上に戻る

PR「誰の足跡も追わない―」富士山麓の主張 琥珀色を守る男たち

撮影:湯浅立志 文:前田和之 提供:キリンビール株式会社

熟成年数にこだわるのではなく、熟成のピークに重点を置くという今までにないコンセプトのもとに生まれたキリンウイスキー「富士山麓 Signature Blend(シグニチャーブレンド)」。世界におけるジャパニーズウイスキー人気をさらに高める可能性を秘め、同社ならではの個性を生かしたウイスキーづくりを続けてきた。このウイスキーを生み出した三人の賢人たちは、どのような想いを抱き、「富士山麓 Signature Blend」をつくり出したのだろうか。

熟成のピークに辿り着いた原酒をブレンド 富士山麓の“自信作”、「Signature Blend」

富士御殿場蒸溜所に眠る原酒のなかから、熟成のピーク(マチュレーションピーク)を迎えた原酒を厳選してブレンドされた「富士山麓 Signature Blend」。これまで日本国内では富士御殿場蒸溜所のファクトリーショップとキリンオンラインショップ「DRINX(ドリンクス)」のみで販売されていたが、この夏より全国で発売を開始した。

同じ蒸溜所でモルト原酒とグレーン原酒の両方をつくるという世界的にも稀な富士御殿場蒸溜所のポリシー、そしてマスターブレンダーを務める田中城太氏をはじめとするつくり手たちの想いが込められた珠玉の一本が、今、全国のウイスキーファンたちの間に広まりつつある。

「Signature Blend」を語る、三人の賢人

  • キリンビール マーケティング部 宮田哲弥氏
  • マスターディスティラー 伊倉治氏
  • マスターブレンダー 田中城太氏

INTERVIEW 01「誰の足跡も追わない―」 琥珀に込めたメッセージ

キリンビール マーケティング部 宮田哲弥

「富士山麓 Signature Blend」のメインビジュアルに添えられた言葉――「誰の足跡も追わない」。キリンウイスキーがこれまでに歩んできた道のりとこれから進むべき先を暗示させるこの一文に、多くのウイスキーファンが期待を寄せている。マネージャーとして、広告・PRをはじめとした、富士山麓ブランドに関わるブランドマネージメントを担う宮田哲弥氏は、この一文にどのような想いを込めたのか。

「どの蒸溜所も『我々のウイスキーはこうあるべきだ』という理想を持っています。その香り、味わいをつくり出すのに適した機器でつくり手が原酒にこだわり、ブレンダ—がそれを見極めブレンドする。

我々は1973年の富士御殿場蒸溜所設立当初から、独自のアプローチでウイスキーづくりの技術を磨いてきました。先輩たちから受け継いできた、キリンのウイスキーの信念を守り、これからも我々にしか生み出せないウイスキーをつくり続けるという想いが、この一文に込められています」

「Signature Blend」がみなさまの間で徐々に浸透し、我々のウイスキーに対する想いも伝わっていくことを願っています。

スコットランドやアメリカ、カナダの蒸留技術や設備を取り入れながら、日本の風土や日本人に合わせて独自のスタイルを築き上げてきた富士御殿場蒸溜所。その理想の味のひとつが、この地で生まれた質の高いモルト原酒とグレーン原酒をブレンドさせた「富士山麓 Signature Blend」だ。

「『富士山麓 Signature Blend』は、さまざまなタイプの原酒のうち熟成のピークに達した原酒を厳選してブレンドしています。モルト・グレーンの両方で多彩な原酒を生み出すことのできる富士御殿場蒸溜所だからこそ、実現できたウイスキーです。

一度飲んでいただければ、我々のこだわりや長年培ってきたものをきっと感じていただけると信じています。

蒸溜所のフラッグシップたる『富士山麓 Signature Blend』が、みなさまの間に徐々に浸透していくとともに、我々のウイスキーづくりに対する想いも多くのお客様に伝わっていくことを願っています」

キリンビール・マーケティング部 宮田 哲弥(みやた・てつや)

1970年生まれ、大阪府出身。キリンビール株式会社洋酒・海外ビールカテゴリー戦略担当主務。1993年にキリン・シーグラム社入社。1998年~2002年同社マーケティング部で国産ウイスキー、輸入スピリッツのブランドマネージメントに関わる。その後、2010年~2012年キリンビール社マーケティング部国産ウイスキー担当。2017年10月より現職。

interview 02 いい原酒があるからこそ生まれた「富士山麓」の“自信作”

マスターディスティラー 伊倉治

ウイスキーづくりにおいて、その香味を決定するのはブレンダーの大切な仕事だ。しかし、ブレンダーがその力を発揮するには、熟成庫に質の高い原酒が数多く眠っていなければならない。

そして、その原酒をつくるために欠かせない存在が、仕込みから蒸留、樽詰、熟成を担うエキスパートたち。マスターディスティラーを務める伊倉治氏は、自らがつくり続けてきた数多くの原酒に絶対的な自信を持ち、その仕事に誇りを抱いている。

「いい原酒をつくるために大切なのは“ブレない”ことです。原料の選定から仕込み、蒸留、樽詰、そしてブレンダーのレシピを忠実に再現するブレンド。すべてにおいて品質のブレがないように細心の注意を払いながら、蒸留・熟成担当者は自分の役割をまっとうしています。

ウイスキーづくりにおいて、香味を決めるブレンダーがオーケストラにおける“指揮者”なら、我々は良質な原酒を届ける“演奏者”なのかもしれません」

富士御殿場蒸溜所で働く人たちは、誰もが足を動かし、自分の目で確認することを怠らない。それはわずかな異常が原酒の質を落としてしまうことを知っているからだ。彼らの仕事なくして理想のウイスキーは生まれないのだ。

オーケストラにおける“指揮者”がブレンダーなら良質な原酒を届ける我々は、音色を生み出す“演奏者”なのです。

「常に正常な状態を頭に入れておき、少しの変化も見逃さないように心掛けています。蒸留・熟成担当者にとって、もっとも大事なのは五感をフルに使うこと。定期的に行う品質チェックでは、おかしな香りがしないかなど、神経を研ぎ澄ませて行うのです」

マチュレーションピークを迎えた原酒で「富士山麓 Signature Blend」がつくれるのも、彼らが仕込んだ原酒が日の目を見るまで大切に育ててきたからだ。伊倉氏は語る「いい原酒だから、いいウイスキーがつくれる。私たちは常に良質な原酒をつくり続けている自負がある」と。

「蒸留・熟成担当者が喜びを感じるときは、自分が生み育てた原酒が製品として世に送り出される瞬間です。ひょっとしたら、自分が樽詰した原酒が製品になるとき、自分はこの仕事から離れているかもしれません。

次の世代が同じ想いを持ってウイスキーづくりに励み、その原酒を生かしてくれることを誰もが信じています。しかも、その原酒が『富士山麓 Signature Blend』のようないいウイスキーに使われるのなら、たとえ仕事から離れていたとしても大きな喜びを感じるでしょう」

マスターディスティラー 伊倉 治(いぐら・おさむ)

1958年生まれ、静岡県出身。キリンディスティラリー株式会社酒類生産部。1977年キリン・シーグラム社入社(2002年キリンディスティラリーに社名変更)。パッケージングと品質保証を担当後、1989年から現在に至るまで30年にわたり洋酒の原酒製造に従事。2016年に日本醸造協会「醸造技能者表彰」を受賞。

INTERVIEW 03 マチュレーションピークを見極めた、これまでの“集大成”

マスターブレンダー 田中 城太

ウイスキーづくりの工程のなかで、香味の形成にもっとも大きく影響を及ぼすのが原酒を眠らせておく熟成期間だ。樽に詰められた原酒は長い時間をかけ、美しい琥珀色や甘く華やかな香りを纏う。ただし、この熟成期間は長ければいいというわけではない。熟成にはピークというものがあり、その原酒本来の特長がもっとも引き立つ時期を「マチュレーションピーク」と呼ぶ。

原酒がマチュレーションピークに辿り着くまでの熟成の仕方は千差万別。原酒の性状や樽の種類、樽に眠らせておく熟成庫の環境などによって、ひとつの原酒がマチュレーションピークまでにたどる熟成の軌道は多種多様なバリエーションが存在する。

このマチュレーションピークを見極めることが、ブレンダーの大切な仕事のひとつであり、ウイスキーづくりの面白くも難しいところと田中城太氏は語る。

「マチュレーションピークを迎えた原酒は、どれも特長が際立っています。そして、それぞれの特長を損なわずに生かし、さらに相乗効果をもたらすには、絶妙なバランスでブレンドしなければなりません。非常に難しいですが、同時にやりがいもあり、ブレンドの醍醐味でもあります。口に含んだときに凝縮された特長が一気に解き放たれる味わいを目指し、魂を込めてブレンドしています」

特長のある原酒同士を掛け合わせながら、それぞれが持つ本来の香味を最大限に活かす。言葉で表すのは簡単だが、実際に行うには高いスキルが求められる。「富士山麓 Signature Blend」は、まさにブレンダーの真価が問われるウイスキーと言っても過言ではないだろう。

先代からのこだわりや培ってきた技術のすべてを注ぎ込んだのが「Signature Blend」なのです。

一般にウイスキーには熟成年数を記さないノンエイジステートメントと、熟成年数を記したエイジステートメントに分けられ、「富士山麓 Signature Blend」は前者に含まれる。ノンエイジステートメントは年数に関係なくさまざまな原酒を使えるため自由が高いと言われるが、「富士山麓 Signature Blend」はそれに当てはまらない。なぜなら、数ある原酒からマチュレーションピークを迎えたものしか使用しないからだ。

「確かに『富士山麓 Signature Blend』はノンエイジステートメントとしては制約の多いウイスキーです。ただ、キリンウイスキーは、昔から熟成年数にこだわるのではなく、熟成の度合いを見極めてウイスキーをつくることを信条にしてきました。

先代から受け継いだこだわりを守り、かつ、今までに培ってきた技術をすべて注ぎ込んだ“集大成”が、この『富士山麓 Signature Blend』なのです」

マスターブレンダー 田中 城太(たなか・じょうた)

1962年生まれ、京都府出身。キリンビール株式会社マスターブレンダー。1988年に入社。カリフォルニア大学デービス校大学院修士課程を修了。帰国後、再度渡米しフォアローゼズ蒸溜所でバーボン製造に携わる。2009年からはキリンビール商品開発研究所でブレンダー業務に従事。2017年、世界的ウイスキー・アワード「アイコンズ・オブ・ウイスキー(IOW)2017」で「マスターディスティラー/マスターブレンダ―・オブ・ザ・イヤー」を受賞。

FUJI-SANROKU “集大成”の味を嗜む、至福のひととき

「アイコンズ・オブ・ウイスキー2017」において、ブレンダーとして世界最優秀ブレンダーの称号を得た田中城太氏が原酒のピークを見極め、ブレンドした「富士山麓 Signature Blend」。それぞれの原酒が持つ本来の特長がぶつかることなく調和し、口に含んだ瞬間にその凝縮された複雑で豊かな香味・特長が解き放たれ、鮮やかな風味となって口内に広がる。

繊細ながらも、個々の香味に芯があり、複層的に織り重なる味わいのなかには、つくり手たちの想いも込められている。キリンウイスキーの“集大成”でありながら、新たなスタートも予感させる新しい味。

グラスを傾け、1日を振り返りながら明日への活力を得る時間を、この「富士山麓 Signature Blend (シグニチャーブレンド)」とともに過ごしてみてはいかがだろうか。誰の足跡も追わない「富士山麓」の”集大成”が、自分の歩んできた道、そして明日の一歩を優しく応援してくれるだろう。

キリンウイスキー ┃ 富士山麓 Signature Blend(シグニチャーブレンド)

価格:オープン価格
容量:700ml
発売日:2018年8月21日(火)
発売地域:全国
問い合わせ先:キリンビールお客様相談室
TEL: 0120-111-560

ストップ!未成年者飲酒・飲酒運転。お酒は楽しく適量で。妊娠中・授乳期の飲酒はやめましょう。のんだあとはリサイクル。

「富士山麓Signature Blend」について詳しく知りたい