不動産鑑定とはなにか?かかる費用や依頼が必要な場面まで解説

不動産の価値を知る方法としては、不動産鑑定というサービスがあります。不動産鑑定には費用がかかりますが、鑑定によってわかった不動産価値はさまざまなシーンで利用できます。
どのようなときに不動産鑑定が必要なのか、また不動産鑑定が不要となる場面はなにかなどを知り、利用すべきかどうかの判断に役立てましょう。

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不動産鑑定とは法律に基づいた価値の評価

法律で定められた不動産評価基準をもとに、不動産鑑定士が価値を評価することが不動産鑑定です。不動産鑑定は不動産鑑定士のみが行える独占業務です。
国家資格を持った不動産鑑定士が、対象となる不動産の詳細な状態や価値を調べます。不動産鑑定士による鑑定は有料であるため、鑑定事務所が設定する料金に従って、支払いが必要です。

不動産鑑定の3種類の費用体系

不動産鑑定で発生する費用体系には、3つの種類があります。

  • 法律を元に決まる報酬基準型
  • 費用の基準がない積み上げ型
  • かかる費用の不安がなくなる定額型

どの費用体系を採用しているかは、鑑定事務所によって異なります。それぞれの特徴を把握して、不動産鑑定ではどのように料金が決まるのかを知っておきましょう。

法律を元に決まる報酬基準型

不動産鑑定による報酬は、国土交通省が「基本鑑定報酬額表」に定めています。報酬基準型を採用している鑑定事務所なら、この基本鑑定報酬額表の内容に従って、費用が決定します。
この表は、「宅地または建物の所有権」、「宅地見込み地の所有権」など、さまざまな類型が記されており、類型ごとの評価額に対応する基本報酬額が決められている点が特徴です。
そのため、鑑定を受ける不動産の類型や評価額がわかっていると、表に当てはめて計算し、費用がどの程度になるのか事前に把握しやすい費用体系といえます。

費用の基準がない積み上げ型

費用に関する決定した基準がなく、作業量や日数に応じて費用が上がっていく方式が、積み上げ型です。積み上げ型は作業量が少ないほど費用は安く、多いほど高くなります。
そのため、鑑定が速やかに終わる場合は安価で済みますが、予想以上に長引いたり、多くの作業が必要だったりすると、高額になってしまうこともあります。
広くて複雑な形状をした土地や権利関係が複雑な不動産などは、鑑定作業に時間がかかることも多く、積み上げ型だと費用が高額になりやすいため注意が必要です。

かかる費用の不安がなくなる定額型

定額型は不動産鑑定事務所が、作業内容や鑑定する不動産などに関係なく、一律の料金を提示したものです。どのような鑑定でも費用は定額となるため、利用者にとっては安心して鑑定を受けやすいでしょう。
しかし、鑑定側に損となることも多く、定額型の費用体系を採用している鑑定事務所は非常に少ないため、見つけるのは難しいです。

不動産鑑定が役立つ3つの場面

不動産鑑定が役に立つシーンとしては、次の3つの場面があげられます。

  • 遺産分割の調停を進めるための資料
  • 不動産を相続するときの節税
  • 両者が納得できる離婚の財産分与

不動産鑑定を受けておくとどのように役立つのかを知り、不動産鑑定の役割を把握していきましょう。

遺産分割の調停を進めるための資料

遺産分割の調停を進めるためには、相続する遺産の総額を正しく把握する必要があります。遺産総額を洗い出した上で、相続人それぞれにいくらずつ振り分けるかを決定します。
このとき不動産は明確な価値がわかりづらく、分割時に困ることもありますが、不動産鑑定の結果があると、鑑定結果に表示された価格をもとに分割協議を進められる点が魅力です。
不動産鑑定の結果は公的な書類としての効力を持ち、価値を証明する証拠書類として調停でも用いることができます。鑑定結果があることで遺産分割が進めやすくなり、相続時のトラブルを回避しやすくなります。

不動産を相続するときの節税

不動産鑑定の結果があると、相続するときに節税ができることがあります。相続時には不動産の価値を算出し、相続税額を計算します。不動産は評価額によって相続税を計算しますが、時価よりも鑑定結果のほうが評価額が低く表示されることが多いです。
つまり、相続する遺産総額が少ないことになり、課税対象となる資産が減額されます。相続税は相続によって取得する金額によって税率が変動するため、取得額が減ったほうが節税ができます。

課税される遺産総額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

課税対象額次第で税率は大きく違ってくるため、不動産鑑定結果を用いて不動産評価額を減らし、節税対策をすることは大切です。

両者が納得できる離婚の財産分与

離婚で財産分与をする際にも、不動産鑑定の結果が役に立ちます。財産分与で不動産の価格や分与についてもめた場合は、不動産鑑定結果を公的な証明として価格を主張できます。
不動産鑑定結果は裁判でも使える有効な資料であり、決定した価格を提示できることで公平に財産を分与しやすくなるでしょう。

不動産鑑定による土地や建物の評価方法

不動産鑑定で土地や建物を評価する方法は、次の3つがあります。

  • 似た不動産の売買を使う取引事例比較法
  • 2種類の方法を使い分ける収益還元法
  • 再建築のコストを使う原価法

方法によって計算式や特徴は異なります。不動産の特徴によって用いられる評価方法が異なるため、それぞれの違いを知っていきましょう。

似た不動産の売買を使う取引事例比較法

鑑定対象の不動産と、似た不動産の売買事例を参考に、評価額を決定する方法が取引事例比較法です。主に住宅地で用いられる評価方法であり、似た条件の取引が多いエリアほど、評価の精度は上がります。取引事例比較法で評価する場合の計算式は、次の通りです。

  • 取引事例の価格×事情補正×時点修正×標準化補正×地域要因比較×個別要因比較

評価方法について理解を深めるためにも、上記の式の用語の意味を知っておきましょう。

用語意味
取引事例の価格評価時に使用した過去の取引事例での不動産価格
事情補正所有者が不動産を手放した特別な事情を考慮したもの
時点修正売却当時の価値に修正するもの
標準化補正取引事例を標準化し補正するもの
地域要因比較地域差による要因を考慮したもの
個別要因比較不動産の個別の差を考慮したもの

取引事例比較法は都心部で用いられることが多く、不動産取引の数が少ない地方部だと、比較による評価が難しいことから別の評価方法が用いられる場合があります。

2種類の方法を使い分ける収益還元法

投資物件など、収益化が可能な不動産の場合は、収益還元法によって評価します。収益還元法には直接還元法とDCF法の2つがあり、それぞれで評価方法は異なります。
直接還元法での評価の計算式は、次の通りです。

  • 一定期間の純利益÷還元利回り×100

純利益は1年間で得られる利益から不動産の維持費など、費用を差し引いたものです。これを還元利回りで割り、100をかけると評価額が計算できます。
将来的な収益の増減を考慮して評価する場合は、DCF法によって計算します。

  • 毎年の純利益を現在の価値にした合計+将来の売却価格の現在の価値

不動産の将来的な価値など、流動性の高い指標をもとに計算するため、評価の方法は複雑です。個人では難しい計算ですが、不動産鑑定士なら正確に行ってくれます。

将来性も考慮して計算するため、自身で査定額を算出するのは難しく、基本的には不動産会社に一任して査定をしてもらうことがおすすめです。

再建築のコストを使う原価法

建物の評価をする際には、その建物を再建築した場合のコストを考える、原価法を用います。原価法の計算式は、次の通りです。

  • 再調達価格×延床面積×減価修正(残耐用年数÷耐用年数)

再調達価格とは、建物を取り壊し、現在再建築する場合にかかる費用です。建物は経年劣化によって老朽化が進み、資産価値は少しずつ減少します。
この減少分を計算時の考慮に入れるために、減価修正を行います。減価修正は建物構造別の耐用年数を迎えるまでの残り期間を、耐用年数で割って計算します。
土地は経年劣化がなく、時間の経過による資産価値の減少がないため、原価法で評価することはありません。原価法は建物部分に用いられる評価方法であり、土地と建物の両方を評価する場合には、それぞれで別の評価方法が用いられることもあります。

不動産鑑定を利用する流れ

実際に不動産鑑定を受けるためにも、利用までの流れを確認しておきましょう。

  1. 実績や得意分野で不動産鑑定士を選ぶ
  2. 必要な書類をそろえて不動産鑑定の依頼
  3. 不動産の鑑定結果の受け取り

流れを知り、事前に準備をしておくことでスムーズに不動産鑑定を受けられます。

実績や得意分野で不動産鑑定士を選ぶ

不動産鑑定士を選ぶ際は、実績や得意分野をチェックしておきましょう。不動産鑑定士を選ぶポイントとしては、次のものがあげられます。

  • 不動産鑑定の実績が豊富か
  • 実務経験5年以上など経験が豊富か
  • 鑑定依頼をする不動産の鑑定を得意としているか
  • 料金の説明が丁寧に行われているか

不動産鑑定は高額な費用がかかることもあるため、正確な作業をしてもらうには実績や経験が豊富な人を選ぶことが大切です。また、鑑定士によって得意分野は異なるため、鑑定してもらいたい不動産と鑑定士の得意分野が適合しているかも確認しておいましょう。
同じ不動産を鑑定してもらう場合でも、依頼数や鑑定事務所によって費用は異なります。そのため、料金の説明は必ず受け、丁寧に説明してくれるかどうかで信頼度を判断しましょう。お得に鑑定を受けたいなら、複数社から見積もりを取り、各社で比較してから依頼先を決めることがおすすめです。

必要な書類をそろえて不動産鑑定の依頼

不動産鑑定を依頼するには、事前に書類を用意しておく必要があります。不動産鑑定に必要な書類は、次の通りです。

書類名取得場所
不動産鑑定評価業務依頼書鑑定事務所のホームページなどで取得
固定資産税納税通知書毎年送付される
登記事項証明書法務局で取得
住宅地図地図会社に依頼して取得
公図法務局で取得
地積測量図法務局、または土地家屋調査士や測量士に依頼して取得
建物図面・各階平面図法務局で取得
道路台帳鑑定事務所が用意する
上水道配管図鑑定事務所が用意する
公共下水道台帳鑑定事務所が用意する
ガス配管図鑑定事務所が用意する

書類は不備がないようにそろえておき、スムーズに鑑定を受けられるようにしましょう。

不動産の鑑定結果の受け取り

不動産鑑定を申し込み、鑑定が実施された後は、後日結果の受け取りとなります。不動産鑑定には時間がかかり、数週間程度かかることも多いです。鑑定時には細かい調査が必要となるため、鑑定に時間がかかり、結果の受け取りまでも期間を要すると考えましょう。

不動産鑑定を利用する時の注意点

不動産鑑定を利用する際には、注意したいポイントがいくつかあります。

  • 法的な根拠が必要ないなら無料の不動産査定を利用
  • 1年以上前の不動産鑑定結果は参考にしない
  • 簡易鑑定では証拠能力が不十分

注意点を正しく把握して、不動産鑑定を上手に利用しましょう。

法的な根拠が必要ないなら無料の不動産査定を利用

不動産の価値について法的な根拠を持って証明する必要がないなら、不動産鑑定は不要です。不動産売却のために価値を知るだけなら、無料で受けられる不動産会社による査定がおすすめです。
不動産売却のためだけに鑑定士に依頼するのは費用がかかりすぎてもったいないため、余計なコストはかけないようにしましょう。不動産売却を検討しているなら、一括査定サイトのすまいステップがおすすめです。
すまいステップはネット上で査定を申し込むことができ、一度の登録で複数社から査定を受けられます。効率的に査定を受けられ、各社が提示する条件を比較できるため、優良な不動産会社を見つけるためにも役立つでしょう。

1年以上前の不動産鑑定結果は参考にしない

不動産の価値は流動的なものであるため、鑑定を受けていても1年以上前の結果なら参考にしないようにしましょう。不動産鑑定の結果に明確な有効期限はないものの、信頼できるのは大体3ヶ月以内のものです。
3ヶ月を超え、1年以内の場合は、不動産鑑定士に評価額の補正を依頼することで、その時点での評価額を再度計算してくれます。もし1年以上経過しているなら、再度鑑定を受け直したほうがよいでしょう。

簡易鑑定では証拠能力が不十分

不動産鑑定には、より簡単に鑑定を行う簡易鑑定というものがあります。簡易鑑定は作業の手間が少なくなることから費用は安く、報告される鑑定結果も簡易的なものになります。安価で利用できるサービスですが、簡易鑑定で表示される結果は、証拠能力が不十分で裁判などの公的な場では使用できません。
自分の資料用に使うなら問題はありませんが、公的な場での使用を考えているなら、きちんとした査定を受けましょう。単に不動産の価値を知りたいだけなら、費用をかけて簡易鑑定を受けずに、不動産会社に依頼して無料で不動産査定を受けることがおすすめです。

不動産鑑定は費用がかかるため必要性を吟味してから依頼しよう

不動産鑑定は10~30万円程度の費用がかかり、コストは高額です。そのため、不動産鑑定士による鑑定結果が本当に必要かどうかを吟味して、鑑定を依頼することが大切です。
シーンによっては有料の鑑定結果ではなく、不動産会社による無料査定で問題ないこともあります。余計な出費を出さないためにも、鑑定が必要な場面を正しく把握し、賢く不動産鑑定を利用しましょう。

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