借地権付き建物とは?メリットデメリットや注意点まで解説

不動産に関する権利はさまざまなものがあり、借地権はその1つです。家によっては土地と建物の所有権を所有者が持っている場合だけではなく、建物の所有権のみ所有者が持ち、土地の権利は借地権というケースもあります。
借地権付きの建物は、土地と建物の所有権がセットになっている場合とは異なる特徴があります。借地権付き建物の特徴を知り、所有し続けるか売却すべきかの判断に役立てましょう。

リナビス
リナビス

あなたの家の適正価格が分かる
【完全無料】一括査定

リナビス
step1
リナビス
step2
リナビス
step3
リナビス
step4

借地権とは

そもそも借地権とはなにか、基本的な理解から深めておくことが大切です。借地権は土地に関する権利であり、大きく次の2つにわけられます。

  • 地上権
  • 賃借権

権利について知っておくことで、借地権付きの建物がどのような特徴を持つのかが理解しやすくなります。

地上権

借地権のうち、地上権とは土地の所有ができる権利を指します。地上権を得るには地代の支払いが必要ですが、所有権を持つことになるため、売却や転貸が行えます。借地権でも地上権を持っている場合は、土地の扱いについての自由度が高いと考えましょう。

賃借権

賃借権は土地を貸してもらう権利であり、土地を借りてその上に建物を建築できます。家を建てるだけではなく、収益物件を建てることも可能です。
ただし、賃借権は債権とされており、土地の所有者に賃料を支払わなければなりません。また、あくまで土地を借りているだけであるため、土地の売却や転貸などはできないことも特徴です。

3つの借地権の特徴

借地権には3つの特徴があります。

  • 旧借地権
  • 普通借地権
  • 定期借地権

それぞれの特徴の違いを知り、借地権についてさらに理解を深めていきましょう。

旧借地権

建物の構造によって契約の残存期間や、更新後の契約期間が異なることが、旧借地権の特徴です。

建物構造契約の存続期間最低期間更新後の契約期間
木造30年20年20年
鉄筋造60年30年30年
鉄筋コンクリート造60年30年30年

旧借地権は1992年の8月1日以前に借りた土地に適用されます。そのため、両親や祖父母から相続した借地権付きの建物の場合は、旧借地権が適用されていることもあります。旧借地権では契約の更新が可能であり、更新し続けることで半永久的に借りることが可能です。

普通借地権

1992年の8月1日以降に借りた土地は、普通借地権が設定されます。旧借地権とは違い、建物構造によって契約期間が変動することはありません。契約の存続期間は30年であり、契約更新後の期間は20年です。
2回目以降の更新では、契約期間が10年となり、地主からの合意が得られると更新を続け、半永久的に土地を使用できます。旧借地権との大きな違いは契約期間が短くなったことであり、地主が土地を取り戻しやすいことが、普通借地権の特徴です。

定期借地権

借地権の中でも、契約更新がないことが定期借地権の特徴です。

定期借地権の種類契約の存続期間
一般定期借地権50年以上
事業用定期借地権
  • 10年以上50年未満
  • 2007年12月31日までの契約は10年以上20年未満
建物譲渡特約付借地権30年以上
一時使用目的の借地権10年以下

定期借地権の場合は、契約満了のタイミングで土地を更地にし、地主に返還することが一般的です。ただし、建物譲渡の特約がついた定期借地権は、契約満了時に建物を地主が買い取るため、更地にする必要はありません。
居住用の建物に用いられるのは一般定期借地権か建物譲渡特約付借地権であり、事業用定期借地権は利用できません。事業用定期借地権は事業目的で使用する建物の場合に、一時使用目的の借地権はプレハブなどの一時利用の場合に用いられる借地権です。
契約の更新がなく、更地にして地主に土地を返還することが定期借地権の大きな特徴です。ただし、契約満了後も地主の合意を得ることで、別の借地権で契約をやり直して、継続して住み続けられる場合もあります。

借地権付き建物のメリット

借地権付きの建物には、さまざまなメリットがあります。

  • 価格が安い
  • 土地の固定資産税の支払いがない
  • 半永久的に借りることができる

土地を購入する場合と比較して、どのようなメリットがあるのかを知っておきましょう。

価格が安い

土地を買う場合と比べると、借地権の購入のほうが価格が安いです。地主によって価格設定は異なりますが、土地購入と比較すると約60~80%程度の金額で借地権は購入できます。
そのため、資金が少なくてもマイホームを取得しやすくなり、金銭的なハードルは下がります。予算が少なくても好立地の物件を探しやすくなる点も、借地権付き建物の大きな魅力です。

土地の固定資産税の支払いがない

借地権付きの建物だと、土地の税金は地主が支払います。そのため、家を建てても土地部分の税金は負担がなく、地主が固定資産税や都市計画税などを支払うため、税負担は少なくなります。
住んでいる人が支払うのは、建物部分にかかる固定資産税や都市計画税、購入時の不動産取得税などです。毎年支払う固定資産税などが建物のみになるため、節税ができる点は大きなメリットです。

半永久的に借りることができる

定期借地権以外での契約なら、契約の更新によって半永久的に土地を借りることができます。更新の破棄には正当な事由が必要であり、次の通りです。

  • 建物を長期間利用していない
  • 建物の老朽化が著しい
  • 損壊や倒壊による危険性があり周囲に被害が及ぶリスクがある
  • 契約の違反行為がある

上記の事由に該当しない限り、基本的には半永久的に土地を借りることができます。

借地権付き建物のデメリット

さまざまなメリットがある借地権付きの建物ですが、デメリットもあることは忘れてはいけません。

  • 地代を毎月支払う
  • 建物を建てる時ローンが借りられないことがある
  • リフォームや建て替えは地主の承諾が必要
  • 売却する際も地主の承諾が必要

デメリットも正しく理解して、借地権付きの建物を所有し続けることが損失にならないかを考えてみましょう。

地代を毎月支払う

借地権契約では土地を借りている状態であるため、毎月地主に地代を支払う必要があります。地代は常に固定されているわけではなく、一定期間で見直されることもあります。
地代の見直しによって金額が上がった場合は支払いの負担が増え、年間のコストが増大する点はデメリットです。

建物を建てる時ローンが借りられないことがある

借地権で土地を借りた場合は、建物を建てる際に住宅ローンを利用できない場合があります。住宅ローンでは土地と建物の両方を担保とすることが一般的です。そのため、建物のみの担保では審査が厳しくなりやすく、ローンが利用できないことがあります。
ただし、職業や年収、貯金額や頭金に入れられる金額次第では、融資を受けられることもあります。住宅ローンは絶対に利用できないわけではありませんが、土地と建物セットで購入する場合よりは、ハードルが高くなると考えましょう。

リフォームや建て替えは地主の承諾が必要

土地を借りてからのリフォームや建て替えには、地主の承諾が必要です。承諾なしで勝手に行うと、契約違反となって契約解除になる可能性もあるため注意が必要です。
契約時に増改築禁止の特約が組まれている場合は、地主の承諾が必須となるため、契約内容は詳細まで確認しておきましょう。また、特約が組まれていない場合でも、自由にリフォームや建て替えができるのは、最初の契約残存期間のみです。更新後は特約がなくても承諾が必要となることも覚えておかなければなりません。

売却する際も地主の承諾が必要

借地権付きの建物は、借地権と建物の売却のどちらの場合でも、地主からの承諾が必要です。それぞれ無断で売却すると違反となり、契約解除となる可能性があるため注意しましょう。
また、許可を得る際には譲渡承諾料を支払わなければならないこともあります。譲渡承諾料の金額は地主と相談して決めますが、借地権価格の10%程度を支払うことが一般的です。

借地権付き建物を売却する方法

借地権付きの建物を売却する選択肢としては、次の3つがあげられます。

  • 地主に売却
  • 第三者に売却
  • 等価交換をして売却

売却を検討しているなら、どの方法が自分に合っているか、また実現可能かを考えておきましょう。

地主に売却

借地権付きの建物は、地主に売却することもできます。地主に売却するケースでは、建物と借地権をセットで売るか、建物を取り壊して借地権のみ売るかの2パターンとなります。
どちらの場合でも、地主からの合意が得られなければ、売却することはできません。売却価格の交渉は長引くことも多く、双方が合意できずに売却に至らないこともあります。また、建物を取り壊して借地権のみ売るパターンでは、建物の解体費用は売主が負担しなければなりません。

第三者に売却

地主からの許可を得ることで、地主以外の第三者に売却することも可能です。第三者の売却では、不動産会社による買取か、個人の買主に売却する2つの選択肢があります。
売却にあたっては譲渡承諾料の支払いが必要であり、借地権価格の10%を支払うとするなら、売主が売却によって得られる利益はおおよそ通常の不動産売却の9割となります。
少しでも高値で売却するには、複数社から査定を受け、より条件のよい不動産会社を探すことが大切です。不動産会社によって提示する査定額は異なるため、相場を正しく把握するためにも、最低3社を目安に査定を受けておきましょう。
一括査定サイトのすまいステップは、ネットで物件情報を登録すると、一度に複数社から査定を受けられます。効率的に査定結果を比較でき、好条件の不動産会社を見つけやすくなるため、おすすめのサービスです。

等価交換をして売却

地主に借地権を売り、等価交換として土地の一部をわけてもらい、その後売却するという方法もあります。等価交換によって土地の所有権を得ることで、わけてもらった一部の扱いについては地主の承諾を得る必要がありません。
そのため、個人で自由に売却ができ、地主への譲渡承諾料の支払いも不要です。ただし、等価交換で土地をわけてもらうには、地主の承諾が必要なだけではなく、分割できる程度に土地が広くなければなりません。
そもそも小さい土地では等価交換によって土地をわけてもらうことができず、所有権が得られないこともあります。

借地権付き建物に関するQ&A

借地権付きの建物の扱いには困ることも多く、土地と建物の所有権がセットではないため、さまざまな疑問を持つ人もいます。

  • 借地権は買取してもらえるのか 
  • 相続は可能?

Q&Aを参考にして疑問を解消し、借地権付き建物についての理解を、さらに深めていきましょう。

借地権は買取してもらえるのか

地主から合意を得ることで、借地権の買取をしてもらうことは可能です。買取の候補としては、地主自身だけではなく、不動産会社もあげられます。
条件交渉をし、地主が合意するなら買取は可能であり、借地権の移転登記を行うことで、権利が新たな借地権者に移動します。

相続は可能?

売却などの権利移動は地主の承諾が必要ですが、相続に関しては承諾は不要です。ただし、相続時には相続によって権利者が変わることを、地主に通知しておきましょう。相続によって借地権を取得した場合は、譲渡承諾料はもちろん、更新料や名義の書き換え料などもかかりません。
借地権だけではなく、その上にある建物も相続した場合は、建物部分についてのみ名義の変更が必要です。名義変更には登録免許税がかかり、これは相続した人が負担します。

借地権付き建物の特性をよく理解することでトラブルが減らせる

借地権付きの建物は、土地の所有権を地主が持っているため、土地の利用や売却などが複雑になり、トラブルに発展することもあります。借地権の特性を正しく理解しておくことで、トラブルなく土地を活用しやすくなります。
借地権付きの建物も、地主に許可を得ることで売却は可能です。特性を正しく理解した上で所有し続けるか売却するかを考え、トラブルのない方法で不動産の扱いを決めましょう。

【完全無料】うちの価格いくら?