中古住宅を選ぶとき気になるのは、やっぱり「建てた会社」!

マイホーム購入を考えるとき、新築に比べて価格が手頃で、すぐ入居できるなどのメリットから、中古住宅を選択肢として考える人は多いようです。一方で中古住宅の隠れた不具合や耐震性への不安もある様子。今回、住宅メーカー8社が合同で運営するサイト『イエノミカタ』が、中古住宅の購入を検討している人に向けて意識調査を行いました。All Aboutガイドのコメントと共に、興味深い結果をご紹介しましょう。

提供:イエノミカタ

“手ごろな価格”が魅力だが、“隠れた不具合”や“設備の老朽化”への不安も

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ここ3年以内に一戸建ての中古住宅の購入を検討したことがある人に、【中古住宅の魅力】について尋ねてみました。

「手ごろな価格である」(75.2%)が断トツの結果に。次に「立地条件がよい」(43.7%)「リフォームができる」(29.5%)と続きます。新築では手が届かないような立地条件のいい住宅を手ごろな価格で手に入れて、自分好みにリフォームして暮らしたい……そんな意向が透けて見えるようです。

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一方、【中古住宅の購入を検討する際に不安に思った点、それがネックになって購入を見送った点】について聞いたところ、「隠れた不具合の有無」、「設備の老朽化」が59.6%と同率1位でした。

さらに、【中古住宅を購入する際に、基本情報に付随して開示されていると安心な情報】を聞いたところ、「過去のメンテナンス・リフォーム履歴」(69.1%)「定期点検の結果」(64.6%)、「耐震性能の有無」(62.8%)が軒並み6割を超えていました。割安な住宅を購入したつもりが、不具合のせいで修理費用がかさんだり、地震で家が傾いてしまった……などということは避けたいもの。きちんとメンテナンスされており、安全面でも問題ない住宅なら安心というわけですね。

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中古住宅は“どの会社が建てたか”が気になる。会社の信頼性を重視

物件検討時に「どの建築会社が建てたかを考慮した」「どちらかというと考慮した」と回答した人は、66.4%と7割近く。「考慮した」人の中では、ハウスメーカー(日本国内全域又は広範囲の規模で展開する大手の住宅建設会社)が建てた家を検討したという回答が7割超(複数回答)と最も多く、理由として「品質が一定で安定している」(67.1%)、「耐震性など住宅性能が高い」(56.2%)、「会社への信頼性」(44.7%)が挙げられていました。やはり、大手の住宅会社への信頼度は高いようです。

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中古住宅へのさまざまな不安を払拭するため、大手住宅会社10社が統一基準を設け、品質規格を担保する建物を『スムストック』と定義しています。これは、過去に自社が施工した一戸建て物件について、売主からの依頼を受けて検査・品質を認定し、系列の不動産会社が仲介して売りに出す仕組み。長期点検制度の対象でありメンテナンスの履歴が残る物件、新耐震基準を満たす物件が対象になっています。

信頼できる情報を見つけ、安心できる中古住宅を見分ける方法

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田中直輝(All About「ハウスメーカー選び」ガイド)

今回の調査結果を、All About「ハウスメーカー選び」ガイドの田中直輝さんはこう分析します。

「今回の調査では、中古住宅のメリットだけでなく、"見えない不具合”や"設備の老朽化”などマイナスイメージが浮かび上がりました。ところが住宅の性能や品質に対してきちんとした情報提供を行っている会社はまだ少なく、中古住宅の購入は私たちにとって“賭け事”に近いものがあります。大多数の人が、ハウスメーカーなど信頼のおける会社が建てた中古住宅を希望するのは、そのような背景があるのでしょう。

国は2017年末、中古住宅の流通活性化を目指して、『安心R住宅団体登録制度』制度(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)をスタートしました。これは、耐震などの性能が確認され、建物の状況調査やリフォームなどについて情報提供が行われている中古住宅に対して、国が事業者団体に『安心R住宅』マークを付与し、信頼性を裏付けるというものです。これによって、事業者はもちろん、中古住宅そのものについても”安心”に関する一定の基準が示されたわけです。

大手ハウスメーカー10社による『スムストック』を展開する『優良ストック住宅推進協議会』も、これに登録しています。今後、このマークの有無が中古住宅を購入する上での一つの判断材料になるでしょう」

これからの住宅選びは

今回の調査では、中古住宅の「見えない不具合」「設備の老朽化」や「耐震性」への不安が浮き彫りになりました。また、これらの懸念を払拭するために、信頼できる会社が建てた家かどうかを考慮する人が多いこともわかりました。将来、ライフスタイルの変化などでマイホームを手放すことになった場合、多くの人が購入を検討する「ハウスメーカー」で建てた家ならば、有利な条件で売却できる可能性が高くなりそうです。

また、大手ハウスメーカー10社が統一基準を設けて、中古住宅の品質規格を担保する『スムストック』もあります。このようなしくみを活用できるのも、大手ハウスメーカーで家を建てるメリットだと言えます。もし家を新築する際には先々のことを考えて、マイホームの価値を高められるような依頼先選びをしたいものです。

調査概要

調査日程:2017年11月2日(木)~11月9日(木)
調査対象:ここ3年以内に一戸建ての中古住宅の購入を検討した経験がある、東名阪在住の30歳以上の男女
有効回答者数:661名(男性391名,女性270名)
調査方法:インターネットリサーチ
「イエノミカタ」について URL:http://ienomikata.com/

住宅メーカー7社(旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)、住友林業、積水化学工業(セキスイハイム)、大和ハウス工業、ミサワホーム、三井ホーム、ヤマダ・エスバイエルホーム(S×L))が共同で、住宅建築を通したよりよい暮らしのありかたを提案することを目的としたプロジェクトです。

イエノミカタHPでも本調査の参考記事を掲載しています