「親と実家」のことまで考える。お金に困らないライフプランとは?

人生100年時代と言われる今、自分たちの暮らしを守るのは自分たち次第であることがより一層顕著となってきました。そのためにはまずしっかりとした「ライフプラン」を立てることが重要です。お金に困らないライフプランニングのコツを、FPとして活躍される佐藤益弘さんに教えてもらいました。

提供:大東建託株式会社

お話をうかがった方

佐藤 益弘

All About「不動産にまつわるお金」ガイド:佐藤 益弘

某メーカーの不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、CFP®資格(ファイナンシャル・プランナー)を取得。 2000年8月より独立系FPとして独立し、FP教育機関のスタッフとしても迎えられ、3つの独立系FP関連会社設立にも参画。 現在、顧客サイドに立った真の独立系FPのネットワーク確立のため、<優益FPオフィス>代表として活動し、直接、個人向けに情報提供や実行サポートを行っている。

少子高齢社会と言われ続けている現代社会

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まず、出生率の減少と高齢者の割合増加が社会的な事柄から一般家庭に与える影響まで、「少子高齢社会」はどんな問題があるのか。佐藤さんに聞きました。

佐藤さん(以下敬称略)「少子高齢化によって人口が減少していく社会は経済活動が停滞します。日本は、人口増加を前提とした助け合いをベースに社会保障制度を構築しています。特に年金については世代間扶助を基本にしているので、年金を貰う高齢者が増え、その財源を拠出する現役世代が少なくなるため負担感も大きく、将来的な年金制度への不安を感じる状況です」

佐藤「また、これまで豊かさや幸せの象徴であった「長寿」は、今はネガティブな印象が含まれているのも事実です。今後もしばらくは長寿化の進展と同時に人口の減少も予想されています。2025年には団塊世代が後期高齢者になるので、健康保険など公的医療保険だけでなく公的介護保険についても、国の負荷が大きくなることが予想されます」


今の時代に「ライフプラン」を考えることの重要性

社会がそういった動きを続ける中、自分たちの暮らしの防衛手段として将来を見据えた計画を立てることがより一層重要になりそうです。

佐藤「『教育』・『住宅』・『老後』を中心としたライフプランを立てることは重要です。しかし、現在多く見られるライフプランは、人口増加社会を前提に年齢を重ねる毎に収入が増加する安定モデルとして考えられています。ただ、根拠もない収入増加・安定モデルは他力本願的です。今後考えるべきは、「どのように上手くお金を使っていくのか?」という支出をベースに、自分自身でも認識できる自助努力型のライフプランです」

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「自分に合った計画を自ら考える必要がある」と佐藤さん。さらに、それを考えるうえで大事なポイントを以下のように話してくれました。

佐藤「人生は『教育期』・『現役期』・『高齢期』という3つの段階を進むので、ライフプランも3ステップモデルと言われていました。例えば、人生80年時代といわれていた頃は以下の3つの期間で分けられていました。現役期と高齢期の時間的な比率はおおむね2:1ですから、年金が現役時代の半分の額だとして、老後への備えは現役時代の収入1/3を高齢期の生活のために取っておくような発想です。しかし、現在は長寿化が進展し、現役期と高齢期は以下のように変化しています」

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佐藤「高齢期が延びたと同時に、現役期と高齢期がほぼ同じ期間になっている訳ですから、極端な話、現役時代に高齢期の経済的な準備をするには、収入の半分を高齢期の生活費のために割くような発想になってしまう訳です」

長寿化によって、これまで考えられていた人生の3ステップモデルが既に崩れています。さらに、長寿化による影響を佐藤さんはこう続けます。

佐藤「親の世代も寿命が長くなっておりますので、とくに老後においては、自分の老後を考える前に、親の老後のサポート(介護の問題など)も生じます」。


ライフプランに入れるべき「親と実家」のこと

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自分とわが子2世代を中心にした「教育・住宅・老後」で考えるのではなく、親のことも加えた3世代まで俯瞰すべきなのですね。

佐藤「今後介護が必要とされる高齢者が全体の23%を超える現在(※)、親が要介護となることを想定しておくことが必要です。また、亡くなった場合は葬儀その後の相続など、経済面だけでなく心身共に余裕がない状況で、様々なことを決定せねばならなくなります」

※内閣府ホームページ「平成30年版高齢社会白書(全体版)」より

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相続には実家のこともあります。親との同居や引き継ぐことができればよいですが、それができない場合、空き家の問題も絡んでくると佐藤さんは警鐘を鳴らします。

佐藤「自分たちが実家に住むことが難しいのであれば、『賃貸や売却ができるかどうか?』という見定めを早めにする必要があります。もし空き家になった場合、維持コストなど経済的な負担はもちろん、近隣とのトラブルや事件・事故などがあった際の最終的な法的責任は所有者(引き継いだ子世代)にあります」

「親と実家」の問題を考え、親と一緒にライフプランを考えることが重要になりそうです。親と一緒にライフプランを考えるうえで大切なことは「今のうちから考える」ことだと佐藤さんは言います。

佐藤「親の介護から相続については時期の予測は困難です。だからこそ、その時になって慌てるのではなく、親が元気な今のうちから準備を始めることが重要です。前述のように、相続が発生する時期自体が高齢化しているので、親が認知症となり意思疎通ができなくなる前に対策を進めておかないと、親の介護関連費用負担などで自分自身の家計がパンクしてしまうという状況にも陥りかねません」

親子で考えるライフプラン。子にできること


「親子の副業」で人生100年時代に備える

起こりうる様々な問題に対処するために「お金」は準備しておきたいもの。ライフプランを考えた上で、どのような備えを行っていけばいいのでしょうか。

佐藤「貯蓄や保険、投資など金融商品で備えるということは、将来必要なことをするために、計画的な事前準備をすることです。ですから、明確な目標(目的)を設定することが必要となります。介護や相続を目標(目的)にするのであれば、どれくらいの時期に、どれほどの資金が必要になるのか。統計データなどを使いおおよその想定はしておくべきです。さらに、不労所得で安定した収入を確保することを検討しても良いでしょう。特に、実家や遊休不動産などの土地活用を副業と考え、親子で一緒に取り組むこともできます」

親子で考えるライフプラン。親にできること

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さらに、親子で備える副業のポイントとして、「確定的な要素がどれくらいあるか」が重要だと佐藤さんは言います。

佐藤「副業の場合は、その業務内容で確定的な点がどれくらいあるかがポイントになります。ビジネスや金融商品への投資の場合は不確定要素が多くなることが普通です。土地活用に代表される副業の場合は、対象となる不動産が『投資対象として適切か?』がポイントです。それが、問題なければ、高齢期に差し掛かる親の負担にならず、子にとっても手間が掛からずに、長期的に安定収入を確保することが見込めます。そうすれば、お金に困らないライフプランが描きやすくなるのではないでしょうか」

ライフプランは、親の介護や葬儀、実家の相続のことまで想定する。そうしてはじめて意味あるものになります。その時、お金で困らないためにも、土地活用など、親と一緒にできる副業を今から考えてみてはいかがでしょうか。

お金に困らない人生のために、「親子で副業」を