「上通し」ばかり、すなわち下から上に靴紐がすくい上げられるので「アンダー」なわけです。1:まず靴紐の一方の端を「A内」に上通しし、もう一方の端を「A外」に上通しします(ただしどちらも「下通し」する方法も、あります)。
![アンダーラップ1](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031242/u1.jpg)
アンダーラップ1
![アンダーラップ2](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031242/u2.jpg)
アンダーラップ2
![アンダーラップ3](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031243/u3.jpg)
アンダーラップ3
![アンダーラップ4](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031243/u4.jpg)
アンダーラップ4
![アンダーラップ5](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/9/6/7/9/4/201912031244/u5.jpg)
アンダーラップ5
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「アンダーラップ」は、例えばブーツのような足首まで靴紐で固定できる靴との相性も良い通し方です。 |
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