法人が不動産を売却したときの税金は?計算方法や注意点を解説

不動産売却を行う場合、個人と法人ではなにか異なる点があるのでしょうか。個人での売却については不動産会社との媒介契約を基本として売却活動を行います。その上で売却によって生じた利益に税金が課税されるのが通常です。
この記事ではとくに法人が不動産を売却した場合にかかる税金について解説します。計算方法や注意点についても解説しますので参考にしてください。

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法人の不動産売却にかかる税金

法人が不動産を売却した場合にかかる税金は大きくわけて4種類あります。法人税・法人住民税・法人事業税・建物にかかる消費税です。個人で売却した場合にはかからない税金がほとんどになります。それぞれの税金の特徴について詳しく解説しておきましょう。

法人税 

まず必要となるのが法人税です。法人税は所有している不動産が取得したときの費用よりも高く売れた場合に生じる利益に対して課税されます。個人の場合は分離課税と呼ばれ、ほかの所得とは分離して課税されますが、法人の場合は分離課税の対象にはならない点が注意点です。
つまりほかの利益と合計した金額に対して法人税が課税されるということになります。法人税の特徴は個人の所得税のような累進税率ではない点です。そのため大きな利益が出たとしてもそれに乗じて税金額が大きくなるということはありません。
法人税の税率は資本金ごとで異なります。具体的には次のとおりです。

資本金課税所得額開始事業年度
2016年4月1日以降2018年4月1日以降2019年4月1日以降
1億円以下年間800万円まで15%15%15%
19%(適用除外事業者)
年間800万円以上23.4%23.2%23.2%
上記以外の普通法人23.4%23.2%23.2%

法人住民税

法人住民税は法人市民税と呼ばれることも多くある地方税です。法人税の税割と均等割の合計金額で算出されます。つまり次のとおりです。
法人住民税=法人税割+均等割
法人が不動産を売却して法人税の額と課税標準額が増額された場合には法人住民税も同様に増えていく点には注意が必要です。法人税割は次のように算出します。
法人税割=課税標準額×住民税率
均等割については資本金など法人が持つ条件によって決定されるためそれぞれの法人で異なる点が特徴です。法人住民税については法人を構えている都道府県によって異なります。そのため各自治体のホームページなどで確認してみましょう。
たとえば東京23区内のみに法人を構えている場合には都民税となりますが、それ以外は例外となり都道府県民税や市町村民税となります。

法人事業税

法人全体の利益が関係してくるのが法人事業税です。法人全体の利益に不動産売却で生じた利益を合算することで税額が決定されます。たとえば不動産で利益があっても事業で損失があった場合などは計算が異なるということです。
損失があまりに大きく事業が赤字になった場合、税金を払わなくてよいかというとそれはありません。当然納税する必要がありますが、翌年に法人税の還付が可能になる場合もあるためよく確認しておくことがおすすめです。

建物にかかる消費税

法人が不動産を売却する場合には消費税が課税される点が注意点となります。個人で不動産を売却しても消費税は課税されません。ここで知っておきたいのは消費税が課税されるのは建物のみであるという点です。
つまり法人でも土地を売却した場合には消費税が課税されないということになります。土地の場合は権利を移転したと考えられることから非課税となるのです。
ではもしも土地と建物をまとめて売却した場合はどうなるのでしょうか。この場合には土地価格と建物価格を分離して考えなくてはなりません。分離の方法としてよく用いられるのが固定資産税評価額です。固定資産税評価額の割合を算出してから不動産の土地建物の総額に建物の割合を当てはめることで税額を計算します。

法人の不動産売却にかかる税金の計算方法

法人が不動産を売却した場合にかかる税金の種類について解説しました。では具体的に自分が所有している不動産を売却した場合にはどの程度の税金が課税されるのかが気になるところでしょう。
ここからは法人が不動産を売却した場合にかかる税金の計算方法について解説します。

法人税の場合

法人税を計算してみましょう。法人税の算出方法は次のとおりです。
法人税額=課税所得×法人税率-控除額
法人税はそもそも法人の所得に対して課税されるものです。法人の利益については利益から損失を差し引いて計算することができます。ここで算出された所得に税率を乗じたうえで控除額があればそれを差し引いて算出されたものが法人税ということです。
法人税の税率については法人の規模によって異なります。具体的には次のとおりです。

法人の規模年間所得800万円以下年間所得800万円超
普通法人19%または15%23.2%
協同組合など19%または15%19%
公益法人など(収益事業あり)19%または15%19%
人格のない社団法人(収益事業あり)19%または15%23.2%

重課税について

法人が土地の売却を行った場合で注意したい点がひとつあります。それが重課税です。土地の売却では消費税はかからないという点は説明しました。消費税はかかりませんが法人税はかかります。さらにこれとは別に土地の譲渡にかかる税金が重課税です。
重課税は法人がどの程度の期間にわたって土地を所有していたかによって税額が変動します。たとえば取得した日の翌日から売却した年の1月1日までが5年以下なら短期譲渡です。これが5年を超える場合には長期譲渡になると覚えておきましょう。
短期譲渡の場合では税率が5%、長期譲渡の場合では税率が10%になります。つまり5年を境にして税率が一気に跳ね上がるため境目にある場合は早めの売却を行ったほうがよいでしょう。

法人住民税の場合

法人住民税はすでに解説したとおり、不動産がある地域によって税率が変動します。法人とはいえ自治体からの公的なサービスを受けているのは個人と変わりないと考えるのが通常です。そのため法人があるエリアの自治体に対して納税の義務が発生するということになります。
法人住民税は次の方法で算出します。
法人住民税=法人税割+均等割
エリアで税率が異なるため法人が属している自治体のホームページなどを確認しておきましょう。もしも法人が東京23区内にある場合は都民税になる点は理解しておく必要があります。

法人の不動産売却の節税対策

法人が不動産を売却して利益が生じた場合には税金が課税されることは理解できたでしょう。ではここからは節税対策について解説します。
法人とはいえ、できるだけ税額を減らしたいのは個人と同じでしょう。法人としてできる節税対策について解説しますので参考にしてください。

新しい不動産を購入する

法人は不動産の減価償却を利用することが可能です。これを利用して利益を減らして減税するという方法があります。具体的には新しい不動産を購入する方法です。
新しく購入した不動産の減価償却を計上することで利益を減らすことが可能になります。これは個人ではできない方法です。なぜなら個人は分離課税の対象になるからです。
その点で法人は分離課税がない代わりにすべての所得の損益が合算できるという点が特徴になります。そのため減価償却を利用すれば利益を減らすことができるのです。
減価償却を利用するときのポイントは建物の構造にあります。耐用年数が少ない木造建築や鉄骨建築のほうがより節税効果が高い点は理解しておくとよいでしょう。

不動産売却の利益を他の所得に分散させる

この方法も個人ではできない節税方法です。すべての損益を合算するという点を利用して、不動産売却で出た利益を役員の退職金として支給することで節税につなげます。
たとえば、退職をひかえている役員の退職にあわせて不動産を売却するということにすれば節税することが可能です。
退職金として報酬を受け取る側は所得に対して税金を支払う必要があります。ただこの方法を利用することで退職金の税金も節税可能です。具体的には次のような計算で税額を算出しましょう。
(退職金-退職所得控除)×1/2=退職金の金額
退職所得控除については次のように計算します。
8,000,000円-700,000円×(勤続年数-20年)=控除額
このようにかなりの控除を受けることができるため退職金を受け取る側にもメリットがあるといえるでしょう。

経費を下げることを意識する

不動産の売却では経費について着目することも大切です。とくに法人の不動産売却は個人と比較しても規模が大きいことが多いでしょう。そのため動くお金も大きくなります。ここで慎重に考えたいのは高額で売却するための施策ももちろんですが、経費を下げるという点です。
不動産の売却で大きな経費は仲介手数料があげられます。優良な不動産会社と契約することで仲介手数料を抑えることができるでしょう。信頼できる不動産会社を選ぶことができれば法人の収益額も大きく変わります。
不動産会社は全国に多数ありますが、そのなかでも法人の不動産売却が得意な会社を選ぶことがポイントです。とはいえ自分たちでこうした不動産会社を探すことは困難なケースが多いでしょう。
そこでおすすめなのが不動産の一括査定です。すまいステップでは不動産の無料一括査定を行っています。一括査定のメリットは一度に複数の不動産会社に査定を依頼できる点です。すまいステップでは独自の基準を設けており優良な不動産会社とのみ提携しています。
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複数の不動産会社に査定を依頼するメリットは所有している不動産の相場を把握することが可能な点です。相場を把握しておくことで高額で不動産を売却することができる可能性が高くなります。一括査定は無料で利用できるため気軽に利用してみましょう。

法人の不動産売却にかかる税金の注意点

法人で不動産を売却する場合には多額の税金がかかる可能性があります。そのため税金に関しては事前によく理解しておくことが大切です。ここからは法人の不動産の売却にかかる税金の注意点について解説します。

低額譲渡の税金は時価で算出される

法人が不動産を低額で譲渡した場合の税金はすべて時価で算出される点は注意点です。時価とは不動産鑑定士の評価額や取引価格、公示価格比準倍率方式による価格が対象となります。
低額譲渡の場合、時価との差額分が譲渡される側の贈与になる点も注意点です。この差額については損金算入限度額に当たります。この範囲内は損金算入することが可能になります。課税所得の計算方法は次のとおりです。
課税所得=固定資産売却益-寄付金損金算入限度額

買主か売主が法人の場合は贈与が適用されない

不動産を売却して得た利益は所得として扱われるため課税の対象となります。不動産を売却した場合には売却した価格から取得費や経費を差し引いて売却益を算出するのが一般的です。この場合は当然、売却した本人に税金が課税されます。
これが法人の場合は、買主または売主が法人である場合は贈与が適用されず、みなし譲渡所得が発生する点に注意が必要です。たとえば個人が法人に対して不動産を寄付したとします。この場合には寄付ではなく時価で譲渡したとし譲渡代金を寄付したとみなされるのです。
寄付だけでなく低額譲渡の場合でもみなし譲渡所得が発生します。低額譲渡は時価の半分以下の価格で不動産を売却することです。
たとえば時価30,000,000円の不動産を法人に寄付したとします。この場合、寄付した人に対して以下の税金が課税されることになるのです。
30,000,000円-30,000,000円×5%(取得費不明のため)=20,000,000円
長期譲渡所得と考えて税率を20%で計算します。
20,000,000円×2%=4,000,000円
つまり寄付した人に4,000,000円の税金が課税されるというです。

法人の不動産売却にかかる税金に関するQ&A

法人の不動産売却は個人での売却と比較して複雑なところが多くあります。とくに税金関係についてはしっかりと理解しておかないと損をしてしまうこともあるでしょう。そこでここからは法人が不動産を売却する際にかかる税金に関するよくある疑問点について解説します。
よく理解しておくことで節税対策にもなるため参考にしてください。

経費の考え方は?

不動産の売却で得た売却益を計算するためには経費を算出する必要があります。個人の場合は不動産の売却にかかった費用が経費となります。たとえば仲介手数料や諸手続きにかかった費用などを経費に計上することが可能です。
では法人が不動産を売却した場合の経費はどうなるのでしょうか。基本的には個人の場合と同様で仲介手数料や印紙税などが経費の対象となります。法人の経費として注目したいのが売却する不動産の経費としての価値です。
売却する不動産の経費としての価値とは、売却した時点での帳簿価額を指します。帳簿価額は土地と建物で異なる点にも注目です。造成があった場合は少し異なりますが、土地の場合は基本的に取得価額が帳簿価額となります。
建物については経年劣化があるため減価償却するのが一般的です。取得価額から売却するまでの減価償却の累計額を差し引いた額が建物の帳簿価額となります。
もうひとつ注目しておきたいのは、法人の税額計算です。法人ではすべての収益と経費を合算することが可能となっています。個人は分離課税であるためこれができません。法人の場合は、すべての収益から経費を差し引いた額を利益として考えることができるということです。

不動産売却日はいつになる?

個人で不動産を売却した場合には、不動産を引き渡した日が不動産売却日になります。この点について法人は少し異なる考え方をする点を理解しておきましょう。
本来は個人と同様に不動産の引き渡し日が売却日または譲渡日と定義されています。ただし例外として法人の場合は不動産の契約を交わした日を売却日とすることも可能です。
不動産売却では、契約書を作成してから頭金や中間金などの支払いが行われます。そして最終金の支払いを行う日に同時に不動産が引き渡されるようになります。法人の場合は契約書を作成した日または最終金の支払いが行われた日のいずれか不動産売却日とすることが可能です。
どちらを選択するかで事業年度が変わるというケースもあるでしょう。こうした場合には収益や税金の計算に大きく影響してくるためよく考えて選択する必要があります。
ただし土地の売却に関しては次のタイミングで早い日にちを選択すると決められているため注意が必要です。

  • 土地価格の50%を収受した日
  • 所有権移転登記の申請日

減価償却の経費は?

減価償却とは固定資産を取得した原価を耐用年数に応じて分割して会計処理を行うことを指します。不動産では建物に関して減価償却の対象となります。ただし個人と法人では減価償却の対象金額が異なるため注意が必要です。
法人では年間の減価償却費内であれば自由に経費を決定することができます。減価償却の方法には定率法と定額法の2パターンがあるためどちらを利用するかもよく考えておく必要があるでしょう。定率法は、最初の年度の償却率を高くして後半にかけて償却率を減らしていく方法です。
このパターンは資産を早く償却できるというメリットがあり初年度の節税効果が高いという点でも注目しておきたい方法です。
もうひとつの定額法は文字どおり初年度から最後の年度まで一律で償却していくパターンになります。一律であるためシンプルでわかりやすいという点が特徴です。
法人が不動産を売却した場合には、売却した年に減価償却費と資産を仕訳する必要があります。借方勘定科目には減価償却費、借方科目に算出した減価償却費を記入します。
法人の場合は法人税の計算にも減価償却費が関わります。損金に算入されるため減価償却をうまく利用することで節税対策にもなる点はよく理解しておきましょう。  

法人の不動産売却にかかる税金のことを理解しておこう

法人の不動産売却は個人と同様に利益が出れば課税の対象となります。ただし、個人とでは少し異なる点もあるためよく仕組みを理解しておくことが大切です。
法人にしか課税されない税金も多数あります。法人税・法人住民税・法人事業税・建物にかかる消費税についてはとくによく理解しておきましょう。これらの基本的な税金について理解しておくことが節税対策を成功させるコツでもあります。
またもうひとつのポイントとしてあげられるのが優良な不動産会社の利用です。売却の際によい不動産会社を利用することで損をすることなく不動産を手放すことができるでしょう。
優良な不動産会社をみつける方法としておすすめなのが不動産の無料一括査定です。一度に複数の不動産会社に査定を依頼することで所有する不動産の相場を把握することができます。不動産相場を把握しておけば売り出し価格の決定で失敗することもありません。
すまいステップはとくに全国の優良な不動産会社と提携しているため安心して利用することができます。法人の不動産売却を得意とする不動産会社をみつけたいならすまいステップを利用してみましょう。

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